ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「魔法少女・オブ・ジ・エンド」3巻まで読んだので感想

魔法少女・オブ・ジ・エンド - Wikipedia
ネット世代の雑評論 「魔法少女」。その特異性。
ゾンビ - Wikipedia
ゾンビによる世界の終末 - Wikipedia


別冊少年チャンピオンというややマイナーな雑誌で連載されている作品、「魔法少女・オブ・ジ・エンド」。
本屋で単行本の表紙とか見て、非常に興味深く感じ読んでみたいと思っていたが、最近買った読んだので感想。
読んだのは第3巻までね。来月初旬に第4巻発売されるらしいけど。

まずは簡単な説明から。
めんどくさいのでwikipediaの引用

引用
あらすじ[編集]

どこにでもいる普通の高校生・児上貴衣は、いつものように登校し、昨日と同じ日常を過ごすはずだった。しかし、その日常は一瞬にして血塗れの非日常へと変わった。

撲殺・爆殺・焼殺…突如、学校に乱入してきた魔法少女による虐殺の宴。魔法少女に殺された者もまた魔法少女に変化し、新たな犠牲者を求めて生き残った人間を襲う。貴衣は幼馴染の福本つくね達と共に学校から脱出するが、町は何人もの魔法少女が暴れまわる阿鼻叫喚の地獄と化していた。

理不尽と不条理がまかり通る、魔法少女による暴虐のスプラッター・パニックホラー。

そういう話。
まあわかると思うが、ゾンビ映画のゾンビを魔法少女にしたような漫画である。魔法少女達も知性を感じられず、ただ謎の脅威として人類に襲い掛かる。

この魔法少女というのが凄い。グロく、凶悪で、印象深い。

魔法少女というのは日本のいわゆるサブカル界隈で作られたキャラクター類型であり、魔法を使って活躍する少女と言うぐらいの意味合いで、時代と共に様々な変遷が見られる。
人を助ける魔法少女、魔法少女自身の生き方、戦う魔法少女、邪道魔法少女(魔法少女モノのパロディ)……
最近では「魔法少女まどか☆マギカ」が魔法少女モノとしての新しい形を提示し人気を博した。

魔法少女モノの繋がりから考えると「魔法少女・オブ・ジ・エンド」はその次へと踏み出したということになる。
近年の魔法少女モノでは他ジャンルへの越境作品が大きな存在感を見せる。セーラームーンは戦隊モノとの融合、ストライクウィッチーズでは架空戦記モノとの融合といった具合だ。
「魔法少女・オブ・ジ・エンド」ではパニックホラー、ゾンビ映画のゾンビを魔法少女にしてみた、と言う具合である。


リアリティのある絵柄のなか、デフォルメされた姿形であり、「まじかるー」としか喋らず、周囲の人間を殺すことしか考えていない。魔法少女によって殺された人間は魔法少女になる。
これらの特徴が従来の魔法少女とのギャップを生み、強烈な印象を読者に与える。
良く見れば魔法少女としてもやや異様なデザインである。極度に幼児的なデザインのものが人を惨殺するという気持ち悪さがこの作品の軸か。理不尽さと言う点でゾンビを上回る。

オリジナルの魔法少女と魔法少女に殺されて魔法少女になったモノでは違いがある。
オリジナルの魔法少女は頭を吹っ飛ばしても復活する。それとは別に固有の魔法を一つずつ持っており、概ね人間を悲惨な目に合わせる魔法である。弱点はあるにはあるのだが……

ストーリー展開自体はあまりリアリティや精密さのあるものではないが、魔法少女というファンタジーを組み込んだ以上仕方がないとも言えるか。
とはいえ、バンバン名前が提示された登場人物が死んでいくのは爽快感すらあるほど、誰が死ぬかわからない恐怖というのはホラー映画の文脈である。
魔法少女、と言う要素も、まどかマギカのように魔法少女とは何なのか、と言う方面でストーリーに深くかかわっている。どう考えてもリアルでない存在、何故存在するのか。ゾンビもいい加減使い古されてその存在への驚きも何も無くなってきたし、そういう意味でも有効である。

キャラクター方面では特筆すべきキャラクターは多くない。主人公の児上も凡庸だ。まあパニックホラーだから主人公が一般人なのは読者の感情移入の方向で意味があるが。
主人公の幼馴染のつくねの設定に関しては直観の逆を行き興味深い点も多いがネタバレに触れすぎるのでここでは触れないでおこう。実際連載でもわからない点は多いし。
やはり一番魅力的なキャラクターは、ポリ公こと芥 倫太郎だろう。混乱に陥った街のショッピングモールで拳銃を使い強姦殺人を行っていた警察官巡査。モラルの欠片もない男でブレることなく性欲のままに生きるが、その反面混沌とした世界の中でも冷静さを保ち、魔法少女を単身で倒し、作中の謎に迫る。毒を以て毒を制すというか、作品世界のイレギュラーとして主人公を食う勢いで活躍する。



総じてみると細かなところで言えば無茶な展開も多く、ホラー展開自体もゾンビものの定番でありきたりであるとも言えなくはない。
しかし魔法少女による惨殺という強烈な印象を与える絵面に魔法少女の底の見えない謎、ポリ公を初めとした人間の深い闇という風に圧倒的な印象深さがある。
"素晴らしい"作品ではなく"ぶっ飛んだ"、"衝撃的な"作品を求めている人にはお勧めしたい。
スポンサーサイト

テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2013/11/27(水) 18:36:35|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0
<<トイレットペーパーのような文明。第92回動画紹介回 | ホーム | 失われた爪切り。第91回動画紹介回>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tateito1.blog48.fc2.com/tb.php/1501-4afcb1ec
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)