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ライトノベルの定義として、「ライトノベルレーベルから発刊された小説」というものがある。
混迷極まるライトノベルの定義論を一挙に解決する方法であるが、私はこの説をとらない。
この定義は、何をライトノベルとして扱うかという実用性には長けているものの、事実ライトノベル的なものはライトノベルレーベル以外からも出ているのであり(それをライトノベルとは呼ばないという定義であるが)、そもそも「ではライトノベルレーベルとは何ぞや」という反論にうまく答える事ができないからだ。

言うまでもなく考えるまでもなく、ライトノベルレーベルとはライトノベルを刊行しているレーベルの事である。
「ライトノベルレーベルから発刊された小説」がライトノベルの定義ならば、論理の輪が閉じてしまう。

だが、定義に入れたくなるほどライトノベルレーベルという枠組みは重要という証でもあるのではないか。

ライトノベルレーベルには様々なものがある。
出版社が違ったり、出版社が同じでも扱う小説が大きく違ったりで色々ある。
今回はそれらのライトノベルレーベルの中で、ライトノベル界隈を支える九つのレーベルを選び、紹介していく。
なお、調べるにあたって冒頭のリンクの他に、2chのラノベレーベル比較スレなども参考にしている。
過去の経緯はともかく、現在の状況を書き表したい。

扱うレーベル。
電撃文庫
富士見ファンタジア文庫
MF文庫J
ファミ通文庫
角川スニーカー文庫
HJ文庫
GA文庫
ガガガ文庫
スーパーダッシュ文庫

この九つしか扱わないので、何かのレーベルの評判目当てで来て、この中にそれが無かった人はご愁傷様。
もちろん、この中でも強弱は激しいのだが…


ではスタート。
電撃文庫
ライトノベルレーベルの押しも押されぬ王者。しかし、その絶対王権にも陰りの兆しが?

とにかく「なんでもあり」という感じのレーベルで、SF・ファンタジー・学園モノ・萌え・シリアス・ラブコメ・ギャグ…と何かに偏るという感じはない。万能的なのも王者の風格。
あえていえばオリジナル作品が多く、アニメやゲームなどの小説化というのは少ない。
最近結構人気のある作品群(とらドラ、狼と香辛料、ドクロちゃん等)の完結が目立ち、世代交代の臭いを感じる。世代交代するだけの駒があり余力があるという表れでもある。

今の主力は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」、「新約 とある魔術の禁書目録」、「デュラララ!!」といったところだが、他にもまだまだ弾は多い。キノやシャナもまだまだ現役だ。入間人間先生の作品群も。


富士見ファンタジア文庫
ライトノベルレーベルの古豪。最近はヒット作に恵まれないが…

ライトノベルの始祖とも言うべき「スレイヤーズ」を輩出した、ある意味で最も古きライトノベルレーベル。
スレイヤーズの模倣こそがライトノベルだという定義もあるくらいだ。
そのレーベル名通り、ファンタジーものが中心である。やはり大先輩の影響は強いのか。
とはいえ、生徒会シリーズなどヒット作の中にもファンタジーものではないものもある。

今の主力は「フルメタルパニック」、「生徒会」シリーズ、「鋼殻のレギオス」、「これはゾンビですか?」、そして「スレイヤーズ」。


MF文庫J
新進気鋭のライトノベルレーベル。ここ数年で三強に。

所謂「萌え」が強いレーベル。
「萌え」といえばゼロ年代以降の日本文化のキーワードとも言える。ここを重点的に責めるのは戦略として妥当である。
それが功を奏したか、急成長を遂げたラノベレーベルの出世頭。
苦しいときを支えた「ゼロの使い魔」シリーズは完結へと向かっているが、他の人気シリーズはまだまだ伸び代がある。
緑色の背表紙が特徴的で、本屋でもぱっと見て場所がわかりやすい。

今の主力は「ゼロの使い魔」、「IS<インフィニット・ストラトス>」、「僕は友達が少ない」、「緋弾のアリア」といったところ。これからに期待が出来る。


角川スニーカー文庫
やはり古豪だが…ハルヒを出しているレーベル。

その歴史は古く、ロードス島戦記やフォーチューンクエストなど、ラノベ草創期を作り上げた。それゆえかファンタジーものが若干多い。
アニメやゲームのノベライズも多く手がける。ガンダムやマクロスのノベライズも強力だ。
しかし時代の風は厳しく、かつては三大ライトノベルレーベルとされた角川スニーカーも今苦境に立たされている。
ハルヒは今のライトノベル界の頂点に立っている。4年待たせて未だにあそこまでの話題性を保つのは他のライトノベルには難しいだろう。
だが一極集中。ハルヒの続刊も作者に依存する。非常に難しい立場に追い込まれている。

今の主力は、まず「涼宮ハルヒ」シリーズ、あとは「レンタルマギカ」や「トリニティ・ブラッド」などが思い当たるが…


HJ文庫
気合は入っているものの…2006年創刊。

かなり創刊が新しい、非常に新しいレーベル。
後発だが、国外進出を果たしていたり、雑誌も創刊していたりとかなり本気で狙っている事が判る。
ホビージャパンが発行しているだけあってゲーム分野に強いか?
だが、新しいゆえかヒット作にはあまり恵まれていない。これからに期待。

主力は「いちばんうしろの大魔王」。漫画化、アニメ化も成されている。最近発売された「僕の妹は漢字が読める」はネット上で話題が集まったが、さてどうなる事やら。


GA文庫
やはり後発である。2006年創刊

これも2006年に創刊された。2006年って何があったっけ?ハルヒアニメ化?
まあスレイヤーズの影響を受けてないライトノベルレーベルということはわかる。2006年辺りに萌えを含むライトノベルブームが全盛期になったとか?知らんけど。
結構手堅くやってるらしい。HJとは対照的だったり?
扱うライトノベルは手広いという印象。まだ方向性を模索中?

