ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

Wikipedia探訪「中国の不思議な役人」

中国の不思議な役人 - Wikipedia

「中国の不思議な役人」とは20世紀初頭にハンガリーで書かれた、「1幕のパントマイムのための舞台音楽」である。
まあ無調音楽の走りだったりとかそういう面白いところもあるが、その内容、台本の狂気じみたところがおもしろかったので紹介する。
いやまあ、冒頭のWikipedia記事よみゃいいだけの話だが、簡単に説明する。

ごく簡単にあらすじを書くと、
三人の悪党がが金が無いので少女に通行人を誘惑させて誘き寄せる。
一人目の紳士は金よりも愛と説くが少女に拒絶されて、追い回したのちに悪党に放り出される。
二人目の少年は金が無いが不憫に思った少女がワルツを踊る。悪党に放り出される。
三人目の、金持ちそうな、しかし不気味な中国の役人は、部屋に誘われた後、少女を凝視する。少女は踊りはじめ、やがて踊りはエロティックなものになる。役人は膝から崩れ落ち、少女を抱擁しようとするが少女は逃げ出し追いかけっこになる。
役人が少女を捕まえたところで悪党たちが出てきて役人の身ぐるみを剥いで圧殺しようとするが、役人は生きており少女を凝視している。
悪党の一人が錆びたナイフで役人の腹を数度刺すがまだ生きており恍惚と少女を見据えている。
悪党たちはシャンデリアに役人をその辮髪で吊るして絞首刑にするが、役人の体は青白く光り出す。三人の悪党たちと少女はおののきながらそれを見つめる。
少女は役人を下すように悪党たちに頼む。悪党がその辮髪を切ると、役人は床に崩れ落ちた後に少女に向かう。少女は抵抗せず抱擁を受け入れる。役人は満足した後うめき声をあげ、血が流れ始め、やがて死ぬ。


いやあ。Wikipediaの解説読んだだけだが、こういうの好きだわ。
まず20世紀初頭のハンガリー人は中国人をなんだと思っているのか。
善悪のテーマが無くただ愛のテーマを貫いているのも楽しい。
そして、倒錯しているとしか思えない性愛表現も愛というテーマの中で光っている。
特に題名となっている中国の役人の神秘性、どういう意味を含んでいるかを考えさせるのも面白い。
Wikipediaの解説が不十分なのかもしれないが、三人の悪党と少女の関係など不明瞭な点が多いのも嫌いじゃない。
役人自体も、mandarin、中国清朝の上級官吏の事だが、欧米ではしばしば宦官、去勢されて使える官吏を指す。宦官かそうでないかは明らかにされていないようだが、そのどちらかによって最後の解釈が異なるというのも、考えさせられて良い。



古くて、一般人が知らないような作品も、中々驚嘆すべきものが眠っていたりするものである。
ただ、Wikipediaの項目を読んだだけだが、楽しかった。アイディアというものは価値あるものである。
歴史には、過去には、その中で必死に生きた人間がいるのだ。技術や蓄積、環境は違えど、同じ人間がいる。これを忘れることは多いものだ。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2014/02/09(日) 06:10:39|
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