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インターネット探訪「カラシニコフ AK-47」

こんなニュースにでくわした カラシニコフについてあまり知られていない20のこと 海外の反応 アフィブログ注意。
AK-47 - Wikipedia
アサルトライフル - Wikipedia
小銃 - Wikipedia
歩兵 - Wikipedia
ミハイル・カラシニコフ - Wikipedia
7.62x39mm弾 - Wikipedia
火縄銃 - Wikipedia
バトルライフル - Wikipedia
エスコペターラ - Wikipedia


AK-47。世界一有名なアサルトライフルである。いや、世界一有名で、世界一人を殺した、世界一使われているアサルトライフル、銃、兵器、殺人機器……あるいは工業製品と言う枠でもそうかもしれない。そこまでは知らないが。

銃の形や弾の大きさとかそういうのは用途によって変わるものである。
拳銃は小型軽量なので主に護身用に、でかい機関銃は軍隊で組織運用されるものである。サブマシンガンは拳銃弾を連射する銃だが、これは室内など閉鎖空間での用途が主となる。
で、所謂小銃、ライフルというのは軍隊、歩兵の基本装備となっている。
そして歩兵と言うのは軍隊の基本である。

小銃と言うのはまあライフルの訳語であるが、ライフルは銃身に螺旋状の溝、旋条(ライフリング)がある銃の事を指す言葉で、定義上ややズレがある。例えば戦国時代に使われた火縄銃は小銃だが旋条がないのでライフルではない。蛇足だがスイカはフルーツだが野菜であり、ベジタブルではなく果実でもない。
要するに肩撃ち銃と言う話だが、火縄銃なんかは日本では和弓の撃ち方から派生して肩付けではなく頬付けにしてたりするのでややこしい。まあ個人で運用する銃?拳銃よりでかい個人用の銃?「普通の」銃といってしまってもいいかもしれない。

余談だが、昔の銃というのは、火縄銃でもそうだが撃ってから二発目を撃つまでの間隔が長く、撃った後にハルバードでも持った騎兵などに狙われると弱いという弱点があった。そのため、例えば日本では柵作って集団運用でついでに長柄槍を持った兵士で守らせたりしたり、欧米ではパイクとかいう槍で銃手を護らせたりしていた訳だが、その弱点は銃剣の発明によって払拭された。近距離での戦闘力も併せ持った銃兵が歩兵そのものとなったのはこういう理由である。銃は銃剣により長柄武器、槍にもなりうるのだ。
現代では近距離でも連射されるライフルには他のどんな手持ち武器でも勝てない訳だが、しかし今でもほとんどの小銃には銃剣が付けられる。死体の確認などわざわざ弾を撃つのがもったいない場合や、銃剣を取り外してナイフにしたり、銃剣にワイヤーカッターやらくぎ抜きといったこともできるようにしたり、見た目に威圧的なのでその効果もあったり、実際に銃剣突撃が有効な場合も無くは無い。

で、アサルトライフルとは、まあ現代においてはこれも言ってしまえば「普通の」小銃ということになってしまいかねない(Wikipediaによると“現代の軍隊ではアサルトライフルが最も一般的な銃器”)が、日本語訳すると突撃銃、意味合いとしては自動小銃という事になる。
アサルトライフル以前の、単射での狙撃を目的としたフルサイズの銃弾は連射すると反動が大きすぎるし銃自体も重くなり扱いづらい。しかしサブマシンガンでは拳銃弾なので威力が弱すぎる。そこでその中間の大きさの銃弾を使う銃が生まれた。それがアサルトライフルである。
なお、フルサイズの銃弾を連射する小銃はバトルライフルと呼ばれる。

そういうコンセプトの武器はより遡ることも可能だが、第二次大戦時のナチスドイツが用いたStG44が現代のアサルトライフルの原型とされる。
指導者であるヒトラーは最初この武器に対して難色を示していたが、現場の兵士からは好評だったので本格的な生産に移行したとか。
フルサイズの銃弾は遠くまで安定して飛ぶが、現代の歩兵戦では市街地や森林などで行われ、概ね300m以内の射程で行われるので、アサルトライフルはその点で必要十分だったという訳だ。

そして、第二次大戦後すぐのソビエト連邦(今のロシア)で、拘留したStG44の制作者と、当時新進気鋭の技術者であったミハイル・カラシニコフにより開発されたのがAK-47である。1947年式カラシニコフ自動小銃だから略して(俗略?)カラシニコフとも呼ばれる。
ちなみに、StG44からは設計思想のみを引き継ぎ、内部の機械構造はM1カービンを参考にしたとか。
カービン銃とは元々騎兵銃のことで、その名の通り、馬に騎乗した騎兵が撃つための大きさの銃ということで現代でも小型の小銃(文字で書くと何か違和感があるが)の事をカービン銃という。

