ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

支倉凍砂「マグダラで眠れⅦ」感想

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前回からだいぶ間が空いたが、スピンオフとか同人ソフトで書いたのとか出してたというのが大きいか。
今回は窒素化合物、火薬の話。太陽の欠片とやらは硝石だったか。KNO3でカリウムの炎色反応は紫色。硝石は乾燥地帯だと天然に算出するが湿潤地帯だと難しい。よって土中の微生物によって有機物を発酵させ硝酸カリウムを作り出す。クソとか埋めて作ったり元々そういう場所を探してとってきたりする。
今回は火薬、戦争の道具だが、使いようによっては肥料なりなんなり色々出来る。生命には窒素もまた必要だからね。しかし窒素は大気中で安定過ぎる。そういえば雷のことを稲妻というが、これは雷が落ちた田んぼには雷の高いエネルギーによって大気中の窒素が固定化されて肥料となることからそう言うらしい。
ハーバーボッシュ法はすなわち近代の創生だったのやも。しかしこれは錬金術の範疇とはどうしてもいえず化学に入るか。これによって地球にもたらされた窒素化合物は地球環境をこれまでにないほど変えている。

というかマグダラは黒色火薬も無い世界だったか。中国で開発されたんだっけ?
火薬は戦争の形態を変えた。しかしそれだけでは火薬も泣くという物。火薬は歴史の原動力の一つだと言えよう。
で、最後の方にはニトロセルロース、つまり綿火薬まで作ってしまう。一夜漬けでこんなの発明するとはかなりヤバいが、まあそこは小説なので。
ニトロセルロースは今でも無煙火薬の材料だし、小火器に使われるシングルベース火薬はほとんどニトロセルロースだ。
作中でも言ってたが、誰にでも作れるとはいえやはりその先を作れるのは専門家だけなのだ。錬金術師のマグダラとやらはやはり無限遠の彼方にあるのやも。


スピンオフの主人公のフィルが登場。立派に書籍商になっている。だいぶ太っているが商人としては健全な生活をしていると言ったところか。
色々面白く好人物で次回以降の登場も見込まれるか。

4人の主要人物の関係は安定してきた模様。クースラは錬金術師としては超一流だが、他はまあダメ人間だわな。かなりチョロいし。フェネシスは自立してきたし、ほか二人も色々個性が出ている。

で、支倉先生の小説のいつも通りの流れでピンチになってから大逆転する訳だが今回の落とし穴はホッキョクグマの肝。ビタミン豊富過ぎて逆に過剰摂取で毒性になるんだよね。しかし暗殺に使うにはあまりにも不確実だと思うが。


今回は実験描写がいいよね。
失敗失敗また失敗で、その中から直感や偶然により思いがけない成功を得る。
地味な作業だがその分成功の喜びはひとしお。出来上がったものが火薬という派手なものだからこそ更に。


第七巻では火薬を作った。しかし窒素化合物の中で火薬はほんの一部分にすぎない。化学の分野の中ならさらに一部だ。
最終巻になるときには果たして世界はどのぐらい変わってしまうのか。
そして、まだ現代科学の領域だが、それ以上に行ってしまうのか?
期待して注目したい。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2015/09/12(土) 19:12:10|
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