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世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく⑥アフリカ、インディアン、アステカ、マヤ、インカ

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世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく①エジプト、ギリシャ、ローマ、ミトラス教、ウガリット
世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく②メソポタミア、ヒッタイト、ヒンドゥー教、仏教
世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく③ゾロアスター教、アルメニア、聖書
世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく④道教、朝鮮、日本、ポリネシア、アボリジニー
世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく⑤ケルト、北欧、スラヴ、バルト、フィンランド
世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく⑥アフリカ、インディアン、アステカ、マヤ、インカ
世界中の神話(パンテオン)の最高神など書いていく⑦総括


はい第六回。別にあぶれものを集めたという訳では無いが厄介な神話ばかり揃っている。

実際、神話研究の歴史(言葉として微妙にややこしい)としては浅く、まだわかってないことが多いものも多い。
よくよく考えると、人類伝播から考えてもアメリカ大陸の神話は実際に新しいものがある。それゆえの構造というものもあるのでそこも見ていきたい。

第六回はアフリカの神話、アメリカ・インディアン(ネイティブアメリカン)の神話、アステカ神話、マヤ神話、インカ神話についてである。
ではスタート。


アフリカ(エジプト以外)

人類誕生の地アフリカに存在する神話。少し大雑把すぎる分け方だが。サハラ以南のアフリカの神話というと比較神話学でいうところのゴンドワナ神話・出アフリカ神話・あるいはパン・ガイア神話で、一般的なローラシア神話と比べると創造神話が無かったり色々ナンセンスだったりまた違うんだよな。

今のガーナとコートジボワールあたりのアカン人の宗教ではニャメ、あるいはオニャンコポンとか日本語にするとどうなんだという名前の神が創造神にして天空神、全知全能の神である。別に普通に多神教だけどね。

ケニアのカンバ族では祖先信仰で主神としてヌガイを祀る。
同じくケニアのキクユ族はケニア山の頂上に坐する唯一神ンガイを祀る一神教。まあ微妙な言葉の差異はあるが同一神だろう。
一応全能神らしい。

カンバ族では天空神にして創造神アサなんかも。
南部・中部・東部アフリカでムルング、アンマとか呼ばれて広く信仰されていたとか。
マリのドゴン族の創造神はアンマである。

ナイジェリアのイボ族の神話では地母神Alaが一番重要な神だが天空神Amadiohaが創造神だったりして意味合い的には最高神?英語史料しかねえ。

というかアフリカ、天空神かつ創造神が最高神というパターン多いなあ。ズールー族のウンクルンクルとか。ウンクルンクルは雷おとしたり人間が死ぬ理由を作るとか、色々やってる。

南アフリカのコイコイ人、俗に言うホッテントットだとウティホがそのタイプ。天候神的要素も強く降雨はウティホの慈悲の顕れらしい。

南アフリカのサン族、ブッシュマンではカアングが神々の頂点の天空神。
いや慈悲の神クーが最高神という話もあるけどキリスト教由来という話もある。

マラウイ北部、ザンビア東部、タンザニア南部のトゥンブカ族の最高神はチウタ。空の虹に象徴される。

南スーダンのディンカ族の主神はアブクだが、その母親のディンカは雨の女神として有名。

コンゴのあの有名なピグミー族、低身長の民族の最高神・創造神はKhonvoum。猟師の神であり弓づくりの神。

ナイジェリアのヨルバ族の最高神はオロルン。全能の創造神である。
ヨルバ族は奴隷貿易で散々ラテンアメリカに連れて行かれたのでそこでも信仰されてたり。西アフリカ最大の民族集団だもんね。これがハイチなんかでキリスト教やドルイド教の影響を受けブードゥー教が産まれる。
一番人気の神は火、鉄、政治、戦争の神格オグンか。結構いろいろ膨れ上がって、鍛冶職人の守護神であり、オートバイやら鉄道やらトラックやら物流やらの守護者なんかも。開拓者の神なんて性格も。

