ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

出口きぬごし「サディスティックムーン」感想

サディスティックムーン|電撃文庫公式サイト


AmazonでしつこくおすすめされるのでAmazonじゃない本屋で買ったったら中々読んでいて面白かったので感想を書く。

とある事情によりほとんど全てのものに対する関心がなくなった男子高校生「久遠久」が。妖艶な魅力を持つが壮絶に狂った美少女「幸徳秋良」に振り回される話。
まあこう概要を書くとハルヒの十番煎じか何か?という感じだが、幸徳秋良のキチガイっぷりがなかなか抜けている。
具体例を挙げると。

久遠久に無理やり強姦の証拠をでっち上げて下僕にし、式神にするとかいいだす。

いじめの犯人(ヒロインの一人でアイドル志望)を睡眠薬で眠らせて、カテーテルで(久遠久の)尿を膀胱に注入し、体育祭の中で三人四脚で連れまわし、ノーパンで失禁させる。

学校新聞に(久遠久の名前で)復讐募集広告をうち、来たクズ(池永富益)がなんやかんやあって迫ってきたから拒絶したらクズ行為をしたので、クズを騙して付き合ってる風にして、婚約届に見せかけた人身売買契約書にサインさせ、タイにおびき寄せて、性転換させて金持ちの変態に売る。ついでにペニスの切断は幸徳自身が行った。

などと実際犯罪レベルというか、病気レベルのキチガイである。


まあここまでなら共感可能性のない美少女というだけだが、その狂気は読み進めるにつれて本来の気持ちの裏返しというか、かなり捻くれた形だが、純粋な女の子であるという感触が出始める。
幸徳はいじめをされた経験を持ち、それゆえ残酷に生きる。そんな中で久遠久を特別な存在としてみている。はっきりいって恋心のそれだが、酷く屈折して伝わらず、また伝える気もなく、あるいは自分自身でもそれを恋とは思っていないのだろう。
神の視点で見る読者にはそのいじらしさがわかる。最も残酷な人間は最も繊細な人間である。


久遠久の自分の価値観を持っているところも中々いいが、やはりこのラノベは幸徳秋良だろう。
描写のヤバさは随一で、それでいながらラブコメとしてきっちりなりたっている。
奇妙で様々な感情が産まれる作品。こういう小説こそ今後のライトノベル界隈を作り出すのだろう。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2014/12/26(金) 23:09:02|
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