ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「カエアンの聖衣」新訳版読んだので感想

バリントン・J・ベイリー - Wikipedia


カエアンの聖衣、このブログを読む層にとってはアニメ「キルラキル」の元ネタというかそういうので知ってるのではなかろうか。私もそんな感じで存在を知った。

話としては、服飾文化が尋常では無く発達したカエアンという星間国家がある。そこを敵性国家としているザイオード(概ね現代文明が普通に発達したような文化だが、公共の場で裸でも咎められることはないらしい)でもカエアンの服の一辺でさえ裏取引で膨大な値段が付けられる。そんな中、カエアンの輸送船がある危険な惑星に不時着し、ザイオードのならず者達がカエアン製の衣服を収奪した。その中にフラショナール・スーツと呼ばれる、パッと見は現代地球にも普遍的に存在するスーツにも見えるがカエアンでも五着しかないとされる最高のスーツがあった。それを仕事の対価として得たペデルは人が変わったようになり……

まあそんな感じで始まって色々ある。
「服は人なり」という哲学からくるカエアンの服飾文化、及びフラショナール・スーツの効能などには本を通じて常に驚かされるが、それ以外にも本筋とは関係の無いガジェット、インフラサウンド(超低周波)を扱って得物を攻撃する怪物、捕食性の蝿で埋まる蝿の惑星、ロシアが起源の生まれてから一生宇宙服に入って生きるソヴィア人等々。
1976年の小説で宇宙SFな訳だが、やはりこういう妙な要素に囲まれているのは面白い。様々な発想の行き着く先が見られる。SFは現実の延長線上について書かれるものだというのが私の持論だが、この時代は未来がちゃんと未知に満ち溢れていたというのがわかる。ディストピアやらポストアポカリプスやらサイバーパンクもいいんだが、行き詰った未来ばかり見てるときが滅入る時もある。



文化が国を、人を侵略することがあるのか。
最終的な結論は今から見るとちょっと安っぽい感じもあるが、終わり方自体は緊張感と安堵感のバランスが良く上手さを感じた。
カエアン。なんやかんやでいい国だよね。ザイオードのが生きるのが辛そうというか。文化のレベルが違う。意図的なものだろうが色々考えさせる良いSF。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/12/03(日) 04:59:57|
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