ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

支倉凍砂「マグダラで眠れⅢ」感想

あ、Febri偶数月10日発売になってたんだった。東方茨歌仙感想は書くよ。


ネット世代の雑評論 支倉凍砂「マグダラで眠れ」感想
ネット世代の雑評論 「キノの旅 ⅩⅥ巻」、「マグダラで眠れ Ⅱ巻」感想


マグダラも3巻にして作者前作である狼と香辛料と雰囲気を変えてきた、というのがまず印象か。
ただし根底のところは変わらないと感じられる。細やかなで裏表ある精神・心理描写。
クースラの頑なさは中々楽しかった。

1巻2巻で物語の基盤を作り、3巻でキャラを深めてきた。
特に主人公(の一人?)であるクースラのキャラクターをきっちり描けている。とはいえ、クースラの複雑怪奇な精神はまだまだ描写が足りず、謎めいている。利子という名前のように計算ばかりだと思えば、オリハルコンの剣で誰かを守るなんていう青臭い夢、マグダラを持つ。この辺の解消が物語の軸になる訳か。
ウェランドの「優しさ」やフェネシスの「したたかな」成長も好印象である。


章ごとに区切って見てみる。
序幕
クースラのフェネシスに対する独白。
皮肉屋というのはわかるが客観的描写に塗りつぶされ本心がわかりにくい。

第一幕
クースラ達の錬金術師的クズ行為。贋金造り・鍍金編。そりゃクースラ達、狼と香辛料のロレンスと比べてスゲー贅沢な暮らししてるわ。クースラ金貨ばっかで払うし。ロレンスがケチすぎる説もあるが。
クースラもフェネシスも頑固だから言い合ってるやってるうちに水銀が突沸。ゲロ危険。まあ純粋な水銀なら毒性こそないが。

第二幕
イリーネがパーティに加わる。割といいキャラ。後ろ向きなところが無いところとか。
人間関係がこじれてきても面倒なので放っておくクースラさん。旅の経験について劣っていることが分かったらすぐに偉そうに教えを乞うあたりずるい大人である。

第三幕
ウェランド騒動。ここぞとばかりクースラの罵倒。クースラはかなり性格が悪い。
まあ結局助けるわけだが、何も無かったら本当に助けないぐらいには悪人。
ウェランドは女が笑ってくれるのが好き。ある意味で純粋である。クースラは逆にひねくれすぎ…… いやうん。マジで。偽悪的といえばそうだが、まあクズである。説得4回でやっととか昔のスバロボかよ。
首の後ろを打って気絶させる。いわゆる「トン!」とかいうの。まあ実際は延髄チョップなわけだが。

第四幕
万国吃驚ショー。かなり悪趣味なニワトリの生き返り。まあ見世物小屋でやる類のものである。
これを異教徒に見せて教化するとかいう辺り完全に中世暗黒時代である。
こういう騙しの手法ばかりが出てくるあたりも前作との違いか。というか実際こううまく行くのか?

第五幕
ここいらから少し話が変わり、クースラの心理描写が増える。
理想と現実の摺合せ。

終幕
で、妥協する。それでも意地になって元を取ろうとしている辺りがアレでよい。
フェネシスに謀られたことを知り複雑な感情。守るべきものが欲しいけど、そのために与えた知識で成長され、一本取られるというややこしい現状。
そんでもって世界も動き出す。いや止まるのか。
戦争でもなんでも、大きなことは実行するときも止まるときも騒動を起こすという事。



3巻になり物語の軸は見えてきたが、これから先の予測は難しい。中々理想的な状況か?
クースラが良いキャラしている。ただ複雑に過ぎるが。
フェネシスも基本ケモ耳隠してるからケモナー向けという訳でもないんだよねえ。
それでも漫画化が決まっており、これからに期待できる作品である。
個人的には冶金薀蓄も好きなのでドンドン扱ってほしいところである。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2013/04/11(木) 04:26:30|
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