ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

あらゐ けいいち「日常」は「日常系」か

日常(漫画) Wikipedia
空気系 Wikipedia

日常。一般名詞であるがこの場合、あらゐけいいち原作の漫画(及びアニメ等)の「日常」を指す。
かなりナンセンスで激しい表現も見られるギャグ漫画である。


日常系。Wikipediaでの項目名は空気系だが、最近流行の漫画アニメ等の作品群で、Wikipesiaによると

引用
空気系(くうきけい)とは、主にゼロ年代以降の日本のオタク系コンテンツにおいてみられる、美少女キャラクターのたわいもない会話や日常生活を延々と描くことを主眼とした作品群。日常系(にちじょうけい)ともいう[1]。これらは2006年頃からインターネット上で使われ始めた用語である[2]。

らしい。

日常を描き、ギャグが控えめな漫画は古くからあるが、日常系がはっきりとした輪郭を帯びたのは「あずまんが大王」であろうか。そして「らき☆すた」や「けいおん!」が系譜上にある。
類似作品は多いが、なんにせよこういった類の作品が受け入れられやすい土壌にあるわけだ。
所謂「セカイ系」と対として語られる事も多い。


その中でズバリ「日常」と言う名の作品がある。
たしかに学園物だし、たいしたストーリー展開ないし、女子高生多いし、たわいもない話も多く、何かが世界の危機に繋がるとかそういう展開は無い。
しかし、「日常」は「日常系」なのか?という問いにはっきりとハイとは言いにくい。

たわいもない恋愛の話・・・・・・から突如キャラが暴走し始めたり、学校的あるあるネタから・・・・・・そのままボケたおすキャラがいたりとどう考えても話の展開・文法が「日常系」ではない。
日常にあってよい、あってありうると考えられるそれを大きく逸脱している。

しかし主要キャラは、その外見は「日常系」のそれに見える。そこが問題なのだ。


結論から言ってしまうと、「日常」は「日常系」のパロディである。「日常系」の文脈を持った導入を崩していく事で笑いを出している。

元々、というか今でもだが、「日常系」はギャグ漫画の範疇である。少なくともその血筋である。ギャグをパロディという時点で構造的に無理がありそうなものだが、現在の「日常系」はそれが可能なほど発展している。ギャグ漫画から逸脱してきているのだ。

例えば、主要キャラである「長野原 みお」は、一見(髪の色とかは除いて)普通の女子高生で、むしろ真面目な印象すら醸し出している。
しかし、BL系の漫画を描く、所謂腐女子でもある。
「日常系」の文脈ならば、そういう趣味はバレそうになって一騒動と言う程度だが、「日常」ではなんと警察官に見られてしまう。あるいは「日常系」ならバレてもフォローがあるものだが、「日常」では原稿用紙がヤギに食べられてしまうというオチである。

この泣きっ面に蜂なオチはギャグ漫画の文脈ではあっても「日常系」のそれではない。
だからこその展開なのだ。だからこそ笑えるのだ。
「日常」は「日常系」の大元たるギャグ漫画に先祖帰りしている、とも言える。




主流となった創作作品には追随者も増え、それを前提とした何かも生まれる。
ギャグ漫画とは、笑いとは予想外というのが本質である。
お決まりの展開を超越すればこそ笑いが生まれる。
つまり、それを知っているだけではなく、慣れ親しんでいなければならない。

パロディは読者に要求する事が多い。
面白いものだが、それが読者を篩いにかけるのかもしれない。
まあ、「日常」は単純に「日常系」やってるような回も多いし、古き良きギャグ漫画の形式で乗り切っている場合もあるし、引き出しが多いと考えるのもありかも。
ギャグ漫画というのは本来なんでもありなのだ。「日常」は「日常系」を考える上で面白い比較になり得る。
スポンサーサイト

テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2011/10/19(水) 23:56:27|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0
<<なにもせずに利益を得る。138回動画紹介回 | ホーム | なんか最近朝更新多いな。第137回動画紹介回>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tateito1.blog48.fc2.com/tb.php/701-3e49f7ef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)