ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「ムーンライター」Switch版クリアしたので感想

ムーンライター 店主と勇者の冒険 レビュー IGNJapan


ネタバレ注意。




ムーンライター。店主がダンジョンに挑むローグライクゲーム、と書くとトルネコみたいだが。まあトルネコはほぼ潜ってるだけだが、こちらでは店舗経営フェーズもしっかり描いている。そしていうほどローグライクでもない、が、ある一点においては非常に「ローグ」ライクでもある。

ムーンライターとは二重労働者、昼働いて夜余った時間に副業をする人のことを言う。
ダンジョンの町リノカで老舗の商品店「ムーンライター」の店主である主人公のウィルは、昼はアイテムを売りさばき夜はダンジョンに潜りアイテムを収集するという生活を送る。まあ昼にダンジョンに潜ってもいいんだが。結構きつそうな生活だよな。主人公が白髪なのはその表れか。

ダンジョンフェーズはファミコン時代のゼルダの伝説のような長方形の部屋を巡っていくタイプ。ローグライクだからと言ってターン制ではない。感覚としては、ややマイナーかもしれないが同じインディーゲームであるThe Binding of Isaacを強く想起させる。
様々な行動パターン、攻撃手段のモンスターを、様々な配置の障害物や落とし穴を避けつつ倒し、そのドロップや宝箱からアイテムを収集する。持てるだけ持って魔法のペンダントで撤退する。

そして持って帰ったアイテムを値付けして売りさばく。適正価格を客の反応から見定め、万引きから商品を奪い返す。
そうして得られたお金と集めたアイテムを素材として強力な装備を作ってもらう。

そうして装備を整え、ポーションも完備し、ダンジョンの守護神を撃破していく。こういうサイクルのゲームプレイとなっていく。
ダンジョンは三階層で固定されており、店舗経営フェーズもサクサク終わり、テンポよくプレイを楽しめる。


私は推奨難易度と提示されるハードモードでプレイしていたが、初期装備では中々クリアするのが難しいダンジョンも金に物を言わせて強力な装備に更新するとすんなりクリアできていく辺りが爽快であった。
これはシレンのような素潜りが基本とされるローグライクよりもむしろ旧来的なJRPGの感覚に近いか。主人公が強くなっていくことが快感なのだ。金銭面、ステータス面双方のインフレ具合もそれに拍車をかける。
ゲームの制作方針としてそういった感覚的なところを重視しているようにも感じる。第一階層ボス部屋の中ボスはパターンさえ見切ればそんなに難しくなく、第二階層の強化中ボスはかなりエグい強さを誇る。そして第三階層の奥にいる大ボスは巨大で様々な攻撃パターンを持つが、はっきり言って第二階層の強化中ボスよりも弱い。あそこまで来て負けかよ!という悔しさを感じさせない配慮か。その分達成感に欠けるのではという指摘もあろうがボスを倒すと豪勢なアイテムを大量にゲットできるのでそっちで嬉しいので問題はない。

問題点があるとすればバグが頻発する点だろう。移動がブレて行動不可能な壁の中に封印される・ロードが永遠に終わらない、これが二大バグだろうか。クリアするまでにバグに遭遇しないという事はないだろう。結構不安定なゲームでありそこで評価を下げているところはある。しかしまあ短いスパンのゲームプレイの繰り返しなのでリセットを余儀なくされても大きな戻しが無いのは救いというか不幸中の幸いか。
アイテムの呪い枠が消えないバグなんかも。

ダンジョンは石を基調としたカルカッタ、森を基調としたゲンムンド、砂漠を基調としたサハイヤ、電気文明を基調としたセントロン、それとラスボスがいる未知のダンジョンがある。それぞれで全く異なった様相を見せ、出土するアイテムやモンスターも全然違っている。
それが美しいドット絵で表現されており、BGMも階層ごとに変わっていく凝ったものでゲームプレイを楽しませる。

そういった外殻部分でいうならば、IGNJapanの記事では不評だったが私はストーリーもかなり好きだ。
一介の店主が危険なダンジョンに挑み、ダンジョンの謎を解き明かしていき、守護神を倒してダンジョンを開放していく。そうしてリノカは再発展していき住民も増え、主人公の名声もどんどん上がっていき英雄扱いされていく。

そして最後の5つ目の扉の奥で明かされる真実。
この記事はネタバレ記事なので書いてしまうが、ダンジョンは次元盗賊の作る次元断層であり、それを利用して盗賊行為を行うためのものだった。次元警察から所在を隠すため次元をシャットダウンし各次元の守護神に鍵を預けていて主人公がそれを集め解放してしまった。しかしなんやかんやで叩きのめして終わりという具合な訳だが、いきなりSFに跳ぶあたりも結構好みではある。
一番面白い所としては、次元盗賊の親玉に主人公が「お前も盗賊か?」と同類扱いされるところ、及び次元警察にダンジョンに潜りアイテムを収集する行為は略奪だと言われる辺りだろう。

なるほどローグライクゲーム。ローグというゲームに似たゲームという意味の言葉だが、ローグとは盗賊という意味。ローグでは運命の洞窟からイェンダーの魔除けを含む財宝を持ち帰るというストーリーがある。やってることはまさに盗賊。まあ戦士ギルドの試練らしいが。
そういえば、J・R・R・トールキンがファンタジーの金字塔「指輪物語」を書く前に書いた、時系列的に指輪物語の前の話「ホビットの冒険」では主人公ビルボ・バギンスはドワーフ達のパーティにバーグラー、押し入り、忍びの者として雇われる。ドラゴン、スマウグのねぐらに忍び入るシーンはローグっぽくもある

ダンジョン探索とは結局盗賊行為ということで、ローグはなるほどあるべくしてある作品だったのかもしれない。


クリアするとニューゲーム+が遊べるが、金と装備が持ち越せるが金も装備もインフレして(金の方はそうでもないが)あんまり役に立たないので強くてニューゲームのチート的爽快感はあまりない。新たなアイテムも増えてはいるようだが。



総合すると、システムなども凝っているがそれは全てより原始的な、ダンジョン探索、盗賊的な収集行為の面白さ、楽しさを際立てるために存在しているように感じる。
言うほど考えてクリアしていくという面白さがあるゲームという感じではない。割と気軽に楽しめるというか。
もうちょっと武器の強化とかのバリエーションとかアイテムとかで膨らませそうなところもあったが、あえてやっていないのか。選択肢は多いようで最適解は多くないしごり押しも効く。システム的には大分違うのにJRPGの面白さに近い。
バグも含め粗も多く見受けられ洗練されたゲームという感は無いが、どうあれ最高に楽しめる作品であることには間違いない。楽しい時を過ごせた。






呪いパズルももうちょっと上手く組み込めば奥深そうではあるんだが、他の要素の妨げになるとして自重したんかね。
スポンサーサイト



テーマ:ゲーム - ジャンル:サブカル

  1. 2019/04/06(土) 16:16:47|
  2. ゲーム
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<アテン信仰とユダヤ教 | ホーム | ドリヤス工場「オモテナシ生徒会」感想など>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tateito1.blog48.fc2.com/tb.php/2783-328f10ef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)