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Wikipedia探訪「B-2 (航空機)」

B-2 (航空機) - Wikipedia

航空機にも色々ある。様々な用途に様々な名機や佳作機、迷機、駄作、失敗作……
多くの国が多くの機体を作って来た。
その中でもアメリカのB-2航空機、愛称で言うとスピリットは最も特殊で最も特別で最も特筆に値する航空機の一つだと言えるだろう。

B-2はステルス戦略爆撃機という奴である。
レーダーに映りにくく、痕跡を残さない。設計思想としては敵の目から隠れつつ敵国の重要拠点に核爆弾をぶち込むという使い方が想定されていた。
ステルス性を高めるために様々な工夫がなされている。レーダー波を熱に変換する塗料、レーダー波を吸収する構造、レーダー波を特定の方向に反射する構造、そしてレーダー反射断面積を低減するために全翼機構造を採用している。

全翼機、尾翼が無く全体が一個の翼となっている特異な構造。
B-2は現在唯一実用的に採用された全翼機となっている。現在も現役。

他にも排気の温度を下げるために様々なことをしてたり、飛行機雲を作らないために特殊な化合物を排気ガスに混ぜていたりと色々とやることが凝っている。
電子妨害システムなんかも積んでいる。
ちなみに基本的に黒色なので目視=可視光観測でも夜空に溶け込む。亜音速巡航なので言うほど音もしない。
まあ超音速巡航自体過去の遺物という意見もあるが。逃げる時だけ超音速にするというステルス機の計画もあるらしい。

パッと見最強じゃんという感じもあるが、この機体は製造国であるアメリカで21機作られてそれで終わっている。
何か問題でもあるのかというと、単純にバカ高い。コストが高すぎる。
運用コストも含めれば同重量の金と同価値といわれる。先進技術の塊であり、その滑らかな表面を維持するために砥ぎ続けなければならない。7年に一度コーティングし直さなければならない。
一機2000億のコストはなるほどアメリカにしか払えないか?もっとも機密の塊であるから他の国にやることはありえないのだが。
イージス艦のあたご級護衛艦が1453億円と比較するとそのコストがよくわかるか。

冷戦が終わり核戦争の危機も遠くなった今では金食い虫の象徴としてやり玉にあげられることも多いが、この機体ほどロマンに満ち溢れたものも少なくあるまい。

この機体を開発したノースロップ・グラマン社の前身、ノースロップ社の元社長ジャック・ノースロップの夢は実用的な全翼機の開発であった。
開発の失敗により失意のうちに航空機業界を離れ、不動産投資に失敗し、パーキンソン病に侵され車いす生活を余儀なくされた。
余命いくばくもない1980年、ノースロップ・グラマン社に招かれたジャック・ノースロップがプレゼントされたのは最重要軍事機密であったB-2の完成記念模型であった。
ジャック・ノースロップは「Now I know why God has kept me alive for 25 years(今こそ、神が私に25年の余生を与えたもうた理由が分かった)」と震える手で紙に書いて(会話ももはやままならない状態であった)涙を流した、という。

なんかできすぎた話で疑ってしまうが、なるほどスピリット、精神・魂と名付けられる象徴的な機体にふさわしい象徴的な逸話である。

戦略核攻撃により世界を破壊する爆撃機であるB-2。しかし、その存在の極限さは美しいという言葉で表す他ない。
なるほどゲームや映画でもよく出てくる訳だ。アメリカの切り札という象徴。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2019/06/21(金) 01:55:23|
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