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Wikipedia探訪「最も多く翻訳された著作物の一覧」

最も多く翻訳された著作物の一覧 - Wikipedia
ベストセラー本の一覧 - Wikipedia

ほう。歴史的意味合いを計るという意味で著作物、書籍の翻訳数で見るという発想は面白い。

まあ聖書が一番多いのは、流石と言ったところか。古代言語で書かれたものも多いので突出した量。多く数える(一つの書だけでも数えるなら)と2798言語とどうかしている。少なく数えても518言語。新約聖書のみなら1275言語。うむ。流石「The book」と呼ばれるだけはある。
アイヌ語版とかもあるらしい。

2位はエホバの証人の聖書解説本。2005年発行で244言語。
エホバの証人と言うとアメリカで生まれたキリスト教系の新宗教ね。聖書無謬説で有名。
とりあえず使われてる言語全てで書いてみたという所だろうか?しかし解説本で2位というのはキリスト教のミームを伝えるモノとしての聖書、書籍というのは大きいのだと思う。

3位は星の王子様で216言語。流石である。小説で最高。ちなみに原語はフランス語。児童文学で平易な文体で書かれているのも翻訳数の多さに関係あるのかな?知らんけど。
児童文学っつっても大人にも読めるのが良いよね。良い児童文学は大人が読んでもいいものだ。

4位はまたエホバの証人のものみの塔。月二回発行の機関誌らしい。そういうのが213言語っていうのも凄い話。

5位は天路歴程…… 知らん人も多いだろう。私も名前に聞き覚えがあるぐらいだったのでWikipediaのページを読むと、プロテスタントの寓意物語らしい。発行は1678年と結構古い。200言語。

引用
"City of Destruction"(「破滅の町」)に住んでいたChristian(クリスチャン 基督者)という男が、「虚栄の市」や破壊者アポルオンとの死闘など様々な困難な通り抜けて、「天の都」にたどり着くまでの旅の記録の体裁をとっている。

この旅はキリスト者が人生において経験する葛藤や苦難、そして理想的なキリスト者の姿へと近づいていくその過程を寓意したものであり、登場人物や場所の名前、性質などは、それらのキリスト教的な人生観・世界観に基づくものになっている。

らしい。
キリスト教多いな。この世界が、大航海時代からキリスト教国主体で回ってきたというだけか?

6位はアンデルセン童話。153言語でデンマーク語。童話も強いなあ。
アンデルセン童話は古くから伝わってきたモノじゃなく創作童話だっけ?

7位は海底二万里。ジュール・ヴェルヌ、SFの父(の片割れ)。フランス語である。147言語、やはりSFは小説の華なのだなあと贔屓目にみたいが、実際どうなのだろう。潜水艦を予言したことでも有名。1870年。

8位は、えーと「今日をどう生きるか―キリストへの道」?なんだこりゃ。著者はプロテスタントの一派でキリストの再臨を待ち望むセブンスデー・アドベンチスト教会の創立において指導者的役割をした預言者エレン・グールド・ホワイト?135言語以上だとかなんとか。
キリスト教聖書好きね。特にプロテスタントはそうなのか?ルターの影響なのかな。

9位はまたエホバの証人の新世界訳聖書。旧約も含めて全訳だと61言語、新薬部分なら121言語。
まあ要するにエホバの証人やってる人向けの聖書らしい。

10位、アステリックスの冒険。フランス語。古代ローマのガリアを舞台としたコミックで1950年から2010年までやってたとか。ここでコミック。ほう。
しかしキリスト教関係なければフランス語多いな。流石芸術の国と言ったところ?112言語。

11位はピノッキオの冒険。イタリア語。児童文学である。内容はまあ皆大体知ってるよね。政治風刺とかも入ってるとか。100言語。

12位は、またしてもエホバの証人系。「目ざめよ!」とかいう機関誌。99言語。昔は月二回発行してたらしいが今は月刊誌らしい。

13位は、おお「不思議の国のアリス」か。イギリスの童話。数学者が書いた。奇妙奇天烈でナンセンスな言葉遊びばかりで当時の教訓詩やパロディまみれ。まあ実際面白いんだが、翻訳向きではない気もヒシヒシするのだが、なんだかんだで97言語。概ね上手く訳せてない部分も多い気がする。だからこそ新しい価値が生まれたり、翻訳者の腕の見せ所だったりもするわけだが。

14位はタンタンの冒険。菜はよく聞くが内容はあまり知らんなあ。Wikipediaの記事を見る限りたのしげだが。バンド・デシネ、フランス漫画である。作者はベルギー人だが。
フランス語の文化力が感じられるなあ。

15位は、ああまたキリスト教の?「キリストに倣いて」。発行1418年でラテン語が原語という由緒正しき本。

16位、またキリスト教系か多いな。モルモン書。モルモン教徒の聖典。

17位、しあわせへの道…… サイエントロジーかよ!また宗教。
70言語以上とか。

18位はアルケミスト - 夢を旅した少年。ブラジルで書かれたベストセラー小説。ブラジルなのでポルトガル語。1988年発行。67言語。
私は読んだことは無いが中々面白そうである。ジャンルとしてはファンタジーに入る。スペインの羊飼いの少年の冒険の話。題名通りアルケミスト、錬金術師も出てくる。

