ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

小説の「ガジェット」 軌道エレベーター、スペースファウンテン

特にエイプリルフール的企画は無い。結構自粛してるとこ多いらしいけど関係は無い。
今年のうるうるはACネタか・・・
結局東方神霊廟0時WEB配信はなかったけど、黄昏フロンティアの新作が。


ガジェット。小道具、装置、仕掛けという意味である。
ガジェット小説とは特定のガジェットに依存した形態の小説である。
古典で言えばH・G・ウェルズの「タイムマシン」は有名だろう。

ガジェット小説とまで言わなくとも、宇宙船や光線銃の類もスペースオペラの重要なガジェットだ。
ロボット物は今でもいくつもの作品が出る人気名ジャンルだし、人工生物は倫理感とかも合わせてそれだけで小説が書けるし、バイオハザードものならウイルスがガジェットになるのだろうか。
SFに限らず、ファンタジーでも賢者の石なり魔剣なり魔道書なりがガジェットになりうる。


ガジェットは小説の内容を決定する。小説の内容にあったガジェットが選択されるというべきか。
例えば、ライトセーバーはスターウォーズの主要ガジェットだが、こういう道具が幅を利かせる世界観といえば、宇宙時代劇、SF的チャンバラ映画のスターウォーズ的世界観に他ならない。
超科学の技術の結晶の近接武器という時点で活躍の場がかなり制限されるのだ。


軌道エレベーターという物の概念がある。
詳しい説明はWikipediaの記事でも見て欲しいが、ごくごく簡単に書くと、宇宙まで延びる巨大なエレベーターである。
静止軌道までケーブルを延ばして、地球の自転による遠心力が重力を上回るようにしたもので、これを利用する事でロケットより安全かつ低コスト(運用コスト)で宇宙に物資を送る事が出来る。

そのケーブルの素材が凄まじい引っ張り強度が必要なため、実現可能性を危ぶまれていたが、カーボンナノチューブ等の発見により実現の見通しが立ってきた。

軌道エレベーターはSFのガジェットであるだけでなく、未来の技術という枠内でもあるのだ。

つまり、現実に近いガジェット、小説に使うならその世界観は近未来まで現実に近づけられるのだ。

とはいえ、現実的であるがゆえに様々な制約も課せられる。
例えば、その構造上非常にテロに弱い、膨大な建築費用、必要性、需要等が上げられる。

まあテロ云々は強い政府が頑張ればなんとでもなりそうだが、小説ならそこをテーマにするのも面白そうではある。
問題は膨大な建築費と、それを捻出するための理由。つまり軌道エレベーターを何に使うかである。

現在現実の宇宙空間の非学問的利用は人工衛星の類に限定されている。イオンエンジン技術の発達による寿命の長期化も考えて、これはロケットで十分事足りる。まあ軌道エレベーターがあれば使うだろうが。

つまり、それ以上の宇宙の利用こそが軌道エレベーター建設の理由となるのだ。
それの対価が建造費、維持コストを上回ればいいのだ。

結構色々な事が考えられる。例えば、小惑星や隕石などから地球では稀な物質を採集してみたり、無重力空間を利用して様々な産業に応用してみたり(合金とか?)、あるいは殖民・移民など・・・
移民ならスペースコロニーの類も悪くないが、やはりテラフォーミングのほうが夢がある。そうすれば新たな重要供給も生まれる。
火星なら軌道エレベーター建設も低コストですむし、中々面白い。他の惑星や衛星も考慮に入る。

・・・と、軌道エレベーターという一つのガジェットがあるだけでこれほど舞台設定が構築される。
現実的であるがゆえに決める要素も多いのだ。


とはいえ、軌道エレベーターには難点も多いことは事実である。
まず、素材。カーボンナノチューブを静止軌道3万6000kmまで繋げるというのも難しく、そもそもそんな量を量産するのもブレイクスルーが必要だ。しかもそのカーボンナノチューブの質、格子欠陥とかで弱くなっていないという事も重要だし、デブリなり少々の事で壊れない強さも必要である。
そもそもそうやって先端を静止軌道まで持っていくのか(それとも静止軌道から降ろすのか)も難しい。
修理だってどうすればいいのか検討も付かない。
安全性だって議論の余地がある。

まあ、これらは解決の余地はあるものの厳しい問題だ。

というわけで、様々な代替案もある。
例えば、地上に設置しないタイプのスカイフック。テザー(紐)を利用して吊り上げたりするイメージだ。

オービタルリングは地球を一周するチューブに流体を流したもので、張力が発生し物をぶら下げられる。

そしてスペースファウンテンというものがある。
科学技術 Wiki スペースファウンテン

スペースファウンテン。宇宙噴水。地上と宇宙を往復する流体によって構築物を持ち上げる。噴水の上に物を乗せて持ち上げるのと同じ原理だ。
発想としては単純で、しかもプラネタリーロマンスな風味さえするが中々面白い。
常に稼動させていなければ構築物は落下してしまうが、流体が落下する時にエネルギーは回収できるし、軌道エレベーターのように赤道近くが最適という縛りも無い。
大きさ、高度も自由に決められる。単なる大型建築物(電波塔など)に応用する事も可能だ。

問題はどのように地上から噴水の上の構造物まで移動するか。軌道エレベーターでも摩擦などを利用して昇らねばならないなど一つの問題だったが。
やはり流体の流れを利用して昇る形か。難しそうだが不可能では無さそう。流体が何かというのも問題だろうが。


なにより、SFのガジェットとしても象徴的で良いと思う。
思えば海の大陸NOAの天空都市テラはスペースファウンテンだったのかなあ。無重力使ってたり少しファンタジーが過ぎるが、作品の雰囲気とマッチしている。
実際の噴水のように、流体に水を使うのはありだと思う。制御は難しいかもしれないが、単価が安いし(磁性流体とか高すぎ)、何より見栄えがいい。
水なら他にも利用方法あるし。

小説を書くならば、その小説に登場する小道具一つとっても深く考えねばならない。
SF作家は科学技術に対しての新しい情報を常に仕入れるべきだ。
そこから新しいアイデアが生まれる事もあろう。






海の大陸NOA×、3、4巻は電子書籍のみなのね・・・普通に紙媒体で出して欲しい所。電子書籍ってまだそんな広まってないでしょ・・・勘弁して欲しい。
あんまデジタルな物信用できないし。電子書籍は下手したらすぐデータ逝きそうで怖い。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2011/04/01(金) 02:48:34|
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