ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「ゴルフストーリー」死ぬほど面白かったので感想

ゴルフストーリー 翻訳元のフライハイワークスの公式。


ニンテンドーダイレクトで紹介されてて、なんだか惹かれて値段もまあまあだったので買ってやってみたが死ぬほど面白かった。
とりあえずクリアしたので感想を書く。

ゴルフゲーム。スポーツゲームは全般的にそうだがあまり興味のある方ではない。それなり真面目にやったのはファミコンのゴルフの何かと、64のマリオゴルフぐらいか。みんゴルかなんかもどっかで触った記憶も無くはないが。

ゴルフは誰でもわかるルールでシンプルでわかりやすい。要はなるべく少ない打数でカップにボールを入れるというゲームだ。
それ故あえてゲームにするならば、黎明期ならばともかくリアリティ以上の何かが求められるのではなかろうか。あまりリアルリアルしたゴルフというのも言うほど効かない。EA辺りが作ってたりするのだろうか?

そういう訳か、ゴルフストーリーはゴルフにRPG、限定していえば古典的なJRPG的な要素を組み込んでいる。疑似16bitドット絵風のグラフィック。
別にスライムと戦ったりではなく、スライムとゴルフ勝負をするわけではない(魔法使いと戦ったり、盗賊とゴルフ勝負したりはした)。
経験値でのレベルアップなんかもあるが、まあその辺が重要というほどでもない。クラブを装備品として扱い性能を変えるのは収集要素としても上手いが、私が最大限に強調したいのは一本道のストーリーがあるというところである。

JRPGの一本道のストーリーラインについては良く批判される。
それだったら小説なり漫画なりアニメなり映画なりでいいじゃんというところであるし、進む道を自分で全て決められるオープンワールドゲームの自由さを考えるとどうしてもこじんまりとしていて劣ったものに見える時もある。
とはいえ、主人公の成長物語をゲームとして実際に操作することで自分の事のように思える効果はやはり良いものであり、自由度を高めすぎると開発者が想定したストーリーラインなどすぐわやくちゃになる。ゼルダBotWで始まりの台地を抜けすぐにガノンをぶち殺しにいけるのは凄い楽しい話ではあるのだが、そこにストーリーらしきものはない。

なるほど、ゴルフストーリーという簡潔なタイトルはそこが狙いかとわかる。
で、ストーリー自体は、あらすじで書くと子供の頃の夢を捨てきれなかった主人公がゴルフのプロを目指して様々な出来事を体験していく、ぐらいな訳だがその中で出会う多くの奇妙なキャラクター達とのおかしなコメディに寄ったシーンが魅力的である。

偏狭で最初はまともに主人公を教えようともしないコーチがルークバレーとのコンペでの活躍を見て主人公の才能を認め、様々な出来事を通して過去を語り始め、ブルームーンデューンでの優勝を経て主人公を(もう一人の)息子とまで言うようになる。
それがチキチキビークのコーチ、イボンヌにデレデレでマッチプレーで勝ったからとかいって食事に誘うも大失敗で終わるエピソードなんかも笑える。

ウェルウォーンのオーナーであるラッキィはせこくて厚顔無恥な小悪党みたいなところがあり、主人公が契約を解消するためにゴルフで戦う時にウェルウォーンは自分のコースのくせに状態が悪いからとか言ってチキチキビークで試合するとか言い出す辺りも笑える。

古き良き会員制ゴルフクラブであるタイディパークのエピソードは老人たちがパーより良いボギーがあるとか言い出したり、いきなり若者たちとラップバトルをしだしたりと笑いが絶えない。

中でも最も魅力的なキャラはヒロイン的立ち位置(恐らく)であるラーラだろう。ジト目少女(年齢はよくわからんけども)。
最初は完全に狙ったところにボールを飛ばせず、人にばかりボールを当てるような腕前なのにプライドばかり高かったが、イボンヌがコーチにつくことで真価を発揮し、ライバル的な立ち位置に。その中で主人公と関わり合っていく内に、ラーラも減らず口は相変わらずだが二人とも実力、人品を認め合う仲になる。
ツンデレといえばツンデレ(第二義:所謂素直になれない系)だがデレの要素が、あると認められるギリギリほどにしかない。エクストラ・ドライマティーニにおけるベルモットのような淡白なデレが最高に尊く感じる。
端的に言って、滅茶苦茶可愛い。疑似ドット絵という表現だからこそ純粋な可愛さがあるのか。

