ネット世代の雑評論

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MTG、「予想外の結果」デッキ動画は何故面白いのか

ニコニコ大百科 単語記事: 予想外の霊夢











運ゲーというものがある。
ゲームにおける運、確率要素というのは難しいもので、全てが運で決まるならじゃんけんでもしておけばいい話で、しかして運の要素が全くないと必勝法というものが産まれうるしそれがなくても単調になる。

という訳で、ゲームプレイヤーはゲームに提示される運の要素を潜り抜けて勝利を目指し、そこに喜びを見出すわけだが、同時に人は運のもう一つの側面、ギャンブル性にも惹かれるものである。


上に紹介した動画はTCGの元祖、マジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)のオンライン版の対戦動画の一つであるが、かなり変わったデッキを使っている。
キーカードとなるのは「予想外の結果」というカード。どういうカードかというと、自らのライブラリー、つまりデッキをシャッフルした後に一番上のカードをマナコスト無しに唱える、という具合だ。捲れたカードが土地ならば予想外の結果は手札に戻ってくる。

所謂踏み倒しカードの一種であり、ただ(というか踏み倒しカードのコスト分だけで)で非常に高コストなカードを唱えてしまおうというものである。
マナコストという概念をこの記事の想定読者である非MTGプレイヤーに簡潔に説明するのは難しいが、概ね土地一枚で1マナが出せ、一ターンに土地は一枚しか出せない。というの基本であり、高コストのカードを出すには工夫が必要で、非常に強力な戦法の一つではある。

とはいえ、数ある踏み倒しカードの中でも予想外の結果は必ずしも強力とは言い難い。4マナで何でも唱えられる、というのは魅力ではあるが、事前にシャッフルしたライブラリーの中からというのは余りにもランダム要素が強すぎるのである。

これを解決するには、例えばデッキ圧縮、捲れたら弱いカードを事前に他のカードで墓地なりに送ってしまうなどのやり方が考えられるが、冒頭の動画では単純に高コストなカードを大量にデッキにぶち込むという方法を取っている。

そのおかげで、初手で手札に唱えられないカード塗れになって、延々とマグロのように殴られ続けたりすることもある。
どうにか予想外の結果を唱えられたところで、土地やら極楽鳥(一マナのカードでタップすると一マナ出せるクリーチャー)やらが出て終わりということもある。
しかし、上手いこと、例えば「引き裂かれし永劫、エムラクール」などが捲れればそれだけで勝ちである。

エムラクールは15マナのカードで、非常に、異常に重く、強力なカードである。
15/15というサイズは一撃で初期ライフ20点の3/4を削り、殴るだけで相手の場のカードを6枚吹き飛ばし、しかも唱えれば追加のターンを得て相手に動く間を与えない。プロテクション(有色の呪文)という除去性能も持ち対応できるカードは限られる。他にも色々能力があり、簡潔に言えば「出れば勝ち」と書いてあるようなものである。

他にもウラモグやらウギンやら馬鹿馬鹿しいほど重く強く、簡単には唱えられないカードばかり満載しており、予想外の結果なんかで捲れれば勝つ、そういうデッキを使用している。

もちろん弱い。勝率は総合的に3割とかだろうか?一応基本的には勝った試合を動画化している訳だが。
しかし、このデッキ。予想外の結果を唱える際の不思議なワクワク感は何なのだろうか?エムラクールが捲れた時の何とも言えない冒涜感も愛おしい。何もできずにボコボコにされる無常感もまた深い。



これがギャンブルの魔力、ロマンというところか。
そしてMTGというゲームの中でMTGをしない、そういう無茶、ロック、前衛芸術の狂気も大いに感じられる。
対戦ゲームは対話であるが、それを放棄することもまた一つの対話であるのだ。まあ対戦相手には悪いだろうし謝罪もやむを得ないだろうが。


どんなゲームも楽しみ方は自由である。自分で極限の楽しみ方を見つけられたとき人は最高の幸福に至れるか。
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テーマ:ゲーム - ジャンル:サブカル

  1. 2017/07/19(水) 04:46:24|
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