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霧雨魔理沙は「魔法少女」か?

イザヨイネット 霧雨魔理沙
Wikipedia 魔法少女
ニコニコ大百科 魔法少女とは
はてなキーワード 魔法少女とは
ピクシブ百科事典 魔法少女


霧雨魔理沙は東方projectの副主人公であり、「普通の魔法使い」という二つ名を持つ。
実際、三角帽子を被っていたり箒を持ってたりといかにも古典的な魔女の様相である。

そして、少女である。
ということは所謂「魔法少女」なのだろうか?


まず魔法少女の定義に照らさなければなるまい。
Wikipediaによると、魔法少女の定義は

引用
最大公約数的な定義をすると、

少女(成人前の女性)であること。
超常現象を引き起こす能力を持っていること。
その能力、もしくは引き起こされた超常現象を、作品本編中において「魔法」と呼称していること。
以上三条件を満たす者を狭義の魔法少女という。

らしい。だが、結構但し書きが多い。

引用
なお、ここでいう少女とは容姿の上での年齢である。その魔法少女が人間以外の長命の種族である場合、
(中略)
また、ここでいう魔法は、神秘性(その世界観において、通常の理論・認識の外に存在する)や特権性(一般の人間には使えない)を有するものであり、非日常的で不思議な存在として描かれる。
(中略)
また、上記三条件のうち、三番目の条件を満たさなくても慣例的に魔法少女と呼ばれる者もいる。
(以下略)


ここで魔理沙が厳しいと思われるのは神秘性特権性云々の下りだ。
東方の舞台である幻想郷は割とハイファンタジーな空間で、その中での魔法は日常的で当たり前の存在だ。
そういう意味で魔理沙は魔法少女的ではない。

しかし、その点が重要なのだろうか。いったん保留して別の視点から考えてみよう。

ニコニコ大百科に魔法少女のテンプレートが幾つか列挙されている。それを引用してみる。

引用
普通の人間が暮らす現代社会とは別に、魔法が存在する世界がある
主人公が異世界からの訪問者であり、何らかの理由で人間として暮らすことになる(いわゆる上述の魔女っ娘)
主人公が普通の少女である場合、魔法のアイテムを与えられて魔法少女となる
主人公の魔法少女は短い呪文を唱えてシームレスに魔法を行使することが多い
自分以外に魔法の存在を知るもの、魔法を使うものが少ない
以上の事柄を含めて魔法少女であることを周囲に知られてはならないとされている

魔法少女は変身する(バンクシーンの誕生)
主人公は自分の力で夢をかなえるために魔法を捨てる

本来の自分と変身後の自分とのギャップに苦悩する
男性サブキャラクターとの恋が永続的に描かれる

魔法少女に仲間や異性の協力者が現れはじめる

魔法少女は現実、他者からのイメージに振り回される
魔法少女は“少女”であることを強制させられる

うむ。元々全て果たしている魔法少女も少ないが、それでも魔理沙は魔法少女と呼ぶには不利な要素が多い。
普通の人間が暮らす現代社会とは別に、魔法が存在する世界がある。まあそうだけど、魔法が存在する世界側のお話である。
主人公が普通の少女である場合、魔法のアイテムを与えられて魔法少女となる。かろうじてミニ八卦炉はあるが・・・
主人公の魔法少女は短い呪文を唱えてシームレスに魔法を行使することが多い
自分以外に魔法の存在を知るもの、魔法を使うものが少ない
以上の事柄を含めて魔法少女であることを周囲に知られてはならないとされている
魔法少女は変身する(バンクシーンの誕生)
主人公は自分の力で夢をかなえるために魔法を捨てる
本来の自分と変身後の自分とのギャップに苦悩する
男性サブキャラクターとの恋が永続的に描かれる
 ・・・この辺りにいたってはもはや真逆である。

