ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「少女終末旅行」第一巻、読んだので感想

新潮社 つくみず『少女終末旅行 1巻』

終末もの - Wikipedia


タイトルは終末と週末をかけているのだろうか?少女週末旅行じゃあまさしく日常モノだが、終末ならば終末モノということになる。
少女二人がほとんど人がいなくなった都市世界をケッテンクラート(タイヤとキャタピラが両立している車、いわゆる半装軌車の一種)に載って旅をする、という話。

一回終わった世界、というのはSFにおいてもはや定番なテーマであり、SFというにはややズレるが漫画の有名どころでは北斗の拳もそれである。タイムスリップものとの混合だが漂流教室なんかはより近いか。
終わった世界の中でどう生きるか、というのは終末モノでは大きなテーマである。世界を取り戻すか、新たな世界を作っていくか、北斗の拳でいうモヒカン雑魚のように餓狼のように生きるか、それに怯えて隠れて生きるか、あるいは諦めて余生を送るか、どうしてこうなったかを調べるか。
こういうのは世界の終り具合で変わるものではあるが、作者が信ずる人間の有り様というものが良く現れるところである。

少女終末旅行の主人公二人は、人がほとんどいない世界で、ただケッテンクラートを飛ばしながら旅人として世界を見回りながら使えそうなものを集めて生きていく。
終わった世界だが、それに絶望は無い。それが既に普通であるからか。この辺は現代的な感性だよね。バブルが終わったころに生まれた不況しか知らない世代の感性。お先真っ暗の世界の中で、楽しげに生きる。
発電所跡地のお湯を使いお風呂にし、流れ着いた魚の死骸を焼いて食べ、大量に残された銃弾を使って射的をする。残されたものでやっていく。


まだ一巻でこれからどうなるかはわからない。電灯が生きている上層では何があるのか。
SFという分野は空想ばかりではなく、現実をそのまま書くよりも深く表現していたりするものである。
独特な絵柄も世界観の荒涼さをうまく表している。次巻にも期待したい。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2015/01/04(日) 03:12:12|
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  3. | コメント:2
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コメント

No title

面白いですよね。空気感とか良く描かれていて好きです。

WEBコミックで読んでいますが、ここで紹介されたんなら単行本も買うかなあ。
  1. 2015/01/04(日) 23:07:41 |
  2. URL |
  3. kuina #-
  4. [ 編集 ]

Re: No title

> 面白いですよね。空気感とか良く描かれていて好きです。
>
> WEBコミックで読んでいますが、ここで紹介されたんなら単行本も買うかなあ。

非日常の日常と言いますか、旅の雰囲気とかもなんかあって楽しいですね。
  1. 2015/01/05(月) 21:46:43 |
  2. URL |
  3. たていと1 #-
  4. [ 編集 ]

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