ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

ムンクの「叫び」と創作論

叫び (エドヴァルド・ムンク) - Wikipedia

固いタイトルにしちゃったけどまあ思いつきだけなので。


エドヴァルド・ムンク。19世紀~20世紀にわたって活躍したノルウェーの国民的な画家である。
その代表作の「叫び」は恐らく世界の絵画の中でもトップテンに入るほど著名であろう。


叫び。まあみんな何かの媒体で目にしたことがあるだろうとは思う。
中央の人物が叫んでいるのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」というムンクの幻覚から来たそれに中央の人物が耳を塞いでいる、というのはもはやトレビアにも足りないか。

まあ幻覚・幻聴でも実際に叫んでいると思っていたのとしてもいい。
私が話題にしたいのは、この絵画が叫び、音をテーマにしているという事である。
絵画からは普通、音はしない。絵というのは視覚芸術であり直接的に聴覚に訴えかけることをしない。
しかしてこの「叫び」。タイトルと耳を塞ぐ中央の人物、捩れた背景からまさしく叫びの音を訴えかけている。
なるほど「叫び」が印象的なのはそこにあるのだと思う。

私が感ずるところでは、「叫び」は表現されえない音を表現しているからこそ、そこにどんな音が、叫びが、苦悶があるのかをより深く想像してしまうところに面白みがあり、感情に訴えかけるところなのだと思う。ムンクがどう考えていたかは別として。

制限された表現手法であるからこそ、その外の事象に鋭敏となり得る。
それは他の芸術作品にも当てはまるだろう。音楽作品から美しい情景を感じる、小説で描かれてない心情描写をこそ強く読者に響く、映画で描かれてない裏事情にこそ興味を抱く……
もう少し卑近な例でいうとグルメ漫画なんかは、もちろん漫画を読んでいても味がするわけもないのだがそこに描かれた種々様々な描写によりその食事に非常にリアリティのあるおいしさというものを感じる。


こういうやり口はありとあらゆる創作での裏技と言えるかもしれない。
少し高度な手法かも知れないが、あるいは創作者はこういった手練手管を意識しといた方が良いのやもしれない。
スポンサーサイト



テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2019/01/15(火) 03:08:03|
  2. 雑学
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<Wikipedia探訪「Variations of the ichthys symbol」 | ホーム | 「あそぶ!ゲーム展 STAGE.3 東方projectZUN氏インタビューのメモ」を読む>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tateito1.blog48.fc2.com/tb.php/2745-f653c181
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)