ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

第17回MMD杯、個人的表彰をする。

第17回MMD杯、気になった動画とか紹介していく※追記終了

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第15回MMD杯、個人的表彰をする
第14回MMD杯閉会、個人的表彰など
第13回MMD杯 そういえば終わってたので個人的表彰など
第12回MMD杯閉会表彰式 せっかくなので個人的表彰もする
第11回MMD杯 閉会式。今回のまとめと個人的な表彰作品など
MMD杯表彰閉会式、結果と考察、予想の勝率及び個人表彰 (第10回)
第9回MMD杯本選 表彰閉会式とかも終わったので個人的に総評とか
第8回MMD杯表彰閉会式 個人的にオススメだった動画の紹介とか
第7回MMD杯 本選開始 適当に今のうちに話題なMMD動画紹介
第6回MMD杯表彰閉会式 個人的な賞的な何かも
第5回MMD杯 面白そうな参加作品色々紹介。
第4回MMD杯 動画の紹介等


という訳で第17回MMD杯個人的表彰していく。
最近のMMD杯では毎回だが、とくにMMD杯運営やそのスケジュールに義理は無いのでマイリスト投票期間とか終わってないが個人的表彰はさせていただく。
そろそろおおよそ目ぼしい動画は見たかな、そう思ったので表彰に入る。それぐらいの心意気である。
投稿期間から間が空くことによる祭りの熱が冷めるのを懸念してという意味もある。

前置きはここまでとして表彰に入っていく。
金賞銀賞銅賞の三賞のみとし、次点などは無し。他にもいい動画は多いがそれは紹介記事の方に任せたい。
ではスタート。

金賞

金賞、一等賞は今回の杯で最も素晴らしい作品に与えたいと考えた。
すなわち第17回MMD杯という環境、課題、テーマで最も作られるべきであった作品、という事であり誰もが納得する普遍的な価値がある作品をこそ金賞に選びたかった。

では第17回MMD杯、今回はどういう杯であったか?
私は杯が始まる前は腐りかけのバナナにでも例えて何か論考を進めることになるだろうな、と思っていた。腐りかけのバナナこそ一番おいしいところがあるとかそういった話だ。
しかし投稿数や投稿動画の質を見るとうまく踏みとどまっており必ずしも衰退の道だけではないことが示された。むしろMMD文化が狂熱の成熟期を超えて安定した大人となった、そういう風に感じた。これからさらに大きく伸びることは期待できないが、緩やかにやっていけるであろうという光明が見えた。

金賞とした「The No Man's Land」は遠い未来に戦争としてロボットに殺し合わせる世界を描いた作品である。SFとして面白い題材であり、基本を押さえその上で視聴者を揺さぶる作劇、退廃とした世界観を良く表現した絵作りと全方向に渡って高水準な出来であり、一つの目指すべき模範とさえ言っていい。

そしてロボットと言う「生きていない」者の死を扱うという点で、生死感という普遍的な意味を持たせたところも注目したい。
普遍的価値を持つ作品は時代を超えて価値が衰えない。安定した文化を創生するのにそういった作品は必要不可欠である。

激しく感情を揺さぶり目を白黒させる、大きな笑いを引き起こし呼吸困難に陥らせる、あるいは扇情的で誰もの目を引き興奮させる、そういった作品ばかりが良い作品という訳では無い。
「The No Man's Land」はこれからのMMD文化を担うに足る作品であった。


銀賞

銀賞には最もインパクトのある、事によっては金賞をも上回る何かを持った作品を選びたい。
逆に言えば金賞に選び難い、強い前提を持つような作品をこそ銀賞に相応しい。その前提を持っている人間に強く反応するような、そんな作品だ。

ニコニコ動画は日本の匿名ネット文化における中枢としての立場を喪い続けている。0年代は2ちゃんねるがそれだったと言えよう。それより前はあめぞうやあやしいわーるど辺り、それより前は……と言う話は蛇足なので今回はよしておく。

ともかく匿名ネット文化、本名を出さずただ固定ハンドルや名無しで活動するというのは日本で特によく見られる特徴である。そしてその中で生まれた文化は不謹慎なものから楽しげなものまで様々である。

