ネット世代の雑評論

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六花の勇者2巻 感想と考察

求聞口授の情報ガンガン来てるね。まだ買ってないから書けないけど。


六花の勇者2
スーパーダッシュ文庫
著者:山形石雄

の感想とか考察とか。小説(ラノベ)感想回。
ミステリファンタジーだけどガンガンネタバレしていくので注意。このブログはネタバレ注意って書いてなくてもたまに平気でネタバレしてたりするのでその辺も注意。



スゲー面白かった。
1巻で完結してるような気もして、2巻とか続き物でやれるのかなとも思ってたけど、作者の技量か執念か、見事にミステリとファンタジーを融合した作品の続編がそこにはあった。

ミステリっていうのは基本、現代(というか書かれた時代)を作品の舞台としている場合が多い。ミステリは論理の小説。となると、余りに現実とかけ離れた舞台では成り立ちにくい。
古代や中世が舞台のミステリは、まあたまにある。未来、SF舞台にミステリは、無くは無い。しかし、ファンタジーでミステリは新しいといっていいのではないか。

SFとファンタジーは似ているようで一線を画す。誰だったかが言った言葉だが、SFは可能性の文学、ファンタジーは不可能性の文学らしい。何が可能かという極限がSFで、何が不可能かの極限がファンタジーといったところか。
SFは論理性を礎としてなりなっており、ファンタジーは非論理性、迷信や絵空事を基盤としているのか。

というわけで、SFならばミステリは難しいというだけだが、ファンタジーならミステリは原則的には成り立たないのだ。
しかしそこが上手く料理されているのが「六花の勇者」と言う作品だ。

いうなれば密室だ。物事を判断する材料を限定する事で読者に推理の余地を与える。
結界を張ったり、伏線を張ったり、専門家的知識で限定したり……
こういうことが丁寧に行われているからこそファンタジーでミステリとして成り立つのだろう。


もちろんファンタジーとしても一級品。
あえて古典的RPG的ファンタジーな世界観にしているのだろう(ミステリという言葉が似合わない空間である)。モンスター然としたモンスター、闘う女性、挙句の果てにセーブポイントめいたものまである。だからこそわかりやすい。ミステリには説明が必要だが、常識が通用しない世界観ではその説明に引っ張られてしまう。
スレイヤーズが示したように古典ファンタジー世界観は読者への説明を省ける。スレイヤーズではテンポの良さのために使われた手法だが、六花の勇者ではまた違った利用法というわけだ。

それぞれのキャラの個性が強く、嫌味な感じもせず好感の持てるキャラ作りだ。
闘い方もそれぞれ違い、ちょっとした能力バトルのようだ。

主人公アドレットは暗器、隠し武器、科学知識を持っての頭脳戦をする。
地上最強の男と自称しているが、六花の勇者の中では真っ向勝負では最弱だと思われる。
ミステリとしての探偵役な訳だが、かなり甘い性格なのがファンタジー的な葛藤を生むのか。

ヒロイン役っぽいフレミーは火薬の聖者で、ツンデレ?
凶魔と人間のハーフでこの作品の世界観を良く表す。

モーラはこの巻で深く描写された。お偉いさんで権力あるし能力も強いけど単純。はっきりいうと老害。
だからこそ物語を盛り上げるのだが。強引な感じもある。最もファンタジーよりなお方?

ハンスやチャモも活躍している。ゴルドフは1巻ではほとんど何もやってなかった気がするけど、2巻では思いがけない一面が。

敵側のボス格も今回登場、テグネウ。トリックスター的な振る舞いがミステリを生む。黒幕?


