ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

インターネット探訪「萌え絵で読む虚航船団」

萌え絵で読む虚航船団

虚航船団 Wikipedia


筒井康隆先生の虚航船団を読み終えたが、まあアレで真面目に内容のある感想書くとなると結構大変そうだったので、ちょっと調べて見つけたこれを紹介しておく。

虚航船団は、まあ単純に話を追っていくだけでも面白いのだが、多種多様な前衛的表現のせいで中々敷居が高い。
それを萌え絵で漫画化し読みやすくした、というのが冒頭に紹介したサイトである。

もちろん、その事によって失われる要素も多かれど、これだけ読みやすくなったのならば価値があるだろう。
残念ながら更新は停止しているが、興味を持つきっかけにはなるかもしれない。筒井先生らしく下種で下世話な話も多いが。


虚航船団、筒井先生の考え方や思想、特徴、工夫が如実に出ている作品であった。

それぞれに狂気を持つ文房具達は作者が人間をどう見ているか、と言うのが表れている。あるいは実在の人物誰かを皮肉っているようなそういうところもある。作家である兄三角定規を艦内でも数少ない割と正気な人間として書いているのは同じ作家としての投影でありある種のエゴを感じるが、まあその辺もらしいよね。

半分に圧縮された歴史を持つツァールのイタチ達。これは作者の社会観、歴史観か?地球の歴史のパロディ。しかし歴史書のようなスタイルで999年分を一章丸ごと使って書き切るのは中々ぶっ飛んでいて良い。意図的に圧縮されて歴史をなぞっているというのが色々考えさせられる。あるいは歴史というのは必然なのかもしれない。

で、第三章で文房具達の侵略というか殺戮とそこから生じる結果がメタフィクションも交えた混沌の中で描写される。
こういうカオスを書かせたら筒井先生より上手の人間はなかなか思いつかない。本棚をチラッと眺めたが、アストロモモンガは同レベルかな。あれは究極的にナンセンスだが。

全てを理解できたと言い張るつもりは到底ないが、非常に楽しく読めたのは確かだ。
なんやかんやで感想を書いてしまった。虚航船団はもはや古典か。古典、時代を超えて読み継がれる名作。古い作品が読まれるには理由がある。
虚航船団が読まれる理由は、それだけ濃厚な情報量を未だに抱えているから、だと思う。一息では理解しきれないからこそ読み応えというものがある、というところか?難しけりゃいいってもんじゃないが、わかりやすけりゃいいってもんでもない、というか。いつまでも残る味わい?ふむ。まあよくわからんがそんなところだろう。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2015/04/02(木) 00:07:32|
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