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Wikipedia探訪「氷河時代」大陸の配置についてなど

氷河時代 - Wikipedia

西暦2019年の今現在は氷河時代であり氷河期ではない。
何を意味の分からんことを言っているのだ、と思うかもしれないがこれは言葉の問題である。

氷河時代、とは地球において両極に広大な氷床が存在する時代を意味する。
南極大陸は氷に覆われた大陸だし、北は北極にはでかい氷が浮いてるわけだしグリーンランドはほとんどが氷床に覆われている。高山は氷河に覆われているしなるほど氷河時代なのだ。
逆に言うと氷河時代でない温室時代は両極に氷床、というほどの氷は無かったという認識でいいようだ。
例えば恐竜たちが繁栄していた中生代、三畳紀・ジュラ紀・白亜紀は温室時代であり非常に温暖な気候であった訳だ。

で、氷河期というのは氷河時代の中でも特に寒冷な時期を指す。はっきり言って氷河期と氷河時代でややっこしいことこの上ないので専門用語で氷期という。この記事でもこれ以降氷期と書く。
ちなみに2019年の今現在は氷河時代の中では温暖な時期である間氷期ということになる。
前回の氷期、つまり最終氷期は約11万年前に始まり約1万5千年前に終わりを迎えたという。この辺りは人類史にも深く関わってくる。
ここ最近(80万年前ぐらいまで)ではだいたい10万年周期で氷期と間氷期を繰り返している。
それ以前は4万1000年周期であったらしい。その辺のメカニズムは未だ以て謎めいているが、地球の公転軌道の離心率の変化、自転軸の傾きの変化、自転軸の歳差運動の変化による日射量の変化が主な原因らしい。この辺りをミランコビッチ・サイクルとかいうらしい。


なんとなく今我々が生きている時代が地球の普通だと思ってしまいがちだが、地球のタイムスケールを見ていくと実は氷河時代の方が希少であることがわかる。
氷河時代は地球の歴史上六回存在している。
もっとも古いボンゴラ氷河時代が29億年前から27億8000万年前まで、
シアノバクテリアが産まれ酸素を作りまくったせいで起きたヒューロニアン氷河時代が24億5000年前から21億年前まで、
最も厳しかったクライオジェニアン氷河時代が7億2000万年前から6億3500万年前でこれが終わったのちカンブリア大爆発が起きた、
古生代・オルドビス紀からシルル紀にかけてアンデス=サハラ氷河時代4億5000万年前から4億2000万年前。三葉虫やらが大手を振って歩いていた時代、地上に植物がやっと生え始めた時代、昆虫が産まれた時代。そんな感じである。
古生代・石炭紀とペルム紀、3億6000万年前から2億6000万年前。シダ植物が繁栄し両生類や爬虫類が繁栄し始めた時代。
そして新生代は始新世中期、4900万年前ぐらいから新生代氷河時代は始まって今に至る。
うむ。氷河時代の方が少ないことがよくわかる。いやいうて1億年とか数千万年とか長いけどね……


氷河時代といっても氷期と間氷期があるように時々によって状況は全然違う。
氷河時代が極まるとスノーボールアース、全球凍結、大陸は全て厚い氷床で覆われ海もまたぶ厚く海氷で覆われる事態に陥ってしまう羽目になる。
こうなると結構厄介で、氷は白く、太陽光の反射率が高い。それゆえ熱も反射し喪われやすくなる。つまり全球凍結してしまうとより寒くなりやすくなる。
こうなるとどうしようもないように思えるが、海が凍り付いているため温室効果ガスを吸収することが出来なくなる。火山の噴火により二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが溜まりに溜まると各地の氷床が溶けスノーボールアースは解消される。
大体数億年から数千万年ほどかかるが、生命は熱水噴出孔やホットスポット周辺でどうにか息を繋いでいたようだ。
スノーボールアースは都合3回ほど起きたらしい。


地球温暖化の話でも言われることだが、地球が温かくなれば氷床が溶けて海が増え、島が沈んだりする。温室時代の大陸は今よりもちょっと小さい。
逆に言えば厳しい氷期ならば陸地も増えるという事である。
最終氷期に人類がユーラシア大陸からアメリカ大陸に移住したのは船で渡ったのでもなんでもなくベーリング海峡がベーリング地峡だったからである。ちなみに当時は結構北のわりに北極までの海路が無くなっているため温暖な環太平洋海流がベーリング地峡を温めているため比較的過ごしやすかったとか。
他にも東南アジアの南にスンダランドという結構広い陸地があったり、日本列島が大陸と地続きだったり、そもそもアフリカ大陸からユーラシア大陸に人類が渡った場所も当時非常に狭かった紅海のバブ・エル・マンデブ海峡を渡ったのではないかとも言われてる。普通にエジプトから回ったのかもしれんが。


