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「美女で野獣」全8巻 感想

イダタツヒコ - Wikipedia 作者Wikipediaページ
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キャットファイト - Wikipedia


割と前、2002年から2006年ぐらいの漫画だが、読んでみると非常に魅力的な作品であったので感想を書き紹介する。

「美女で野獣」、タイトルは有名なフランスの民話美女と野獣からとっている。
で、何が、「美女で野獣」かというと、この作品はキャットファイトを扱った漫画であるからだ。
キャットファイトとは、女性同士の取っ組み合いの喧嘩を指し、それを見せる興業も現実にある。
美女達が本気で殴りあう、そういうものに人は惹かれるのだ。


現実のキャットファイトでは格闘技の経験のない、ただ器量の良い女性たちが戦うという場合が多いようだが、そこは漫画、美女であり滅茶苦茶強い女子高生達が制服姿でルール無しのキャットファイトを繰り広げる。

描写はだいぶ過激で、顔面パンチで鼻血は当たり前、鼻にひじ打ち膝蹴り、マウントパンチもあれば関節を極めて折ってしまったり、場合によっては歯も飛ぶし、目つぶし(義眼だったが)、男相手に金的もある。嘔吐や失禁もあったか。
ノーパン試合やコスプレ試合、スク水でのバトルロワイヤルなどのセクハラめいたところや、全裸、剃毛、レイプまがいのセックス(被害者は主人公)まである。AVに出演させられそうになったようなのも。
ヤクザに殺し屋やらが出てきて(というかレギュラーだが)、人身売買とかそういう話や、ストーカーやマゾヒストの男が出てきたり、日本が崩壊して世紀末状態になったりと、やけにインモラルな話題が多い。

余りに欲望に忠実と言うべきか。
そんな中で、格闘に関する欲望の描写は本当に凄まじい。

主人公はオカッパ黒髪で古流武術「鬼首流」次代統首である一茜(いちもんじ あかね)。
借金を返すために地下闘技場で戦うことになったが、次第に戦うことに魅せられていく。
人を破壊することを目的とした鬼首流。それを否定せず、自由に成長していく。

ライバル兼ヒロインに毒島リリカ(ぶすじま りりか)。特に型の無い自己流で地下闘技場のチャンピオン。
闘いの欲望に最も忠実なキャラで、しかも異常に強い。実際、作中でも(生理による不戦敗を除くと)ほとんど負け無し。
ド派手なアクションで作中・作外の観客を魅せる。ちなみにバイ。

周愛鈴(チョウ アイリーン)は中国拳法の使い手。結構ギャグキャラになってるが腕は確か。
まあフィクションっぽいところもあるが、努力に裏付けされた中国拳法はリアリティを持つ強さ。
大阪編での酷い扱いは必見。基本アホばかり出てくる漫画だが別の方向のアホ。

片目が義眼の磨利蜜姫(まり みつき)は総合格闘に「鬼首流」の分家「八津墓流」を混ぜた格闘術を持ち、急所攻撃やダーティな手段、身体破壊を好んで行う。
普段は無口でクールな感じもするが、結構ヤンデレ的なところがあり、笑いながら相手の足首を破壊したりする。
私のお気に入りキャラはこのキャラ。純粋なところがあるというか。

零堂空(れいどう うつほ)は鬼首流の番外であり、鬼を宿した女装男子。
天然系であり、かわいらしいところも(男なのに)あるが、発作的に獣のような格闘術で周りの人を攻撃する。
ストーリーに深く関わる。まさかあんな結末になるとは?むしろド直球すぎというべきか。


他にもたくさんのキャラが出てくるが、これらのキャラの格闘は高いクオリティで描かれ、劇的で迫力があり、驚くべきことに官能的でさえある。
無理に官能的と言っているのではなく、意識的にそういうところを描いている。
格闘、喧嘩とは愛なのだと言わんばかりの描写は、論理をぶち破る凄みで納得させられるパワーがある。

痣ができ、鼻血が出、歯が吹き飛び、間接は変な方向に曲がり、脳震盪を起こす。
それでも歓喜を湧き出てくるのは野生の本能と言うべきか。
現代社会がひた隠しにする欲望をさらけ出したような、そんな作品である。




連載終了もだいぶ前で、古本屋にもあるとは限らないが、好きな人には非常に価値ある読書体験が得られるだろう。
余り知られていない作品であるようだが、どんな作品にも劣らない魅力を持つ漫画であった。
荒々しい展開や無茶で道理を吹っ飛ばしていたり犯罪描写にも溢れ社会道徳など無きに等しくエグイところやグロイところエロイところもあるし下ネタも多く、万人向けとは口が裂けても言えないが、私の宝の一つとなった。
興味がある方は是非読んでいただきたいところである。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2013/07/11(木) 00:45:13|
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