アスキーアート文化はパソコンの歴史の初期からあるが、やはり最盛期は0年代であり、その中心は2ちゃんねるであった。
その中で現れたアスキーアートキャラクターは2ちゃんねるの象徴であり、そして当時の同人的動画の代名詞であったFLASH作品の中でも引っ張りだこで登場した。その当時のFLASH動画作品は今のMAD動画などに多大な影響を与えている。

本作品は音MADとして、強い時代性を感じさせる。アスキーアートは現代でも必要に応じて(あるいはそれとも関係なく)作られる。見方によれば「Acceptable In The 80's」は匿名ネット文化の流れを継いだ正当後継者であり最先端だとも言えよう。言うまでも無い話かもしれない、尊師ものだというところもそれを象徴する。

ニコニコ動画はなんやかんやでそういった匿名ネット文化の中にあるサイトであり、この動画もそういった前提を持たない人にはピンとこないものがあるのかもしれない。
しかし、だからこそ、わかる人には最も感動的な作品となり得るのだ。銀賞に「Acceptable In The 80's」を選んだ理由はそこである。


銅賞

今回は銅賞を選ぶのにかなりの苦慮をした。
銅賞には独特の価値を持つ作品を選びたい。評価しにくい作品、正当な価値が認められていない作品、そうした物こそ取り上げる意味があると考えたのだ。それでいて安定した後味の良い作品であれば三賞の最後に紹介する作品としてもベストである。

そうすると、やはり金賞銀賞で選んだ「The No Man's Land」、「Acceptable In The 80's」がそういった雰囲気を持つ作品であることに気付く。まあそれ以上に金賞銀賞に選ぶべき作品であることからそれに変化はないが、金賞や銀賞と銅賞を同時受賞と言うのは避けたかった。
ならば金賞銀賞の二作品以上の独創を含む作品となるが、どうにも良い候補が少ない。この時点で再現系は厳しいし、別の何かからの影響が強いと見た作品も選びにくかった。
「透明少女妖怪にとり」、「No.65」、「パラッパラッパー東方」、「むらさととら」、「太陽の塔作ってみたんですが...」、「USCチャレンジ」、「ترانه(愛され路線)」、「東方Projectー正義の系譜ー」、「日本競馬珍レース集」、「マッチョ売りの少女」、「星になる」、「パラッパラッパー東方」、「ヒガシトツカに栄光あれ」、「やさしいせかい」、「死に至る病」、「BA・KA」、んんwwwカーミラさんですぞwwwシリーズ…… どれもいい作品だが銅賞に選ぶとなると一長一短である。
むしろ該当作品無しとでもしようかとさえ考えたが、そうする意味は無くただ選びにくく困っていた。

そこでもう一度全体から候補を絞ってみると、銀賞に選んだ「Acceptable In The 80's」と同じ尊師ものではあるがまた違った、不穏な雰囲気を持つ「ラジオ・アクティビティ」が目に留まった。
某統合失調症患者が見る世界を意味深な演出で描く。独特な感性でモデルやその動き、音楽、ストーリーの全てで様々なことを考えさせる。妄想幻覚と思われるものには影が付いて無かったりという細かさも良い。
一応デッドエンドで後味が良いかは微妙だが、尊師が死んで終わるのは尊師MMDではお約束の様な物なので逆に安心できるとも感じた。

「ラジオ・アクティビティ」は無視できない独特の価値を持ち、第17回MMD杯の中で存在感を見せつけたと言えよう。
銅賞とするのに十二分に足る作品であった。



個人表彰で尊師MMDが三賞の内二賞を占めたことに一抹の不安を覚えなくもない。別に尊師ものだからどうとかではなく三賞三作品で読者に満足して読める記事にしたい以上、作品の偏りを防ぎたかった。
しかし考えてみれば、表層のジャンルがかぶっているだけで内容自体は三者三様である以上大きな問題ではないと思えた。
創作コミュニティ同士のいがみあいの解消、そして協調によりより良いものが生まれることを願う。
MMDの文化としての運命はファン、創作者がどのように文化を育て管理するかによるのだ。そういったことを意識して行動したい。


他にも紹介したい動画はたくさんあるが、それは紹介記事で。
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テーマ:ニコニコ動画 - ジャンル:サブカル

  1. 2016/08/21(日) 05:22:26|
  2. ニコニコ
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