ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

作者というキャラクター、あるいは作品の二重の枠

世の中は新型コロナウイルスがどうとか100日ワニがどうとか東方酔蝶華の美宵ちゃんがヤバイとかどうとか任天堂がゲリラニンダイ戦法を使ってきたとかどうとか、様々な話題で賑わっているがそれらとはほぼほぼ関係の無い話を書いていく。

いやまあ、100日で死ぬワニの炎上騒ぎから派生して思い浮かんだテーマなんだけどね。創作論の一種として。
ワニ自体は下手なことしたなあって感想ぐらいしかない。いや掘り下げれば炎上の複層的な構造とか話せるけどもう旬を過ぎた話題だろう。


で、まあいいや。ワニは作品としてはともかく商品とする際に失敗した、という具合な訳だが、創作の内側外側(作品と商品)という問題から作者と作品の関係に視点が移った。

まあ、実際にDr.スランプなんかに作者である鳥山明が登場したりするネタなんかも多いが、基本的に創作作品自体、それそのもの本体に作者自体の何かは関係がない。
作者がフェミニストだろうがそれが作った創作作品が女性の権利を主張するものとは限らない。
作者が殺人狂だろうが作品自体の価値が損なわれることは無い。
作者がAIだったとしても作品の面白さには変わりはない。
作者がいなくても知らなくても創作作品は成立し得る。

しかし商品としてはどうだろうか?それを買う人の心理としては?
作者がフェミニストならば読者はその作品にその思想を見出そうとする。
作者が殺人狂ならば、悪人の手に印税を落としたくないという人もいるだろうし、その心理を知りたいという物好きもいるだろう。
作者がAIならば、同じことを描いていたとしても心理描写についてケチがつくだろうし、AIの技術的進歩を知りたいという好奇心が商品的価値を上げるかもしれない。
そういう意味では作者は商品としての創作に関わりを持つ。

どういう経緯で書かれた小説・漫画・アニメ・ゲーム……なのか、どういう人間が作っているのか。この作品は作者にとってどういうものなのか。そういう情報ばかり消費者は気にする。あるいは作品の内容よりもとっかかりとしては大きいのかもしれない。
で、あるからして、創作において作者というキャラクターを演出する、あるいは作品自体を含むメタ作品、物語を用意する、語るということも作品を商品として売っていく、少なくとも消費者層を増やすためには重要なことなのかもしれない。


これを意識的・無意識的問わずやっている創作者は案外いる。
極めて意識的かつ計算してやっていると思われるのはニンジャスレイヤーの執筆陣だろうか。外国人風のペンネームだけでなくそのキャラまで詳細に作り上げ、ツイッターでの運営アナウンスの類からしてその作品が醸し出す狂気を反映したものとなっている。これにより作品内外通じてニンジャスレイヤーという作品・商品は胡乱な雰囲気を醸し出し、独自のファン層を獲得するに至った。

作者のキャラクター化でいうと東方projectの神主ことZUNさんも意識的なキャラ造りをしている。
インタビューなどでよく写真をみると独特の帽子に眼鏡、そしてビールジョッキという姿が写っている。少なくとも帽子は意識してキャラ付けしているといつかのインタビューで話していた。
SNSの類や作品テーマ的にも炎上するそれを避け曖昧で奇妙な言及を残す。作品と共に作品外にも不可思議さをもっていっているというか、そういう物語性も感じられる。

上でDr.スランプでの作者鳥山明登場の例もあげたが、そういう作者登場演出も読者の作者感を規定させる一つの手ではある。
事実、鳥山明先生はギャグ漫画的な明るく温厚なイメージがついている。

それほど強いキャラ付けでないにしろ、強い編集部のある連載誌ならば作者がSNSで炎上しないようにする指導ぐらいしているだろう。変に政治ネタやら差別ネタやらで炎上しても商品としていいことがない。連載雑誌ならば雑誌自体が迷惑を被る。炎上マーケティングという手法も無くはないが大きな企業がやる事ではない。
逆にテコンダー朴の作者なんかはほぼほぼ作中同様のやべーネタをツイッターでも繰り返して作品の世界を現実に投影している。まあスプラトゥーンとかゲームやってたりもするが。

意識しないしろこういうキャラクター付けというのは強い。太宰治なんかもその狂騒の人生があって興味を持ち買う人も少なくないが太宰が演出していたとも思えん。いやどうなんかね?



ともかく、作品自体をイイものにしようという努力も重要だが、それを世に出したいのならば創作者も含めた作品外部まで含めた演出・物語も必要だということ。
それが全て揃って商品となる、訳だがまあ一人の創作者が全てできるか、というと難しいか?だからこそそこはプロに頼るべきなのか?いうて漫画雑誌の編集とかみても十二分な仕事が出来てるかは謎があるが。

なんにせよ、ツイッターで政治とか燃えやすいネタを延々と書き連ねることは創作業にとってあまりいいことではないという結論である。
いやまあ作品自体がそういう作品なら逆にアリかもしれんが……
声優が今やアイドルであるように、作者は今やキャラクターなのだ。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2020/03/27(金) 00:59:40|
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