ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「ハトよめ」全11巻 完結したので感想。

Amazon.co.jp: ハトのおよめさん(1) (アフタヌーンKCデラックス): ハグキ: 本
ハトのおよめさん - Wikipedia


まさかの完結。正直無意味だったビーマーとかの伏線を無意味に解消して無意味に感動的に終わった。たしかにそのナンセンスさはハトよめである。

ハトよめ。この作品を説明するのは骨が折れる。
世界観としては動物が知性を持っていて社会を形成しているタイプの作品である。「どうぶつの森」や「ぼのぼの」などもこのタイプなのだろうか。
ハト夫婦のヨメである主人公ハトよめを中心に、妙に人間臭くナンセンスなギャグが繰り広げられる。


とにかく、ストーリー的なものがない。いやあったとしても基本的に意味がない。
社会的批判もあるが、テレビや新聞で見られるような自然破壊や経済破綻といったものを極めて表層的に文句をつけているだけである。
結構時事ネタもある。あまり意味はないが。
唐突に何も関係ないことを口走ったりもする。何故か熱いバトルみたいなことをしたりもする
ハトよめの魅力はこういう「無意味さ」が大きいと思う。

ネットゲームやらサッカーやら作者の趣味を描きたいから描くようなところや、コマが余りましたとか公然と書いたり、複雑な背景を描くのを露骨にさけたりとプロっぽくないところ(意識しているのかどうかは知らないが)もまた笑いを誘う。


キャラ。何やら奇妙な魅力がある。
少し紹介しておこう。

ハトよめ
暴言・暴力がしょっちゅうで、自分勝手で、この漫画でも五指に入るほどイカレているハトの嫁。
とにかく何を言い出しても違和感がないし、ハトビームでオチを付けられる万能っぷり。
ハトよめの暴れっぷりは単純に面白い。

ハトのダンナ
清濁あわせ持つ人格者でありおもちゃ会社の社長。ハトの旦那である。
金持ちであることを自慢したりその割にものすごいケチだったり、IQ109で自慢したり少々肥満気味だったりと結構人間的なキャラクター。ハトなのに。

KAZU先生
この漫画でも珍しい、ハトよめ以上に狂っている料理研究家のパンダ。
金銭欲の権化で犯罪行為もする。普通に悪人である。
突然「うんこの天ぷら食べたい」とか言い出したのは本当なんだったのか。

ワンワン師匠
足が6本ある「犬」。十二支ビームを撃てるビーマーの一人で実は宇宙人の霊だとか。
非常に胡散臭い説明とか色々設定がカオスである。

長老
森の長老であるらしいが、ボケかけている。第一話でハトのダンナが委託した業者に伐採され今は切株。

クチ★ベタオ
口下手なアナウンサー。やけにリアルで普通に人間である。
その口下手っぷりは一種の芸になるほど。


とまあ、どうしようもないキャラばかりである。
そういうキャラが動くからこそハトよめのナンセンスさが出るのであろう。
ちなみに私が一番好きなのはKAZU先生。ものすごい勢いで無茶苦茶してくれる。




正直、ハトよめの魅力を文字だけで表現するのは困難極まる。
2巻以降のコミックスの後ろにハトよめらしい衝撃的なコマが抜粋されているのでそれも参考にしてほしい。

とにかく全巻買って間違いはないはず。帯にも全巻買おうって書いてあったし、買おう。一万円札でお釣りが出る!



ハトよめは漫画表現の一つの極北であった。
完結はさびしいが、完結したということで作品が完成するという価値もある。
私が読んだ漫画作品でも特別な作品であったといえる。面白かった。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2012/12/23(日) 04:20:23|
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