ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

将棋第56期王位戦予選、フリークラスで引退間際の熊坂学五段が森内竜王に勝利

【熊坂】森内竜王倒したクマーは完全にド玄人75【学】 将棋板熊坂学スレ


マジでか。
あのクマーが竜王を倒すとは…… え?マジで?


正直このブログを見に来てる人でそんな将棋、プロの将棋に詳しい人も多くないだろうと思うので簡単に説明する。

まず、簡単に、プロの将棋棋士がどうなれば引退になるか、という辺りから説明しよう。
将棋のプロ棋士になるには、奨励会(正確に書くと新進棋士奨励会)という組織に入って勝ち上がっていくことから始まる。
まあ色々リーグがあって、勝ち上がるごとに段位が上がり、リーグも変わっていく。三段リーグでトップか二位に入ることで四段、プロ棋士となることができる。
3位二回でフリークラスに入れるとかフリークラス編入試験とかあるけどそっちは省略。

で、プロになると、プロ棋士の順位を決める順位戦においてC級2組に入れられる。このまま順調に勝ち上がっていけば、C1、B2、B1、A級となり、A級の総当たりで一番勝った棋士が名人に挑戦し、七番勝負で勝ち越せば名人という具合だが、負ければ落ちていく。段位は落ちないが順位は落ちていく。
C2クラスで負けに負けて降級点を3回分貰うとフリークラスに落とされる。

フリークラスでは順位戦に参加できず、編入後10年以内(あるいは満六十歳の誕生日を迎えた年度を過ぎるまで)に、以下の4つの条件のうちどれかを満たし、順位戦C級2組に復帰しなければ引退となる。

1.年間(4月から翌年3月まで)に「参加棋戦数[注 5]+8」勝以上、かつ勝率6割以上。
2.良いところ取りで、連続30局以上の勝率が6割5分以上(年度をまたいでも有効)[注 6]。
3.年間対局数が「(参加棋戦数+1)×3」局以上。
4.全棋士参加棋戦で優勝、またはタイトル(2001年 - 2006年の朝日オープン将棋選手権を含む)挑戦。

中々に厳しい条件で、フリークラスから復帰した棋士はいまだ5名のみである。それも、C級2組から降級して復帰した棋士はただ一人(伊藤博文とかいう某総理大臣と同姓同名の人)のみである。


で、本題。
ここで熊坂学5段について。
有名な負の逸話がある棋士である。Wikipediaより

引用
第30回(2001年度後期)三段リーグで、13勝5敗で大平武洋に次ぐ2位に入り、24歳で四段昇段。ちなみに三段リーグでは、当時中学3年生で後に永世竜王となる渡辺明と2度対戦し、いずれも勝利している。

しかしプロ入り後、順位戦では初参加の第61期(2002年度)から3期連続で降級点を喫し、順位戦の制度上最短記録・最年少記録(27歳)でフリークラスに陥落してしまった。ちなみに成績は第61期で2勝8敗(45人中43位)・第62期で3勝7敗(44人中37位)・第63期で2勝8敗(47人中44位)。B級2組以下の順位戦が1期あたり10戦に定着した第27期(1972年度)以降の、初参加期順位戦における最少勝数の記録も同時に作ってしまった[1]。

太字は原文ママ。
要するに、まあプロにはなれたのだが、プロの中では相当なヘボであるという話である。順位戦の形式に向いていないという話もあるが。

で、今年がフリークラス編入から十年目。今年度中に昇級しC級2段に戻らねば若くして引退ということになる。フリークラスの昇段規定でいつの間にか5段になっていた。
誰も復帰できるとは思っていない。いなかった。
しかし今年は妙に調子がいい。最近ではなんと6連勝している。これは熊坂学初の快挙。
で、NHK杯の棋戦は放送までわからない(最近まではわかる方法があったが)が、それを挟んで王位戦の予選第二回戦、相手はなんと森内竜王。

竜王。将棋の七つのタイトルの中でも最も賞金が高く、格も歴史ある名人戦と同等とされている。
森内竜王は永世名人資格を羽生名人(今何冠だっけ?)よりも先に得ている、羽生世代の強豪である。
特にこの竜王位は若手、と言っていいのかどうか微妙だが、羽生世代以降の大型棋士、渡辺明二冠(だよね今は)の9連覇からもぎ取ったもので、最近羽生名人に名人をとられるまでは「竜王名人」であった。

熊坂5段対森内竜王。対決することさえ稀なカード。
誰もが森内竜王の順当勝ちだと思っていただろうが、結果は、熊坂5段の大金星。大々金星である。

熊坂5段が連勝中(NHK杯はわからないが)で、引退が差し迫っており跡がなく背水の陣であり、森内竜王が金星を与えがちなところがあり、特にタイトル戦と捨てている棋戦では勝率に大きな差があり、あとなんか時差ボケだかで体調が悪いとかなんとか2chに書かれてあった、という諸々を差し引いても大快挙である。


