ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「金剛寺さんは面倒くさい」第一巻感想

金剛寺さんは面倒くさい ゲッサンWEB
とよ田みのる - Wikipedia


とよ田先生。「友達百人出来るかな」や「FLIP-FLAP」、「タケオちゃん物怪録」など、独特で暖かな作風がかなり好みの作家である。
未だ大ブレイクはしていないが、熱狂的なファンはネットの各所で散見される。

「金剛寺さんは面倒くさい」、デビュー作である「ラブロマ」以来の純粋なラブコメである。ラブロマと同様純愛ものということになる。完全にカップリングは決まっており、その過程を描く話である。

私は何となくラブロマは読んでないので詳しくは知らないが、それこそ純粋なラブコメであったようだ。
それから各作品を通して改めて書かれたラブコメである「金剛寺さん」、どういった作品か。

ラブコメである。しかしガジェットや世界観の外枠にSF、ファンタジー的なにおいがあり、周辺のキャラもアクが強い。
そして主人公の二人は特に妙味にあふれたキャラとなっている。


男主人公である樺山プリンは鬼である。種族としての鬼、地獄の鬼である。
基本的に現代日本の世界観でありながら何故か都内某所の大穴から地球の直径を超える深さから地獄と繋がってしまった。そういう世界である。が、作中でも何度も地の文がうるさく言っているように本編と余り関わりの無い物語である。
鬼でありながら捨て猫を放っておけず何匹でも拾ってきてしまうほどに優しい人柄。優しいが鬼なので本気を出すとめちゃくちゃ強い。

女主人公である金剛寺金剛は異常なまでの堅物である。学業優秀全国模試64位、柔道部IH個人2位の文武両道。いつも正論の積み重ねで人を論破し、論理のままに動く融通の利かなさが凄まじい。抑圧された感情が中に渦巻いている。
堅物なんだけど可愛いものが好きで、イチゴのケーキが好きで、樺山の存在が救いになってるところがあるよね。


こんな二人が出会い、なんやかんやで二人ともベタ惚れしてしまう訳だが、もう一つ語らねばならない要素がある。
地の文の圧倒的なうるささである。より正確には地の文も含めた劇的すぎる演出か。
デカい棘付きの吹き出しでやたら大袈裟な状況説明を繰り返す。上記の地獄の件もそうだし、何かの比喩とか言ってキューピットが二人に銃弾を撃ち込む様子を描いたり、金剛寺が朝食を作っていた時に鼻歌を歌いオムライスを作っていただけで異常事態だと言わんばかりに騒ぎ立てる。
ただ手をつなぐだけで周囲の他人も含めてみんな幸福になったり、告白(二回目)では周囲の人物が強盗を気づかれずに排除しだしたりする。
挙句の果てには読者にこっそりとこの物語がハッピーエンドで終わるとまで宣告してしまう。

ラブコメであるが、中々にやり過ぎ感が溢れていて見ごたえがある。
一巻通して非常に楽しく読めた。



刺激的な、だが安心できるラブコメが見たい。それならば「金剛寺さんは面倒くさい」をお勧めしたい。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2018/03/19(月) 00:05:14|
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