本作品は音MADとして、強い時代性を感じさせる。アスキーアートは現代でも必要に応じて(あるいはそれとも関係なく)作られる。見方によれば「Acceptable In The 80's」は匿名ネット文化の流れを継いだ正当後継者であり最先端だとも言えよう。言うまでも無い話かもしれない、尊師ものだというところもそれを象徴する。
ニコニコ動画はなんやかんやでそういった匿名ネット文化の中にあるサイトであり、この動画もそういった前提を持たない人にはピンとこないものがあるのかもしれない。 しかし、だからこそ、わかる人には最も感動的な作品となり得るのだ。銀賞に「Acceptable In The 80's」を選んだ理由はそこである。
そうすると、やはり金賞銀賞で選んだ「The No Man's Land」、「Acceptable In The 80's」がそういった雰囲気を持つ作品であることに気付く。まあそれ以上に金賞銀賞に選ぶべき作品であることからそれに変化はないが、金賞や銀賞と銅賞を同時受賞と言うのは避けたかった。 ならば金賞銀賞の二作品以上の独創を含む作品となるが、どうにも良い候補が少ない。この時点で再現系は厳しいし、別の何かからの影響が強いと見た作品も選びにくかった。 「透明少女妖怪にとり」、「No.65」、「パラッパラッパー東方」、「むらさととら」、「太陽の塔作ってみたんですが...」、「USCチャレンジ」、「ترانه(愛され路線)」、「東方Projectー正義の系譜ー」、「日本競馬珍レース集」、「マッチョ売りの少女」、「星になる」、「パラッパラッパー東方」、「ヒガシトツカに栄光あれ」、「やさしいせかい」、「死に至る病」、「BA・KA」、んんwwwカーミラさんですぞwwwシリーズ…… どれもいい作品だが銅賞に選ぶとなると一長一短である。 むしろ該当作品無しとでもしようかとさえ考えたが、そうする意味は無くただ選びにくく困っていた。
そこでもう一度全体から候補を絞ってみると、銀賞に選んだ「Acceptable In The 80's」と同じ尊師ものではあるがまた違った、不穏な雰囲気を持つ「ラジオ・アクティビティ」が目に留まった。 某統合失調症患者が見る世界を意味深な演出で描く。独特な感性でモデルやその動き、音楽、ストーリーの全てで様々なことを考えさせる。妄想幻覚と思われるものには影が付いて無かったりという細かさも良い。 一応デッドエンドで後味が良いかは微妙だが、尊師が死んで終わるのは尊師MMDではお約束の様な物なので逆に安心できるとも感じた。