これは、このまま復帰してしまうのではないか?そういう甘い思いすら出てきてしまう。
クマースレの皮算用によると、

引用
19 名前:名無し名人[sage] 投稿日:2014/10/22(水) 20:27:59.16 ID:LIRDn9d8 [16/18]
~ クマースレ有志による皮算用 ~

現在   10勝4敗 (いいとこどり13勝4敗)

NHK杯 0勝1敗(畠山鎮に負け)
朝日杯 0勝1敗(塚田か戸辺に負け)
王位戦 0勝1敗(佐藤慎に負けても)
王座戦 1勝1敗(千葉に勝ち)
棋王戦 1勝1敗
王将戦 1勝1敗
竜王戦 3勝0敗(6組で無双、年度内は3戦が限度)
NHK杯 2勝1敗

合計 18勝11敗 .621
17勝以上 且つ 勝率6割以上 を満たすので昇級

20 名前:名無し名人[sage] 投稿日:2014/10/22(水) 20:29:03.06 ID:LIRDn9d8 [17/18]
■最近の成績 10月22日対局分まで(未放映のテレビ対局を除く)
2013年度:●●●●■○●●●●○○○ 2014年度:○●●○●○●○○○○○○○(10勝4敗)

■昇級の条件 3月31日までに達成できなければ引退決定
1.今年度成績が17勝以上かつ勝率6割以上(17勝なら11敗以下、18勝なら12敗以下、…)
2.良い所取りで30局以上の勝率が6割5分以上
3.今年度の対局数が30局以上
4.全棋士参加棋戦優勝、タイトル戦挑戦
http://www.shogi.or.jp/kisen/junni/kitei.html#free

・NHK杯優勝、朝日杯優勝                   [条件4]を満たす
・これから3敗する前に6勝 または 7敗する前に7勝     [条件2]を満たす
・今年度成績が18勝以上.      (残り8勝以上)     [条件1か条件3]を満たす
・今年度成績が17勝かつ12敗以外(残り7勝かつ8敗以外)[条件1か条件3]を満たす
・今年度成績が16勝以下で[条件3]を満たすには敗戦数の都合で王位戦挑決リーグ入りが必要

■3月31日までの対局予定
NHK杯 本戦2回戦     vs畠山  鎮七段 11月23日(日)放送 解説:中川大輔八段(熊坂と同郷の仙台市出身)
朝日杯 一次予選決勝.  vs塚田か戸辺   ※勝てば二次予選へ
王位戦 予選3回戦     vs佐藤慎一四段
王座戦 一次予選3回戦 vs千葉幸生六段
竜王戦(6組) 12月~  棋王戦 12月~  王将戦 1月~  次期NHK杯 2月~

    優勝(順位戦復帰)      挑決リーグへ       二次予選へ      10月22日(水)
        ┌―┴――┐       ┌―┴―┐         ┌┴―┐       ○熊坂-森内竜王● 王位戦予選
    ┌―┴―┐NHK|     ┌┤ 王位 ├┐     ┌┤王座├┐     現役タイトル保持者に131手で勝利!
  ┌┤    ┌┴┐  |   ┌┤├┐  ┌┤├┐ ┌┤├┐┌┤├┐
┌┤├┐┌┤  ├┐| ┌┤||├┐|||| |||||||├┐
||||||┌┤|| |||||||||| |||||||||
大佐藤行金谷畠熊橋羽 丸松真吉中戸佐先佐熊 熊千堀佐門三岡中上
石々井方井川山坂本生 山本田田座辺々崎藤坂 坂葉口藤倉枚崎尾村
  勇        鎮★  等             勇  慎★ ★  一和  堂

うーむ、期待していいのか?いやダメだろう。奇跡も確変も長くは続かないだろう。
しかし、興奮させるコンテンツになっているのは確かである。

プロ棋士とは強ければいいのか。それは是である。
しかし、プロ棋士が何で儲けているかというと、その棋戦を見ている将棋ファン達を興奮させてくれるからだ。
だからこそ、昇降級の懸かった対局なんかはみんな見たがる。
ましてや引退が懸かった棋士の運命などは、非常に面白いものである。

その意味で、熊坂学は今「プロ棋士として大活躍」している。奇跡も奇跡、最底辺が頂点を破る金星を見せてくれただけでプロの将棋界を知る者達は驚きと感動、あるいは困惑、なんにせよ強い感情に包まれている。凄まじいことである。
熊坂学5段の今後にも注目していきたい。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2014/10/22(水) 23:58:51|
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