他にも癖だらけのキャラばっかりなのだが、であるのに全てのキャラクターが愛おしく思える。やはり1500円のゲームに見合わない長大なストーリー(大体クリアまでに多く寄り道して20時間前後だろうか)がそれを支えているのだろう。セリフも印象的なものが多すぎる。

エンディングで全キャラクターがワールドマップに表示されるのは感慨深い。そのワールドマップを映すカメラが引いていき、その全貌、開発元の国であるオーストラリアが表示される演出もまた良いものがある。
9割コメディだが芯の部分がシリアスだというバランス感覚も優れている。笑いの絶えない世界観だが志は本物なのだ。


ゴルフゲームとしても、やや難点やバグも挙げられるものの良好な出来である。
基本的にはマリオゴルフ的なUIであり、そこにコース中に色んな役物があったりするといった具合である。
コースは現実的に言えばかなり厄介なコースばかりに思えるが、パワー調整などを使い、風の影響をうまく読めばどうにかこうにか戦える。

このゴルフゲームの、ゴルフゲームとしての特色といえばなんといっても街の中自体が小さなゴルフ場になっており自由にショットを撃て、あるいは様々な場所でゴルフ絡みの、あるいは関係のないチャレンジ、ミニゲームができるというところであろう。
このゲームでは基本的にホールは9コースだが、それでも1ラウンドやるのはそれなりに時間がかかる(10~20分ぐらい?)。しかし一つ一つのチャレンジは上手くいきさえすれば1分とか2分で終わるものも少なくなく、気軽に楽しめる。
バンカーショットやチップイン、パットなどはもちろん、パターゴルフにディスクゴルフ、ドローンゴルフ、ファミコンゴルフ(ガルフ)、ゴルフ場の草刈り、魚やワニの餌やりなどなど多岐にわたるミニゲームはやってて飽きない。街を舞台としたミニゴルフコースチャレンジもある。
チャレンジとは関係のないボーナスも多くフルクリアとなるとさらにまたボリューム満点である。
別にボールをそこらじゅうのキャラにぶつけ回ってみてもいい。それぞれ違った反応があるのが凄い。



とはいえ問題点も無くはない。
バグで言えばどうみてもフェアウェイに見えるのにバンカーだったりウォーターハザードだったりする場所が幾つかあったりするのはうざったい。
チャレンジでこれ以上やってもクリアが見込めないのに挑戦中止などができないのもある。まあA連打しとけばそこそこすぐ終わるし練習程度にやっといてもいいが。
ステータス振りのシステムは不可解で、パワーのみ振り直しができるが他のステータスに振ると振り直しが出来ないところか。それゆえ様子見にパワー全振りしてしまう訳だがそうすると他のステータスが下がっていき、ボールを曲げることができなくなり、イボンヌとかがボールコントロールの仕方をアドバイスしてくれたりするのが全く意味をなさなくなってくる。
これは難点というか要望に近いがネット対戦が出来るともっと良かった。

まあこの辺りは二人だけのインディーズスタジオで作っているそうなので仕方のないことなのではあろう。



BGMなども中々良いものが多く、中でもタイディーパークのBGMはそれぞれ古典的なゴルフ場の感じが素晴らしく出ていて好みであった。

HD振動を多用するのは賛否があるかもしれないが楽しく感じた。

難易度に関しては個人差あるモノなので簡単には言えないが、どこも何度か挑戦すればクリアできたので概ね適正でプレイしやすいと感じた。




ゴルフストーリー。ゴルフだから、という要素は、まあゴルフという文化ならではの面白さも幾つかあるモノの必ずしも不可欠ではなかった。
しかし、ゴルフゲームでやれること、という意味では最高の出来であったのかもしれない。
ゴルフとRPG。それが完全に調和して産まれた作品。
こういう境地を開けるのがインディーズゲームの強みでもあるか。デザイナーの趣味が情熱となり素晴らしいゲームを作り出す。それこそがゲームの理想像なのかもしれない。
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テーマ:ゲーム - ジャンル:サブカル

  1. 2018/03/15(木) 02:17:24|
  2. ゲーム
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