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「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」第Ⅹ巻感想、及びタイトルの意味など

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン - Wikipedia
宇野朴人 - Wikipedia

ケフェウス座アルファ星 - Wikipedia


一緒にガンゲイルオンラインの新刊も買ってそれも面白かったんだけど、推してるチーム(全身プロテクターの前回漁夫の利で優勝したとこ)の活躍が悪かったのでそっちの感想はまあいいや。
あと、もう一冊電撃文庫は買ったが読んでる途中なので。

第十巻。二桁突入でアニメ化である。
アニメ一話は結構展開飛ばしてて、そりゃまあ一話切りとかさせないためで正解なのだろうが設定面の妙味が薄れてしまったことは否めないか。後から取り返せるか?
逆から考えると、わかりやすい魅力を取ると言った具合なので小指詰めるシーンとかはきっちり書くつもりか?
悪くはない一話という評判が多いようだが。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン。そういえば、ようやくタイトルの意味が分かった。
アルデラミンとはケフェウス座アルファ星の固有名のAlderamin。アラビア語由来で右の前腕部、ケフェウスの右の前腕部という意味になる(実際には右肩部分となる訳でおかしいとかいう説も)訳だが、この星には未来において人類にとって重大な役割を果たす星となる。
地球の歳差運動により少しずつ天球上の見かけの恒星の位置は変化する。そのため不動の星たる北極星も千年万年の周期で交代していく。

紀元前11,500年頃には一等星のベガが北極星。
紀元前2790年頃にはりゅう座α星が北極星。余談だがこの星は4等星で明るくないのにα星、第一星とされてるのはその時代に文明であるメソポタミアで占星術が始まったからだとか。
紀元前1100年頃はこぐま座ベータ星が北極星。コカブ(Kochab)という固有名を持つ。コカブの由来はアラビア語で「北の星」を意味するアル・カウカブ・アル・シャマリー(Al Kaukab al Shamaliyy,)の「カウカブ」の部分が残ったもの、らしい(Wikipediaより)。
現在の北極星の固有名はポラリスである。ちなみにラテン語由来で各国語で様々な呼び名がある。最も天の北極に近付く2102年の前後数世紀間は北極星となっている。
西暦3100年頃からはケフェウス座γ星で西暦4100年頃に最も天の北極に近づく。
西暦5100年頃からはケフェウス座β星で西暦6000年頃に最も天の北極に近づく。

そして西暦7500年頃からケフェウス座α星、すなわちアルデラミンが北極星となり西暦7800年頃に最も天の北極に近づく、という訳だ。

ちなみに西暦10,200年頃の北極星は一等星ベネブ、西暦11,600年頃ははくちょう座デルタ星、そして西暦13,000年頃にベガに戻ってその後も周期的に変化していくわけである。

何が言いたいかというと、まあタイトルの話なのだが、アルデラミン、天鏡のアルデラミンとは北極星となったアルデラミンの事だろう。
そして、四大精霊などが出てきて、近代初期のヨーロッパ(帝国は割と熱帯、というか地理的にはインドっぽい)っぽく、近代ファンタジーという分野なのかなと見えるが、四大精霊の存在の異様さは「科学者」たるアナライ・カーンが第一巻の冒頭で指摘している。
そしてねじ巻き精霊戦記。戦記は実際架空戦記ものなので何も問題はないがねじ巻き精霊となると、ふむ。第十巻でアルデラ教(アルデラミンを主神星としている)の教皇は「一度は罰せられた我らの世界」とかなんとかのたまっている。

ここまでわかればもう察しが付く。
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン、このライトノベルの時系列は西暦7800年頃周辺千年程度の範囲であり、一度何らかの原因で文明が大きく退行した世界であり、四大精霊は過去の世界で人間が作ったロボットの類である訳だ。
ファンタジーと見せかけてSFというのは良くある話だがタイトルで提示しておいてここまでわかりにくくするのは中々面白い。
そうなると帝国の舞台はまさしくインド亜大陸であり、北の国境のアラファトラ山脈はヒマラヤ山脈のこととわかる。
キオカ共和国は東南アジア一帯を治めているという具合だ。
そうであるのに人種や文化は結構違っているのもまた面白いところか。
そして単行本なんかで示される星のシンボルも北極星となったアルデラミンでありアルデラ教のシンボルだともわかってしまう訳だ。

こういうさりげないやり方で世界観設定を書くやり方は凄い好みだ。その辺の掘り下げもまた作中で行われるのだろう。


それは良いとして、第十巻の感想。

イクタ復活劇。こういう風に復活したらしっかり活躍しないとね。ついに元帥にまでなってしまった訳で。
主人公が復活し、スパイであったハロも懐柔。状況は変わったがヤトリが死んだこと以外は雰囲気は元通り、といったところか。第一部ではまあひよっこだった騎士団の面々だが、荒波に揉まれ歴戦の猛者となってきている。これで帝国をメインキャラで動かす目算が付き、ライバルたるジャンとも戦いやすくなった。そしてアナライ・カーンの重要性も増し、アルデラ教の存在感も出てきて物語の核心に入っていける、そういったところだろう。
次の巻で後半の最初、といったところぐらいまでには進んだと言ったところか。

ヤトリは死なせたわけだが、ハロは死なせなかった。主人公が復活というところでハロに死なれたら主人公の面目に傷がつくし、話の雰囲気ももう元に戻せなくなる。今巻については少なくとも成功だろう。

勝つには勝ったが痛み分けというバランス具合も戦記ものとしてのリアリティを保っており、色々先のことを想像させる。

全体としてかなり面白く読めた。隙のない作劇というところがある。


ようやくキャラは揃い(そういえばアナライの弟子も出てきたが科学方面の話がやっと進むのか)、話の本筋が見えて来て、これから本題という訳だろう。
次巻には強く期待したい。アニメ化もこの時期に行ったことは正解かも知れない。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2016/07/10(日) 06:25:35|
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コメント

No title

素晴らしい考察ありがとうございます。教皇の祈りにそんなヒントがあるとは。
  1. 2016/08/28(日) 06:41:09 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

Re: No title

> 素晴らしい考察ありがとうございます。教皇の祈りにそんなヒントがあるとは。

いえいえ。
アルデラミンという言葉と精霊で未来の話だと予想する向きは多かったんですが、教皇の祈りで決定的になった形ですかね。
これからそういった設定が物語の中でどう作用するか注目したいです。
  1. 2016/08/28(日) 22:25:20 |
  2. URL |
  3. たていと1 #-
  4. [ 編集 ]

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