どうにもこうにも魔理沙は「魔法少女」とはいいがたい。
魔法を使う少女ではあるものの、「魔法少女」として作られたテンプレートとはまったく別のところにある。


魔理沙は、正主人公である巫女の博麗霊夢と対になる魔女っ子=魔法少女として配置されている。
しかし、あまりに正統派、普通であるが故か、巷で見られるような魔法少女のそれと大きく異なる性質を示す事となった。
キャラクター類型として副主人公に配置されながらその実態は大きく異なる。霊夢魔理沙咲夜は巫女、魔法少女、メイドとわかりやすい類型に見える。
わかりやすすぎるからこそそれから逸れるという事か。神主は捻くれ者だから。
魔法少女はそれより前の世代の魔法少女を前提として描かれる場合が多いが・・・魔理沙はどうだろう。

これもまたメタ魔法少女、邪道魔法少女の一種と言い張れなくはないが、どうにもこうにも違う要素が多すぎる。魔法少女と違うものを分ける一線は何なのか。
ただハイファンタジーな世界観というだけならまだ魔法少女扱いされるキャラクターもいるのだが。


霧雨魔理沙は「魔法少女」ではない。




東方における他の魔法使いと比べて「普通」。
東方の世界観、魔法や妖怪が跳梁跋扈する幻想郷において「普通」。
特殊な進化を遂げた魔法少女というキャラクター類型に対して「普通」。

霧雨魔理沙の「普通の魔法使い」という二つ名には大きな意味があるらしい。
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テーマ:東方 - ジャンル:サブカル

  1. 2011/05/05(木) 22:09:56|
  2. 東方
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

字面だけ見れば魔法を使う少女はみんな魔法少女なんでしょうけど、今まで日本の漫画で積み重ねられた設定に照らし合わせると一概にそうとも言い切れないわけですね。
この定義ではアリスもパチュリーも白蓮も魔法少女ではないのでしょうね。東方世界は魔力と妖力の違いが曖昧で(ZUNも本質的には同じものとか言ってたような)、描写も少ないので魔法使いとその他の違いも分かりにくいですし。

ただ、原作txt内でフランドールが魔法少女と明言されているので、東方世界内に限った定義でなら、少女の見た目で魔法が使えれば人外だろうが魔法少女なのかもしれません。
  1. 2011/05/06(金) 01:05:02 |
  2. URL |
  3. #IaRAWSpA
  4. [ 編集 ]

Re: No title

> 字面だけ見れば魔法を使う少女はみんな魔法少女なんでしょうけど、今まで日本の漫画で積み重ねられた設定に照らし合わせると一概にそうとも言い切れないわけですね。
> この定義ではアリスもパチュリーも白蓮も魔法少女ではないのでしょうね。東方世界は魔力と妖力の違いが曖昧で(ZUNも本質的には同じものとか言ってたような)、描写も少ないので魔法使いとその他の違いも分かりにくいですし。
>
> ただ、原作txt内でフランドールが魔法少女と明言されているので、東方世界内に限った定義でなら、少女の見た目で魔法が使えれば人外だろうが魔法少女なのかもしれません。

確かにフランは吸血鬼にして魔法少女って、おまけ.txtに書いてますね。
イマイチどういう意図か汲み取れませんが、紅魔郷時点での神主の魔法少女のイメージがフランのそれと重なるのかもしれません。
確かにフランは少女らしい少女だし(495歳ですけど)、魔法や服装もド派手で見栄えが良く、魔法少女というイメージが生まれなくもないです。


まあ紅魔郷時点じゃ魔理沙の二つ名も奇妙な魔法使いだったりチルノが妖精と明言されてなかったりと色々設定が曖昧な所がありますが。
  1. 2011/05/06(金) 09:47:38 |
  2. URL |
  3. たていと1 #-
  4. [ 編集 ]

No title

実は魔理沙も魔法少女だとtxtに描かれてるんですよ、秋霜玉の。
  1. 2014/05/16(金) 13:59:20 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

Re: No title

> 実は魔理沙も魔法少女だとtxtに描かれてるんですよ、秋霜玉の。

イザヨイネットみたら確かに書いてありましたね。まあ広義では魔法少女といえるのやも?
旧作時代の魔理沙は魔法少女、という可能性もありますが。

紅魔郷での二つ名は奇妙な魔法使いでしたっけ。時がたつにつれて立場が明白になった、という考えも……
まあ西方ではゲスト出演なのでわかりやすくまとめた、という可能性が高そうですが。
  1. 2014/05/17(土) 01:17:41 |
  2. URL |
  3. たていと1 #-
  4. [ 編集 ]

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