他にも山ほどある。まあ全部挙げてもキリが無いのでこの辺で。


インディアン(ネイティブ・アメリカン)の神話

まあアメリカのインディアンもそれぞれの部族で神話が違う訳だが、大いなる神秘という概念を共有している。
インディアンの創造主であり宇宙の真理、根本原理だという。インディアン達はこれを神とは見做していなかったりするが、まあ人格神でないだけで普通に一種の最高神だといえよう。アメリカ北部中西部のスー族の言葉ではワカン・タンカという。そのまま大いなる神秘という意味。あまりこだわりの無いアメリカ人はグレート・スピリッツとか言ってしまう。
ワカン・タンカに捧げる儀式として夏至に行われるサンダンスの儀式は有名か。
ワカン・タンカは雷神的な性格もある。

北米極北地域に住むエスキモー系先住民族(イヌイットなど)の最高神は月の神イガルク。グリーンランドではアニンガンと呼ばれる。全ての自然と物質の支配。
妹の太陽神マリナを3日連続で夜這いして近親相姦レイプした挙句バレたクソ野郎ということで有名。月の神が最高神というのも珍しいな。
エスキモーはネイティブアメリカンではあっても所謂インディアンでは無いということでいいのかな。ハワイ人もネイティブアメリカン。

他にも色々いるけどキリが無いので。


アステカ神話

北米はメキシコ中央部で栄えたアステカ王国の神話。
人身御供の儀式と暦法の複雑さが有名だろうか。
様々な民族の神話を取り入れた結果、5つの創世神話が組み込まれ5つの時代となり、計4回ほど世界が滅亡する。

それぞれの時代に創造神がいる。いやまあそれらの親の原初神、老いた創造神のトナカテクトリとトナカシワトルがいるんだが。誕生・創造・火・トウモロコシと関係する。いきなりトウモロコシ???とか思うだろうがまあアメリカ大陸の穀物というとトウモロコシなので食物神の性格を示す。

神々の中で最も強い力を持つとされるのがテスカトリポカ。黒いテスカトリポカとも呼ばれる。ナワトル語で「煙を吐く鏡」、この場合の鏡とは儀式に使われた黒曜石の鏡を指す。割と全能神染みているが、夜空、大地、魔術、支配、戦争、美など様々な性格を持つ。最初の時代を支配した太陽神でもある。変身するとジャガーになる。しばしば右足が黒曜石の鏡や蛇に置き換わっているが創造神話の一つでワニの女神シパクトリに囮として足を食わせたことから。
テスココの守護神でもある。

で、先述したように時代が移り変わっていくわけで、その時代ごとに支配する太陽神は変わる訳だが、それらの神々もテスカトリポカの名前を持つ。2つ目の時代の太陽神はケツァルコアトル。白のテスカトリポカである。ナワトル語で羽毛ある蛇とかいう意味になる。文化神であり農耕神、蛇神であることから水神、人類に火をもたらした神、風神でもあったとか。トルテカ族の祖神でもある。人身御供を止めさせようとした平和の神(この部分はヨーロッパ人の侵略後に描かれた説も)でもあり、金星の神でもある。

で、3番目の世界の太陽神は雨と雷の神トラロック、4番目の世界は水の女神チャルチウィトリクエが太陽神として支配した、で、5番目の世界の今が最も小さい神ナナワトズィンが太陽となっている、みたいな話だが、異説も多い。

テスカトリポカ、ケツァルコアトル、太陽神・軍神・狩猟神ウィツィロポチトリ、穀物神シペ・トテックがそれぞれ黒・白・青・赤のテスカトリポカとして世界を創生した、という神話もある。ウィツィロポチトリはアステカの部族神であり最も篤く信仰されたという。

テスカトリポカらを創造したのが二面性の神、二面性を備えた完全なる神オメテオトルとし、神の中の神「万物の主」とする場合も。まあ暇な神の部類なんだが。


マヤ神話

マヤ神話はユカタン半島などのマヤ地域、メキシコの南東あたりから中央アメリカの中部ぐらいで伝承された神話。
マヤ文字のある文章は大体スペイン人にボロクソにされたので結構断片的にしか残ってない。
汎神論的世界観がある。

割かしアステカ神話と互換性があり、テペウとクグマッツ(ククルカン)がテスカトリポカとケツァルコアトルに相当する。
どちらかというとククルカンが上?