18位タイにハリー・ポッターシリーズ。みんな知ってるよね。まあ真のベストセラー小説なら現代では67言語ぐらいが適正なのかな?
あまり細かい分類名は知らんがファンタジーのエブリデイマジックに入るのかな?イギリスの古い学園らしい描写も楽しいところ。
映画も好評だった。

20位はハックルベリー・フィンの冒険。アメリカ文学の金字塔、というかそれ以上の作品。65言語。
社会性も強く持っており、実際名作。人種差別だの宗教だのアメリカらしい話題も。

21位は長くつ下のピッピ?全然知らんがスウェーデンの童話らしい。スウェーデン語が原語。

22位はフィンランドのカレワラ。原語はもちろんフィンランド語。民族叙事詩、フィンランドの民族の伝承や神話の類で、19世紀に編纂されたものが61言語に翻訳されてるとか。
フィンランド人の民族意識を刺激してロシア帝国からの独立を導いたとかなんとか。
フィンランド神話も面白いよね。最高神ウッコは北欧神話のトールとかと起源が同じだとか。

23位、トルコのわたしの名は紅、イギリスのシャーロック・ホームズシリーズ、オランダ語のアンネの日記?60言語。
トルコの奴全然名前聞いたことねえなあ。ホームズ、ミステリーの王。アンネの日記はまあ実際日記なのかな読んだことねえけど。ナチスドイツからの迫害の話だよね?

26位チェコ語『兵士シュヴェイクの冒険』、27位ノルウェー語『ソフィーの世界』(哲学入門書的なファンタジー小説らしい、1991年)。

で、28位はイスラム教の聖典クルアーン。原語は古代アラビア語である。50言語に全訳されている。コーランと訳される場合もあるか。「読まれるもの」という意味らしい。

28位タイにクォ・ヴァディス。ポーランドが原語でネロ治世下のローマを描く歴史小説。キリスト教の迫害とかも。題名はアレか、ペトロの。

30位にアフリカの『崩れゆく絆―アフリカの悲劇的叙事詩』(英語原語)。

31位ハイジ(スイス、ドイツ語)、32位ドン・キホーテ(スペイン)、33位『サン・ミケーレ物語』(スウェーデン、英語)。
ハイジとドンキホーテはあまりにも有名か。

34位はカミュの異邦人。フランス文学の傑作。ノーベル文学賞だね。いやノーベル文学賞は人に与えられるもので小説は小説だが。

35位はアメリカの幼児向け絵本、はらぺこあおむし。ああ、ブッシュJr大統領が子供の頃読んだとか言ってたけど出版時大学生だったと言うので有名な。

36位ダ・ヴィンチ・コード。44言語。流石。これもなんやかんやでキリスト教関係してたような。

37位ムーミン。スウェーデンの小説及びコミックス。

38位君のためなら千回でも。原語は英語だがアフガニスタン出身の作家が書いている。

38位タイにグレーチ・ギャツビー。これもアメリカ文学の古典、金字塔か。

40位にいわゆるミッフィーの絵本など。原語であるオランダ語ではナインチェ・プラウスと呼ばれる。

トールキンのホビットの冒険も40位。40言語。

ここから下はインドのタミル文学ティルックラルやらアルバニア語の『死者の軍隊の将軍』、カタルーニャ語の『冷たい肌』などマイナーな言語も増えてくる。

日本語で一番多いのは村上春樹のノルウェイの森。36言語で赤毛のアン(英語、カナダ)とタイ。
二番目は黒柳哲子の窓ぎわのトットちゃん。35言語らしい。
三番目は源氏物語。紫式部のアレね。30言語。




宗教と童話は当たるとデカいんだなあ…… いやそういう話じゃなくて。

こうして見ていくと、当たり前だが英語が強く、その次のフランス語が強い。北欧も頑張っている印象。まあラテン語系は英語に訳しやすいから、言語的なモノも大きいのだろうが。言語に付随する文化もあるし。
宗教を除けば童話など子供向けの物が多い。
もちろん古典も多いが、新しい作品で上位に入っているのは真の名作といえるか?まあ、翻訳したいからしたという類も多いが。

まあ、あくまでぼんやりとした指標ではあるが、なんとなく考えさせるところも多い。
順位がすなわち何かを表すものではないが、何か複合的な理由があってこその翻訳の量と言う事だろう。
たくさん翻訳すればいいというものではないが、少なくともアクセスできる人は増える訳だ。翻訳するだけの価値があると誰かに考えられているからこそ翻訳される。

言語の壁を乗り越える書籍。それは強力な文化遺伝子、ミームを持っているという訳である。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2014/01/26(日) 12:09:57|
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