で、やっと本題、というか本題にしたいと思ってたところ。
氷河時代というのは何故起きるのか?
これは様々な要因が複合的に関わり合っているらしい。

例えば大気組成の変化。わかりやすく言えば温室効果ガスのことである。
人類が化石燃料を燃やしまくれば二酸化炭素が出まくって気温が上がる。森林が増えれば二酸化炭素が固定されまくって気温が下がる。

上の方で書いた地球軌道の変化、ミランコビッチ・サイクルも関わる。太陽自体の光量の変化なども研究されているようだ。

やや回りくどいところでは地磁気の変化というのもある。

引用
地磁気が弱まることにより、それまではローレンツ力によって弾かれていた宇宙線の大気圏内への入射量が増え、粒子の飛跡が電離して、それを核として大気圏内の過冷却水蒸気が凝結して雲の形成が増加し、加速度的に寒冷化すると考えられる[82][83]。

風が吹けば桶屋が儲かるという訳ではないが。

もっとわかりやすいところでは火山の作用がある。巨大な火山噴火は二酸化炭素とメタンを急増させるし、吹き出す火山灰が日射を遮り寒冷化を引き起こしたりもする。

他にも高山、現在ならばヒマラヤ山脈が降水量を増大させ二酸化炭素を洗い流し温室効果を抑えているという説もある。


だが、一番興味深いところでいうと大陸の配置というのがある。
まあ要は海流の流れの問題ではあるのだが、赤道から両極へ流れる暖かい海流が阻害される位置に陸地があると、両極が冷えて氷床が形成される。スノーボールアースの項でも書いたように氷床は白く反射率が高いためにより地球が冷える正のフィードバック、悪循環が開始する。
現在で言うと北極はユーラシア大陸と北アメリカ大陸に半場塞がれて暖かい海流が入りにくい状況で、南極は南極大陸があるために海流なんぞ入ってこない。
クライオジェニアン氷河時代には赤道をほとんど覆うロディニア超大陸が海水の流れの邪魔をしたとも言われる。

何が興味深いか?いやまあ単純に面白い事実であるが、世界地図に一つの意味が付加されたところに意義を感じる。
そう、例えば創作作品の世界設定を作る際に世界地図、大陸を描く際の指標となりうるんじゃないかというところである。
子供の頃RPGツクールでゲームを作っていた際、ワールドマップをどうしようかという問題があった。
プレートテクトニクスにしろ、どのような具合に大陸が構成されているのが自然でありうるのか。そういう問題だ。
まあランダムに描いてもいいんだが、どうしてもリアルにしたい。しかしリアルである大陸配置とはどういうものなのか。それがさっぱりわからない。
海岸線や列島、海流による浸食での海岸線の形とか考えるも結局答えは出ない。さりとて現実の大陸配置の真似なんてしたくはなかった。

しかし、こういう理屈があると、なるほど氷河のある氷河時代の間氷期ならば極には大陸があるか、陸地で囲むか、赤道からの海流を阻止する大陸配置であればいいわけだ。
そういえば銃・病原菌・鉄で書かれてた文明が発達する大陸の条件は東西に長いことが条件だったな。それも盛り込もうか。
最終氷期時の後退した海岸線も考えれば家畜や動物、人類の移動も考えられる。

そんな風に設定を作っていける。そういう訳だ。
まあ、はっきりいってそういう風に作る必要はないのだが、そういう学術的リアリティを背骨にすると創作もグッと味が出てくるものだ。全てを論理づける必要は全くないが、どこか論理づければそこから世界は広がっていく。

まあこんなもの雑学でしかないが、知識というのはどこでどのように役に立つかはわからない。雑学の塊が教養ともなり、大きなことを成す支えともなろう。
それ故に、一生は勉強である。




まあこんな知識あったからって他人の創作作品の世界地図をあげつらうことはしないようにね。
そういえば時雨沢先生のジャガイモ大陸シリーズ、大陸一個しかないけど大丈夫なのかな?クッソ熱くならない?極地の氷はあるようだけど。根本的に寒いのかな?じゃあ大陸が極地にある時はすぐスノーボールになるのかな…… 地球の8倍だかの大きさの月があるような惑星だし大気組成とかそもそもの前提がわからんわいという話。
昔、TRPGの割とハードSF的な惑星の設定で、ほとんど海の惑星だからハリケーンがヤバいことになってるとかいうのがあったな。ああいうのは興味深い。
まあ、科学的見地も創作にどう生かすかという話。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2019/10/10(木) 01:08:23|
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