あとまあ、老人と老女の神イシュムカネーとイシュピヤコック、風、嵐、火などを司る神フラカンなんかも創造神扱い。
フラカンはハリケーンの語源である。

とはいえそれらを超える至高の創造神もいる。フナブ・クーである。「唯一なる神」という意味で自然の力、運命や偶然を表し無形である。図像で表されるときは猟師として描かれたり。一応マヤの最高神を厳密に言うとフナブ・クーか?信仰の量でいうとわからんが。

マヤ神話で有名なのは自殺を司る女神イシュタムか。死者を楽園に導く神な訳だが首つり自殺が名誉な死に方ということになっている。後はお産で死んだ女性とか生贄とか戦死者とかあと聖職者。


インカ神話

南アメリカはペルーのインカ帝国、及びアンデス山脈の諸民族の神話の総称といったところか。
人類伝播順でいえば最後発?ポリネシアやオーストラリアも同じぐらいか?

とりあえず、インカ帝国以前のペルーの創造神はパチャカマック。まあ一種の主神であろう。太陽神であったり天の神だったり。
妻は大地母神的なパチャママ。今現在インカの神で信仰が強いのはパチャママだろう。キリスト教流入以後も聖母マリアと重ね合わせて信仰された。

インカ帝国を興したケチュア族は太陽神インティを天の序列の1位に置き、ビラコチャ、正式名称アプ・コン・ティキ・ウイラ・コチャ神とし、世界創造の基礎となる三要素、氷・土・水を統べる絶対権力とした。妻は月神ママ・キジャ。
インティはビラコチャの息子だとする場合もある。で、そのインティの息子が、クスコ王国の初代国王マンコ・カパック。いつ見てもひでー名前である。日本語との相性が致命的に悪い。話はおかしくなるがマンコ・カパックはパチャカマックの兄弟だとも。
インティは図像としては濃い顔をもった太陽円盤で表される。
今でもインカ帝国の首都であったクスコで冬至祭=新年祭であるインティ・ライミが行われる。

ワロチリ地方の伝承では4つの時代式の伝承があり、最初の創造神はヤナムカ・トゥタニャムカ、次の創造神が火や火山の神ワリャリョ・カルウィンチョ、その次の創造神が水の神パリアカカ、最後がトリックスターであるコニラヤとなる。コニラヤがビラコチャ、ということになるとかならないとか。



第六回終了。第七回は総括に入るのでとりあえず紹介する神話は終わった。
アステカは十分メジャーだと思うが全体的にマイナー?

アボリジニーの神話もそうだが。アフリカやインディアンも諸部族で神話が違うので死ぬほど大変だ。言うまでも無く伝統的な神話テキストの類なんてないしな。西欧人の入植時に作られたそれがあるぐらいだ。民俗学者は大変である。

アステカやマヤ、インカには文字があった。しかしエジプトのヒエログリフにも言えることだが発見当時全く読めなかった、だけではなく文字かどうかすら危ぶまれていた。
言語学者も大変だよなあ。中国の甲骨文字は今の漢字と一対一対応してるようなもんだからまだマシだよな。古拙文字の類の研究者は知らんが。

4つの時代とか5つの時代。これらはそれぞれの文明が諸部族を併合して神話を一つにまとめたところから来ていると推察される。
日本神話もそういうところあるよね。幾つもの神話が層状に折り重なっている。まあギリシャなんかでも見られる構造ではあるか。

⑦総括に続く。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2019/05/03(金) 06:00:00|
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