ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

東方茨歌仙 第一巻の総合的感想・考察

東方茨歌仙の収録話の、主に話を超えた感想。

第一話「片腕有角の仙人」感想
第二話「意図的に捨てられた技術と地獄」感想
第三話「罪人の金鉱床」感想
第四話「信仰の人工湖①」感想
第五話「仙人の本分」感想
↑ここまで単行本収録
第六話 「雷の持つ見えない毒」感想

第一巻の雑誌収録してないところとかの感想。


一話一話の感想は、まあ十分にしたような気もするので、それを超えた各話の繋がりとかそういうのを見て行こうと思う。


まずは華扇を中心としてストーリー展開を追っていこう。

第一話「片腕有角の仙人」
奉納された「河童の腕」の噂を聞いた華扇は神社を訪れるが、その正体がおもちゃと知ってそれを御神体としようとした霊夢を説教する。霊夢と魔理沙に興味を持った華扇は博麗神社にちょくちょく顔を出すようになる。

第二話「意図的に捨てられた技術と地獄」
温泉活動により地上に出てくる旧地獄の怨霊を気にする華扇。間欠泉は止めて欲しいらしく、核融合炉の代用となりうる常温核融合の実験を促す。公開実験を博麗神社で行う神奈子に、華扇は間欠泉は危険だと詰め寄る。

第三話「罪人の金鉱床」
神社で見かけた怨霊を握り潰す華扇だが、死神である小町に警告される。翌日、神社にて金塊に群がる怨霊を、小町からの警告を無視してつぶす。霊夢や魔理沙に怨霊から生まれる金鉱脈の危険性を指摘して採掘をやめさせる。
小町からは依然として監視されている。華扇は「良い事をしているように見える筈なんだけど」と独り言。

第四話「信仰の人工湖」
地滑りによって出来たダムの危険性を知り、華扇は心配するが、天然のダムはすぐに取り除かれる。しかし新たなダム計画が。不審に思った華扇は諏訪子に詰め寄る。諏訪子から河童の暴走による地滑りであった事が明かされる。河童にはダムを作れないからダム計画は中止になる。

第五話「仙人の本分」
河童のダム計画が頓挫し、それに便乗するつもりだった霊夢は次なる手として仙人である華扇を利用する事を思いつく。
仙人を見世物にするという発想に華扇は激怒。龍の子供や大鷲を呼び出し無理矢理霊夢を修行させるために連れ去る。
修行から帰ってすぐは霊夢もやる気があったが、すぐに力尽きて無気力になる。
華扇は小町に霊夢に修行の必要は無く無意味だったという。だが華扇が「仙人らしい事をした」というところに小町は感心したらしい。窓から入ろうとして大きさの目算を誤った小町は華扇と共に苦笑する。


五話までではこんなところだろうか。時が経つに従い華扇の性質が明らかになっていく。
サブタイトルとか名前とか右腕とかでいきなり茨木童子と推測されたわけだが、まず第一話でそれが仙人をやっている事実があった。仙人が説教くさいのはまあ当然といえば当然。
第二話で華扇に怨霊・旧地獄関係で怪しい行動が。
第三話で死神(三途の川の渡しだが)の小町に怨霊潰しを咎められる。
第四話では守矢一家の陰謀を探る。
第五話では仙人を見世物にするという「欲にまみれた」霊夢を修行させるという「仙人らしい事」をする。結果として無意味だったようだが小町との関係は改善された模様。

通してみていくと華扇の二面性に否応無しに気付かされる。一方では説教したり人間たちの事で心配したりするのだが、もう一方で小町に止められているのにも関わらず怨霊を潰したり、不自然に間欠泉を止めたがったりする。
露悪的な独り言も目立つが、仙人らしい善良な面も多い。どちらが真実という感じでも無いのだが…
第一巻に未収録の第六話でも霊夢や魔理沙のことを心配してるし、単純な悪人という感じではないが…
華扇の過去、正体、本性はこれから描かれるのだろうか。期待したい。



今度は霊夢の金策・信仰獲得策についてまとめてみたい。因みに全部失敗しているのでその理由も。
第一話 「河童の腕」を御神体に。華扇に怒られて止めさせられた。
第二話 特に無し。 霊夢「…それで協力して私に何か利点はあるの?」
第三話 温泉型金鉱床を利用した金の採掘。華扇に危険性を指摘されて止めた。
第四話 観光資源としてのダムを利用したお土産屋。ダム計画が頓挫して終了。
第五話 仙人芸を見世物に。華扇がキレた。

単行本未収録の第六話では雷獣を使った雷獣発電を計画していた(余った電気を売るつもりだったらしい)。これは雷獣を扱う事が困難なので計画段階で終わった。
見ての通り霊夢は隙あらば楽して儲けようと計画する。大抵華扇により計画段階で中止させられる。
信仰の獲得と金銭の獲得は同義なのか。信仰を獲得すれば参拝客が増え儲けられる。お金があれば神社も大きく出来る。切っても切れない関係といえばそうだ。
博麗神社の経済状況は原作STGでは地霊殿で軽く触れられた(火の車)が…
星蓮船でも欲に駆られて宝船と見た聖輦船を追ったし、今後の重要なテーマなのかも。
神霊廟では神霊は欲の具現だかなんだか言ってるし、そちらのほうでの解説にも期待。



最後に、幻想郷のエネルギー問題についても考察しよう。守矢神社組が主に行っている。
第一話では特に触れられず。
第二話では、早苗によると旧地獄を利用した核融合炉は八咫烏を利用せねばならずコストが掛かりすぎ不完全で行き詰まりが見えてきたので、パラジウム合金を用いた常温核融合の実験を行う。
第三話では特に無し。
第四話では河童ダム計画により水力発電が予定されていた。
第五話ではエネルギー問題関係は出なかった。

単行本にまだ収録されていない第六話では、霊夢と魔理沙が「山の連中」にライフラインを握られる事を嫌い、エネルギー問題の解決とかパワーバランスが崩れるとか言って雷獣発電を計画していた。
2話に一回はこの話題が出てくる。幻想郷にもエネルギー革命の兆しが!?
これも地霊殿以降の重要な問題。守矢神社は積極的に幻想郷の生活を改革する。今の所核融合炉による成果は温泉ぐらいしか出てないように見えるが、作った電力どうしてるんだろ。やっぱ使うしかないよねえ。守矢神社の描写最近見ないけど、やっぱ電化されてるのか?妖怪の山も…
幻想郷は変化するのか。それを描ききる事もまたこの作品のテーマだろう。文明開化は世界観を変化させる。パワーバランス云々も…





こうして読んでみると、茨歌仙は最近の作品の問題の総決算という印象も受ける。
旧地獄組の地上の妖怪たちとの関わり。神霊廟までつながる神と信仰と欲の関係。守矢神社組のエネルギー革命…
それらの解決としてこの作品があるのか、あるいはただ問題を提示するにとどまるか、…それは今後の展開しだいである。
これらの設定は二次創作にも大きな影響を与えそうだ。そこをどうコントロールするか、それが東方茨歌仙という作品の明暗を分けるといっても過言ではないかもしれない。
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テーマ:東方 - ジャンル:サブカル

  1. 2011/07/02(土) 20:47:09|
  2. 東方
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