ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

別役実のエッセイ集の色々について紹介

別役実 - Wikipedia
Dの嘘【d-uso.to】
Dの嘘/嘘書籍探訪
Kyoko Shimbun News(虚構新聞社)
Uncyclopedia
別役実について
【無所可用】高度なほら話の世界へどうぞ~別役実のエッセイのおはなし~ - ライブドアニュース


別役実。このブログを読んでいる人でも知らないという人が多いのではないか。
Wikipediaから引用すると、

引用
別役 実(べっちゃく みのる、べつやく みのる 1937年4月6日 - )は、劇作家、童話作家、評論家、随筆家である。名の正式な表記は實。サミュエル・ベケットの影響を受け、日本の不条理演劇を確立した第一人者である。日本藝術院会員。

一番通りの良い肩書は劇作家なのだが、このブログで演劇について書いた記憶は全くない。
当然私も演劇についてはほとんど知らない。別役実先生の演劇の本も(概ね高いので)買って読んだことは無い。

別役実と言う名について聞いたことがある、見覚えがある、しかし思い出せないという人の中には、センター試験での作家という経歴に関係する記憶がそうさせるのだろうか。
センター試験で見たのかもしれないし(一応著者名もあったはず、見る余裕はないが)、過去問とか予想問題集で見たのかもしれないし、著作権法延長に対する反対の立場から過去問掲載を認めなかったという話で(確か新聞記事には載ってたので)見たのかもしれない。

センター試験の作家というと、つまり国語、現代文であるが、この場合小説ではなく評論である。
平成18年第一問 別役実 「言葉への戦術」。現在センター試験過去問で見ることは難しいか。
芸術論といったところだろうか。劇作だけではなくこういう言葉に関する評論というのがたまにある。
やはり演劇や童話を書いていく中で培われてきたものがあり、それを本にしているということなのだろう。

ここまで読んで、かなり固い人物なんだなと思われた人もいるだろうが、ならばエッセイはどうなのか。
これが非常に面白い。


私がこの作家の名を知ったのは、古参の嘘サイトDの嘘書籍紹介である。
Dの嘘というと、2ch辺りだと「なぜナポリタンは赤いのだろうか」コピペの発祥地として知っている人もいるかもしれない。
完全にありえない話を書きつのるサイトで、今では更新していないがかなり好きなサイトだった。
ほとんどの内容が嘘ネタ・ほら話であり、その中で嘘書籍探訪と言うコーナーがあるのでそれも嘘なのかと安心して読んでいると、それは嘘に関する書籍のレビュー記事であったという訳である。ちなみに読書の日々というのはやはり嘘コンテンツである。

という訳で、別役実のエッセイ、特に虫づくしからのそれは今の嘘サイト、Dの嘘から虚構新聞、アンサイクロペディアなどに通じる面白い嘘を書いたものであるのだ。

虫づくし
けものづくし 真説・動物学大系
鳥づくし 続真説・動物学大系
道具づくし
当世・商売往来
魚づくし 続々真説・動物学大系
別役実の当世病気道楽
日々の暮し方
当世悪魔の辞典
現代犯罪図鑑
当世もののけ生態学 「もののけづくし」
別役実の人体カタログ
満ち足りた人生
さんずいづくし
さんずいあそび

とりあえず読んだのはこんなところか。童話とかもちょっと読んでるが。
正直全部の感想書いていくのは大変なのでよしておくが、やはり虫づくしが一番ヤバくて笑える。特にその序論みたいなのが訳が分からない虚構に包まれていて楽しい。
づくしシリーズは大体面白いが、商売往来や病気道楽、日々の暮し方、人体カタログ、満ち足りた人生なども同じ面白さがある。
さんずいあそびはさんずいづくしの続編。基本的に後半のエッセイほど嘘やデタラメは少なくなり(あるが)、言葉に関する創造や妄想、こじ付けなどが多くなる。それもまた見る価値がある。
犯罪図鑑は絵付きで、また変わった、馬鹿馬鹿しい面白さがある。犯罪の力学がどうとかこうとか。

で、嘘やデタラメだらけなのだが、そんな中でも作者の考え、思想と言うものが滲み出てくる。
文章や言葉に対する真摯さや、権力に対する反発といったもの、他にもこまごまとした主張が含まれる。
奇妙な論理や馬鹿馬鹿しいほら話の中でそういうのを混ぜると訳が分からない気もするが、意外と腑に落ちる場合もある。

フィクションというものは、本質的に嘘である。
その中で何を書くか、そういったことの大切さが感じられる。
SFというものは、まあ色々あるが、例えばその未来世界が現代のしがらみなんかを表現していたりする。
フィクションだからといって、だからこそ含めるテーマ性や作者の信念というものもあるのだ。


こうしてエッセイを読んでいるだけでもやはり別役実先生は偉大だと感じ取れるのだ。
もちろん単純に読んで面白い、爆笑できるから読んでいられるともいえるが。
スポンサーサイト

テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2013/12/30(月) 05:26:15|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0
<<Wikipediaの要出典厨 | ホーム | 十二月に買った本の感想と一月に買う本の紹介>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tateito1.blog48.fc2.com/tb.php/1529-ab7d34a4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)