ネット世代の雑評論

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東方要素の追加された変愚蛮怒、「変愚蛮怒勝手版」をやってみた

変愚蛮怒の勝手版


一昨日、制作のしおりを読んでいると……

制作のしおり(ラスティカレスケット) 主に東方関係要素色々追加されたband系ローグライクゲームのバリアント「変愚蛮怒勝手版」を公開!

グワーッ!ヤメロー!ヤメロー!
変愚蛮怒に東方要素追加とかどれだけ時間が盗まれるかわかったもんじゃない!
しかも、まだまだ途中とはいえ完成度すっげー高いし!
ただでさえ変愚蛮怒クッソむずい上にすっげー面白いから困る。



まず歴史の話からいこう。
1980年、ローグライクゲームの始祖、ローグがアメリカの研究室で作られた。コンピューターRPGとしても黎明期(よく言われるローグやウルティマ、ウィザードリィが初のコンピューターRPGだというのは間違いであるが)であるが高度なゲーム性を持ち高い人気を博した。

で、そっから色々派生が生まれた。
正当進化として有名なのはNetHackか。運命の大迷宮に潜って地獄・ゲヘナの最下層でイェンダーの魔除けを手に入れてそっから昇りまくって神に捧げて昇天するみたいなそんなゲーム。
そこからまた派生したのでSlashとか色々あった。

で、もう一つのローグライクの系譜として有名なのがMoriaからAngbandにつながる血統である。
RPGは、古くはD&Dから指輪物語に影響されたファンタジー世界観を持つモノが多い(D&Dは指輪物語からさらに派生したのが元ネタだったりするとかビオラインリードの人が書いてた気もするが)。Moriaは言うまでもなく指輪物語で旅の仲間こと主人公一派が苦戦した元ドワーフの鉱山であるモリア鉱山を舞台としている。Angbandはたしか指輪物語の前日譚というかまあ世界の過去の話とか書いたシルマリルリオンだったかで出てきたすっげー魔王のこもるダンジョンの名前からタイトルを取っていて、ゲーム中で潜るべきダンジョンはそこである。

Angbandはソースがきれいという話で、様々な派生、ヴァリアントが作られた。
なかでも有名なのがZangbandであろうか。いやどれが有名だとか言える知識はないが、ともかくZangbandについて語る。
Zangband。最初につけられたZはロジャー・ゼラズニイのZである。SFやファンタジーの作家で、そういうのに詳しい人には有名だが、一般的な知名度はやや劣るか。冒険小説とかそういうのを得意としているせいか、RPGで使える設定は多く、Zangbandでは作者の有名なアンバーシリーズを中心にAngbandから大きく要素が追加されている。アンバーの九王子におベロン、混沌のサーペント。アンバーシリーズは和訳されてるのがコーウィンが主人公の一部まで、二部翻訳されないかなあ。
ちなみに、Zangbandからクトゥルフ神話系モンスターなんかもバリバリ追加されている。クトゥルフ神話の絶望的な雰囲気をそのまま持ってきたような凶悪なモンスターばかりでなかなか楽しい。

で、そこから日本で作られた派生が変愚蛮怒である。凄い当て字だが、Hengbandということらしい。
ガチャピンなどを初めとしたパロディやらなんやらとか広域マップの追加、ウインドウメニューなど色々改変されていて、一時期の日本のフリーテキストベースローグライクといえばこれという感じだった。
変愚蛮怒は最近になってまた更新がされて来てるはずだがどうなのだろう。

で、今回紹介するのがそこに東方要素を加えた、変愚蛮怒勝手版というわけだ。
中々更新も活発のようでこれからに期待できるバリアントである。


まず、私はまだ全然遊びつくしていない。というかそんなことをしていたら日が暮れる。テキストベースのローグライクはグラフィックこそそぎ落とされているが、いやそれが故というべきか非常にゲーム性が高く、ボリューム豊富である。
いかさまモードで最初のダンジョンの最下層まで潜って、近隣の町などを訪ねたりしたぐらいである。

しかしある程度は楽しめたと思うのでレビューを少し書く。

まず、大きな特徴に、キャラ作成時に東方プロジェクトのキャラを選択できるという点である。
まだまだ未実装なキャラの方が多いが、結構いる、私は少名針妙丸を選んだが、打ち出の小づち能力など結構楽しい。
別にキャラから選ばなくても職業を選んだりもできる。幻想郷の外の人ということもできる。
キャラメイクにはかなりの熱情が見て取れる。変愚蛮怒もそうだが、この時点で遊びつくすのに年単位の時間が必要なのだろうなあと感じる。やれることが多すぎるのだ。

で、まあ実際のプレイだが、変愚蛮怒風のコマンドウインドウが何故か廃止されている?のがすぐわかる。
アレのあるなしで取っ付きやすさがだいぶ変わるのだが。もちろん熟練者ならばキーボード操作のが早いに決まってはいるのだが、グラフィックの無いローグライクにおいて取っ付きやすさというのは非常に重要な問題だ。
というかアレを廃止する理由もわからないのだが、いろいろ面倒だったのだろうか。一々コマンドを思い出すのに「?」とか打ってヘルプ出してkとかbとか押してコマンドを見なければならない。しかもヘルプの改変にまで手を付けている気がしないので困る。

そして我が家とかが開始直後は無くて持ち帰ったアイテムとか補完しとけないのもややアレ。
変愚蛮怒でいうところのイーク窟に当たる初心者ダンジョンが開始MAPではなく広域MAPにでてちょっと行った命蓮寺にあるのもやや面倒か。band初心者がやるということをあまり考慮していない感がある。
まあ変更点テキストに書いてるんだが。

しかし、東方の再現としては非常によくできている。広域MAPは幻想郷そのもので人里から永遠亭、ダンジョンも色々そろっているし、ユニークも東方キャラが出てくるのは当然として、ほとんどモブなキャラも出てくる。
最近追加されたモンスターにハシビロコウとかあったが、あれは心綺楼の対戦ステージ地霊殿の背景にいたか。そんなのまで網羅するとは。

スコアが常に表示される、「死んだ」という表現を消し去っている(死体すら出ない)など細かい点も丁寧だ。
他にも数えきれないぐらいの東方要素が入っているのがプレイし、更新履歴何かを見るとわかる。

しかし東方要素だけでなく、ローグライクとしての、変愚蛮怒としての変化点も膨大なようだ。
アンバーの九王子やクトゥルー神話系モンスターをこれ以上強化するって何を考えているのか。
ゲームバランスはしっかり保つよう努力している。

これらから作者がかなりのローグライク(*bandファン)であり、東方ファンであることが見て取れる。
そしてフリーゲームというのは東方にあっているし、このゲームは非常によくできており、これからにも期待できる。




しかし変愚蛮怒のような面白すぎるフリーゲームがあると何事も手につかないんだよねえ。
商業のゲームも買う気が失せる。たしかに変愚蛮怒には音楽も無ければグラフィックもまさに必要最小限だ。しかし有り余るゲームとしての面白さが我々に何千時間も遊ばせるのだ。


そういえば私は変愚蛮怒からゼラズニイや、ひょっとするとクトゥルフ神話にも興味を持ったんだよなあ。
文化は血管のように枝分かれし、その根元には心臓があり、胎盤がある。胎盤の血管は母親につながる。文化はそれ自体で生きているのだ。そしてそのルーツは隠せない痕跡を持つ。
ゲームという文化はそれこそなんでもありだからなんにでも繋がっていくのだろう。
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テーマ:東方 - ジャンル:サブカル

  1. 2014/08/31(日) 02:26:08|
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