主力は「神曲奏界ポリフォニカ」シリーズ、「織田信奈の野望」、「這いよれ!ニャル子さん」、新しいのでは「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」といった感じ。


ガガガ文庫
2007年創刊の、「濃い」レーベル。

非常に新しいレーベル。紹介した中では最新である。
「実験色の強い」ライトノベルでも受け入れるらしく、非常にカオスな様相を示す。
色々新しい試みも行っている今後が楽しみなレーベルでもある。
まあ問題は良い作品を発掘する事だが…

現在の主力は「人類は衰退しました」、「とある飛空士への追憶」、「ブラック・ラグーン」。


スーパーダッシュ文庫
集英社のライトノベルレーベル。

集英社といえば週刊少年ジャンプを発刊する漫画界の長である。
そのライトノベルレーベルであるわけだが、まあそれほど目立った印象は受けない。
漫画の小説化は別のレーベルに任せているのも要因の一つか。

ジャンプスクエアで漫画化された「迷い猫オーバーラン!」、「紅」、「ベン・トー」が主力陣。


追記 なんか忘れ去ってた。
ファミ通文庫
ゲーム雑誌「ファミ通」の名を冠する中堅ライトノベルレーベル

ファミ通の名を冠するだけあって…というわけでもないようだがメディアミックスやノベライズが盛ん。背表紙のFBのロゴが赤だとオリジナル作品、緑はノベライズとかTRPG関連である…ってWikipediaに書いてあった。へぇ~。それを区別するだけノベライズやTRPG関連に頼っていると言うこと?
全体の刊行数は多くないが良質なシリーズを幾つか保有しており、ライトノベル界の中で存在感を見せている。
作品内容の傾向としては、クセが少なく日常系が多いらしい。編集が強いという現れ?

主力は「バカとテストと召喚獣」が突出しており、「文学少女」シリーズがそれに続く。「狂乱家族日記」も中々。

追記終わり


こんなところか。
MF文庫Jの躍進には驚かされた。電撃文庫の牙城は崩れる気配を見せないが、ほんの少し綻びが見えてきた?
新しいライトノベルレーベルも徐々に力をつけ始めている。
色々個性があって面白い。それが勝利を決めるのだろうか。
ハルヒの続刊はいつになるのだろうか、それはライトノベル界の趨勢に影響を及ぼすだろう。
結局作品あってのレーベルなのだ。



活字界の、所謂「サブカルチャー」であるライトノベル。それを支えるのは個々の作品があってこそだが、それを生み出したのはライトノベルレーベル同士の切磋琢磨かもしれない。
群雄割拠のライトノベル界。果たしてどのように変わっていくのか。今後のライトノベルの発展に期待である。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2011/07/11(月) 04:51:44|
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コメント

No title

ファミ通文庫の評価が忘れ去られてますw
  1. 2011/07/11(月) 09:33:00 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

Re: No title

> ファミ通文庫の評価が忘れ去られてますw
あららw
すみません書き足します。
  1. 2011/07/11(月) 12:12:51 |
  2. URL |
  3. たていと1 #-
  4. [ 編集 ]

No title

「トニリティ・ブラッド」は著者の吉田直氏が残念ながら逝去されてしまったので、主力に数えるのは……
  1. 2011/08/30(火) 16:23:58 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

Re: No title

> 「トニリティ・ブラッド」は著者の吉田直氏が残念ながら逝去されてしまったので、主力に数えるのは……
あ、すみません。全然知らないのに適当な事書きました。というかレーベルスレで結構売れてるなあと見て思考停止で書き写しました。
あまりライトノベル界隈の情報ちゃんと収集していないもので。
今後があればもっとちゃんと調べて書きます。実際私はラノベは話題作とか知名度の高い作品中心にしか読んでないのでいささか知識に深みが無いのかもしれません。とはいえ、まあジャンルは広く取ってるつもりですが。

なんか微妙にラノベ界隈の作家、悲報とか健康被害とか多いような気もしますね?やはりきつい仕事なのでしょうか。
  1. 2011/08/30(火) 21:09:35 |
  2. URL |
  3. たていと1 #-
  4. [ 編集 ]

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ネット世代の雑評論 主なライトノベルレーベルとその特徴 しっかりと調べているだけあって情報に誤りがないと思う。主な作品とかは人によるだろうが。もっと詳しいことを書きたいならばかなり数読んでいる人じゃないと厳しいか。
  1. 2011/09/01(木) 01:25:35 |
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