今回は何が謎か、というのが謎だったか?
モーラが裏切っていると見せかけて、そうでもなかったという話。
モーラの人物像が良く現れた巻。それをよく理解しないとモーラが七人目だと勘違いする。
テグネウのやり方の嫌らしさを見抜く。まさしく悪魔的なキャラである。

テグネウの正体解明も予想は可能であったか。
そのために細かい状況まで説明させる。DNA鑑定染みた事もする。
ファンタジー推理。事実の積み重ねと謎の解明。出来ることと出来ない事をちゃんと説明していたからこそか。

ミステリ要素のみが先行するのではなく、ファンタジー要素もともに盛り込まれているという印象。
もう一人の魔王カーグイックは勇者が来るまで自分の城で待つというバラモスとか竜王みたいな古典RPG魔王だし、ナッシェタニアと組んだ魔王ドズーは政治的手法か何か、普通ではない手で待ち受ける。
今後の展開に注目である。


一応七人目について考察してみる。
ナッシェタニアはドズーがよこした、いわば八人目か。

アドレット。
主人公なので逆に怪しい。一応七人目を派遣したのはテグネウらしいので、ナッシェタニアが物語冒頭で出会った事は伏線として考えにくいが……
純粋な力では弱いのも気になる。自分自身では気付いていなくても何かの手法で七人目にされてたりして。
一応ミステリとしては反則なので、薄いか。ファンタジーとしても厳しいし。

フレミー。
凶魔とのハーフだしテグネウに育てられたからスゲー怪しいんだけど、逆に無いかな?という気もする。でも一周回ってある気もする。
そうなると一人で行こうとしていたこととか疑問点も多いが、まあテグネウが全能的知性を示すなら可能だろう。
七人目でもアドレットにデレて……という線もあるし。

モーラ。
老害。しょっちゅう厄介事を起こす。ブリーチの山本元柳斎重國さん思い出す。でもまあテグネウが七人目だと嘘を言ったら嘘の代償が払われた(ここにまたブラフだとややこしい)から薄いか。ただ老害なのでまだいらん契約してて厄介事を引き起こす可能性もある。別に白だとしても捜査の撹乱しかしない。でもまあファンタジーな手法で色々強引に解決したりもするか。まあギリギリいたほうが六花側にメリットかな?基本黙っといたほうがいいけど。まあ聖者情報はありがたいけど……
老害っぷりが大好き。まあブリーチの山本総隊長も嫌いじゃないし。

ハンス。
暗殺者という出自が単純に七人目っぽい。モーラに単純に殺されかけたのはアレだけど。
七人目でも問題ない描写が多い。潜伏してろっていわれてるから馴染んでるという可能性。金が全ての価値観ならいくらでも理由はできるし。
ただそれっぽすぎて逆に……

チャモ。
子供だし……とも思わなくも無いが、まあ七人目でも問題は無い。
凶魔を操る能力だしなにか臭い、ゲロだからじゃなくて。なんか操ってる凶魔はカーグイック派閥のらしいし。
強い強いといわれる割にそこまで活躍してないのも……

ゴルドフ。
なんか凶魔を拷問して、拷問しても意味無いはずなのにうっかり情報を引き出せた人。
なんというかそれ以外では薄いし、ここで七人目とか言われても驚きようがない。いや驚くけど、納得できない。

ロロニア。
鮮血の聖者。使用人として来たら「偶然」能力が付いて「偶然」才能が有り余ってて「偶然」遅れてきただと?うさんくせー。
まだわかんねーけど、血とか操るし、なんとなく、悪者っぽい。
でもモーラとのやり取りが……でもねえ。


とりあえず怪しさ順を書いてみる。
ロロニア>フレミー>チャモ>ハンス>アドレット>モーラ>ゴルドフ

たぶんロロニアかフレミーだね。どちらかを判断するにはまだ足りない。



で、何巻まで続くんだろ?ストーリーも難しそうだが。どう引き伸ばしても10巻は無理そう。まあ一巻で終わらない話があれば別だけど。
個人的には短く完成度を維持したまま完結して欲しい。
それでこそミステリとファンタジーの融合の結晶として相応しいと思う。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2012/04/26(木) 04:17:20|
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