ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

ゲームの評価における「価格」について

クソゲーオブザイヤー据置版wiki 2017次点


なんだか、「SHOOT THE BALLが300円という低価格ゲームであり、クソゲー足り得ずKOTY話題作に入っているのはおかしい」、という話をする人がKOTYスレに出てたので。
まあKOTYスレは扱うものが扱う物なので荒らしは多く、ネタ企画スレなのに知名度ばかり多いのでルールや議論の経緯を知らずにレスしだす人も多いのでよくよくある混乱ではあるのだが、価格と商品価値の関係についての問題はことゲームにおいて興味深い展開をするように感じられたのでちょっと長文でも書く。


まず、値段というのは商品価値の数値を表すものでは決してない。ゲームにおける商品価値、というのも難しい問題だが、どれだけ楽しめるかという曖昧な基準だとするとそれを数値的に評価する方法は無い。
まあ、せいぜいがレビューサイトの点数でも見比べるぐらいだろうか。メタスコアでさえ時代によって評価基準は刻々と変化するものであるし当てになるものではないが。
そして、500円の名作もあればフルプライス、6000円だとか7000円だとか、のクソゲーも多い。フリーゲームでさえ長い間遊べる名作からHDDを吹っ飛ばしていくクソゲーと言うのもはばかられる何かがある。

言うまでも無く、タダなのに面白いからといって無限大に評価が発散する訳では無い。
6000円のゲームは500円のゲームの12倍面白くなければいけない訳では無い。だから数値的に表せられるものでもないのだが。
ゲームの評価すべき点は数多くあるが、ゲームをプレイするのに必要なコスト、という概念はあまり顧みられない。一つは価格、もう一つは、評価点にもなり得るが時間である。まあ集中力だのゲーム容量なんだの他にもあるが。

クソゲーはタダでもやるだけ苦痛で時間の無駄である。
面白いゲームならば、少なくとも無為に時間を過ごすよりも面白いならばそれは「時間つぶし」になり得る。
本当に面白いゲームならば、ゲーマーならば「寝る間も惜しんで」ゲームをプレイする。睡眠と引き換えにするだけの価値を見出している訳だ。
面白いゲームであればあるほどボリュームの量は多ければ多いほどいいのかもしれない。とはいえ、同じゲームばかりやるより色んなゲームをやった方が面白いかもしれないし、やはり数値化できるものではないが。
しかし、ならばクソゲーはボリュームの量が多ければ多いほどクソなのかと言われると、確かにKOTYスレ住民は一通りクリアするのに圧倒的に時間がかかる大戦略太平洋の嵐やらを苦しんでプレイしているが、一般的なプレイヤーならば本当につまらないゲームは途中で投げ出すのが普通であろう。ちょっとやって、つまらないことを確認して、これ以上やっても「価格の元が取れない」と認識して、止めるまでの時間が無駄になるだけだ。

もっともこういう問題はゲームの難易度という更に面倒な問題とも関わり得るので簡単ではないが。ボリュームが無くても難しければ難しいほどゲームプレイの時間は長くなる。達成感は難易度の高さに依存するが、それまでに諦める人も多く、余りに苦労してゲームするのは時間当たりの面白さという考え方からするとまた違う。


話題がそれたが、価格もゲームハードを含めた価格やら、DLCを含めた価格、ガチャなんかも考えだすとさらに複雑になる。それを単一のゲームとして考えなければいけないからゲームレビューも苦労ばかりだ。
そしてそもそもの話だが、価格、金銭の価値、マネーに見出す幸福という意味での価値についても人それぞれであるというのも事実である。

いくらゲームの面白さという点を購買層の平均を取って考えたとしても、購買層の収入やら浪費癖もまた違うものである。
例えば石油王や大会社の社長ならば、ゲームごときにかかる価格など取るに足らない。あるソーシャルゲームに億単位で課金したユーザーがいるらしいが、そのユーザーにとっては億と言う金はゲームにつぎ込んでよい価値であり、それ以上に金を持っていたという事が類推される。まさか借金を重ねて全財産をガチャに使ったという訳ではあるまい。
一方で、貧乏学生やら高校生以下の子供にとってはフルプライスのゲームを買うというのは一種の冒険であるかもしれない。そのコストに見合った価値をゲームに見出せなければ酷いショックを受けるだろう。
ちなみにコレは時間に対しても言える。金持ちほど時間が無く貧乏人ほど時間を持て余している?そういう風になるほどうまく経済原理は働いてないとは思うが。


ともかく、基本的にゲームの価格というのは面白さによってつけられる訳では無く、概ね開発費やら広告費やら、予想される販売数からどうやれば黒字を出せるかという数字、そして相場によって付けられる。
とはいえ事実として、低価格ならば低価格なほどクソゲーでもショックは少ないし、逆もまた然りであるのも確かである。

では、翻ってSHOOT THE BALLについて見ていこう。
300円という超低価格ゲーム。まあ元Unityのアセットストアの無料ゲームだったことを考えると高いともいえるが、実際お財布へのダメージは最小限といえる(わざわざWiiUをどこぞから調達するのにお金を使うならば話も別だが)。
ゲームプレイの時間は、KOTYスレ住民のようにバグ検証のためねっちりプレイしなければ虚無しかないことを把握することはたやすいのでこれもまた最小限である。
なるほど、ゲームに対して掛かるコストは最小限である訳だ。ゲーム容量だって少ない。
ならばクソゲーではないのか?

SHOOT THE BALLは、であるにもかかわらずクソゲーである。
何しろ、このゲームをプレイしてプレイヤーが得られるものもまた極小であるからだ。
シンプルすぎるゲーム画面、ランダム性が多く自分の腕の上達を実感できない難易度、ボリュームの皆無さ。
はっきりいって楽しめる要素は無い。虚無である。

バグの多様さなども取り上げられるが、バグがあったって仕方ないというレベルである。バグは健全なゲームプレイを阻害するものだが、そもそもからしてゲームプレイと言えるようなものが無いのだ。


結果として、このゲームは300円というコストこそが純粋にプレイヤーに与えるダメージとなる。
様々なクソゲーがあるが、探してみれば楽しめると言って言えなくもない部分が、少なくともボリュームがまともにあるゲームならばあるものだ。太平洋の嵐だって兵站戦略を扱う面白さが無いとは言えない(楽しむのに膨大なエネルギーが必要だったりする訳だが)。
SHOOT THE BALLは、シンプルすぎるが故、言い訳できる余地がない。SHOOT THE BALLをプレイするということは財布から300円が消えることとなんら変わりがないのだ。

ゲームの評価基準が様々にあるようにゲームの負の評価基準も様々だ。
KOTYというスレ企画において、そういったとびぬけた個性を考える限り、他の形のクソゲー達と比べても遜色はないだろう。総評次第、総評における評価しだい。そうなる。



ゲームとは総合芸術である。
総体を見て感覚的に感じるのもいいが、分析的に見て一要素を論じるのもまた興味深いものであろう。
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テーマ:ゲーム - ジャンル:サブカル

  1. 2017/10/22(日) 00:15:10|
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