ネット世代の雑評論

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逆柱いみり「ノドの迷路」。読んだので感想

逆柱いみり - Wikipedia

いみり先生がいつの間にか新刊出してて、そういえばこの人の本の感想記事書いてないなと思ったので書く。

所謂ガロ系の作家で、実際月刊ガロにも載せていた作家である。
今はアックスで連載してるんだっけ。まあガロみたいなもんである。

作風としては非常に心象的なもので、panpanya先生に似ているだろうか?まあpanpanya先生の作品を評するときにも同じこと書いた気がするが。
とはいえ違いは歴然とある。どちらも夢の中で歩き続けるような作風だが、panpanya先生のは昼寝でもした時に見るような現実と混じりあった夢のようであるのにたいし、いみり先生のは高熱を出した時に見る、延々と続く悪夢に近い。
どちらがどうという話でもなく、それぞれの味がある。

で、ノドの迷路。まあこのタイトル自体は超序盤に解決されるあまり意味に乏しいタイトルだが、思えばいみり先生の漫画と言えば入り組んだ立体迷路の描写である。
これ絶対道覚えられないだろうという迷路をズンズン進んでいく、迷子の恐怖。その中で寄り道をしまくりながら目的があるのかないのかわからないまま進んでいく。
精微な背景描写もあり、様々な感情が喚起される。

ストーリー自体は、
学校で勉強している少年のノドに大量の虫が寄生していることがわかる。友達が保健室に連れて行って手術させたがどうにもやぶ医者で少年は怪人になってしまう。友達はまともな医者を探しに怪人と連れ添っていく。
といった具合だが、基本的にまともな科学法則の類もなく、時代考証も何もかもカオスである。

保健室に行くエレベーターが謎の怪物であったり、猫をイケメンに改造している医者がいれば、アワビのような甲羅を持ったナメクジを格安で売る大男などもいる。創業百年の石材店の階段箪笥で怪人化を治療したり、いきなり謎のテレビ番組が始まったりする。

好きなシーンは怪人をもてなそうと老人がテレビのチャンネルを回すシーン。
国会中継やゴルフをつまらんと言って、エジプトのファラオが映って、外人の時代劇と評するところが何とも言えない感覚。なるほど言い得て妙な表現ともいえよう。老人ならそういう感覚かもしれぬ、


恐らくいみり先生の作品に重要なテーマなどない。作者の主張など微塵も感じられない。
ただ奇妙奇天烈な世界を眺め楽しむ。そういった漫画である。
初見の人は不気味だと感じるだろうし実際不気味なのだが、それがいいのだ。
ただ絵で魅せる?むしろ作風?ともかく様々な感情を産む良質な娯楽作品である。

結構遅筆な人だから次回作は2、3年後くらいかな?なんにせよこれからも期待したい。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/09/03(日) 14:29:26|
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