1941年、アメリカ軍は「下級将校や後方要員の自衛火器」という位置づけで、拳銃弾以上小銃弾未満の威力と射程を備えた新型弾薬.30カービン弾を使う小型自動小銃をM1カービンという呼称で採用した。

そう考えると、AK-47はソ連、ドイツ、アメリカの三カ国のDNAが入っているとも言える。

アサルトライフルは第二次大戦後の西欧諸国ではすぐには使われなかった。有効性が十分に認識されていなかったみたいだし、採用された弾薬にアサルトライフルで使うものが無かったという事も大きい。
それが露わになったのがベトナム戦争…… というとわかりやすいのだが、実際はもう少し複雑である。
まあなんにせよ、北ベトナム側がアサルトライフルAK-47を用いたのに対し、アメリカ軍はバトルライフルM14を当初使っていたが、どうにもこうにも不利であったのでアサルトライフルであるM16に置き換えられたという話はある。まあM16もなんだかんだで不評だったわけだが。

AK-47は初期のアサルトライフルだというだけでなく、様々な特徴と逸話がある。
扱いが乱暴でも確実に動作し、軍隊ではない子供や女性、教育を受けていない者数時間から数日の学習でも扱え、また極寒地、砂漠、ベトナムのジャングルでも問題なく動作し、内部に泥や砂が入っても水洗いすれば大丈夫、整備も容易に行えるし製造自体も比較的簡単だという。
弱点としてはそのような部品の柔軟性により組み合わせがタイトで無く、弾丸の拡散率、要するに命中率は高くない。しかし軍隊など集団で使う場合命中率はそこまで重要ではないという説もある。

AK-47はその信頼性などの理由により、多くの国で採用された。いや、採用され続けている。そして、そこらかしらで製造され続けている。
まずいわゆる東側諸国、ソ連を中心とした共産国家群のほとんどで採用された。チェコスロバキアでは違う銃が採用されたが、用いる弾丸は同じものである。
そして民族自決や革命のために用いられた銃でもある。モザンビークの国旗にはなんとAK-47が描かれている。ジンバブエや東ティモールの国章にも描かれている。古代において剣が力の象徴だったのと同様に、現代においては小銃、特にAK-47がそうであるということか。戦友であり、自主独立の象徴であるらしい。

そして、余りにも使われるがゆえに、殺す人間の数も多い。
前述したとおり教育を受けていない子供でも扱えるため少年兵が増えたり、模造品により武器はさらに拡散しているとか、負の面は、もちろん兵器なので無い訳は無いのだが、大きすぎる。もっともAK-47がなければ他の銃を使うだけのような気もするが。

他にも、この銃を特別たらしめ、特別であるからこそ有り得る逸話は多い。
一々語ってもキリが無いが、冒頭のアフィブログに載って無かった話では、使用する弾薬である7.62x39mm弾は過剰な需要のためか、元々安い構造なのか、アメリカ市場において最も安いライフル弾であるらしい。安い時(2006年初頭ぐらいまで)は一発10セントだったとか。


ここまで象徴的なものとなった大量生産品も珍しい、というかないのではないか。
近年では反戦運動の一環としてライフルをギターにするエスコペターラと言うものが作られていたりする。なるほど大きさとしては似通っていて、兵器を楽器に転用と言うアイデアも秀逸と言えばそうなのかもしれない。
反戦運動としてエスコペターラを寄贈しているらしいが、チベット仏教の指導者ダライ・ラマに送ったら拒絶されたらしい。そりゃややっこしいものだし、戦争と言うものに対してリアルな感情を持っている人物だし致し方ないという感じではある。
そして、エスコペターラの制作にも無可動実銃に改造されたAK-47が用いられたらしい。



AK-47は、兵器と言う以上に象徴というところにすらなっている。
功罪どちらも大きい。しかし実際問題銃を撃つのは人で、銃自体には正義も悪も無いという全米ライフル協会の考えに賛同するとかそういうことが言いたい訳ではないが、銃が悪であったとしても人を殺した責任は誘惑された人間にある。
AK-47の制作者ミハイル・カラシニコフは2013年12月23日に亡くなった。真に偉大な技術者、デザイナーであった。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2013/12/26(木) 04:14:12|
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