ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

別役実「うらよみ演劇用語辞典」読んだので感想

別役実 - Wikipedia

別役実。本職は劇作家という事になっている。なんでも日本の不条理演劇を確立したその道の第一人者だとか。
デイリーポータルZでライターをやってるべつやくれいの父親といえばわかる人もいるのだろうか。
たしかセンター試験で現代文評論の頻出作家だった気もする。過去問題集に本文の掲載を認めていないが、何かの予想問題集で解いた記憶もある。

私は演劇は見ないし、別役実の演劇関係の作品もあまり知らない。
しかし別役実が書くエッセイ類には格別の感情がある。

別役実のエッセイで一番有名なのは「虫づくし」であろうか。


学術書や辞典めいた体裁を取り、嘘や冗談を重ねまくるこの本や検索してみると案外引っかかり、少しは人気があると見える。
づくしシリーズは実際人気のようで何冊も続編が出ていたりする。こういう類の実際の事象をでたらめだらけに紹介する別役実のエッセイが私は好きである。


で、今回のはうらよみ演劇用語辞典。本職の方の仕事なのかと思いきや、うらよみということで、演劇用語で虫づくしをやる、というほどでもなく少なくとも演劇用語の解説ぐらいは入ってるが、独自の、勝手すぎる、捻くれた、あるいは明らかに間違った解釈をふくめ無茶苦茶なことを書いている。

扱う演劇用語は様々(なぜか煙草が二回解説されてたり)だが、例を挙げて簡単に書くとアヴァンギャルドとは前衛芸術の前衛という意味で、軍隊用語のそれと同じだが、それ故に「失敗すれば直ちに、切り離され見捨てられる」などとあてつけがましく書いたり、芝居を見る基準に雪(紙で出来たそれ)が降るかどうかを問題にするものがいるなどとか書いたり、演劇にとって客はいない方が良く、入場料は客席に侵入したものに対する罰金であったなどと尤もらしく書いていたりもする。

もちろん大体の記述は嘘八百なのだが、嘘を交えた中に演劇人としての著者の意見というものが隠れている気もして面白い。



恐らくこのブログを見ている人々は演劇などに興味を持っている方は少ないだろうが、そういうアンテナが向いていない場所にこそまだ見ぬ景色が眠っているものである。
私もどれだけの価値あるものを見過ごしてきたのだろうか?アンテナは常に張り巡らしておきたい。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2015/12/23(水) 01:12:33|
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