ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「野崎まど劇場」感想

野﨑まど - Wikipedia
これからくるミステリ作家「野崎まど」と併せて読みたい5人10作 - 雲上四季


独創短編シリーズ野崎まど劇場の感想記事である。
野崎まどとは作家名。電撃文庫から派生した一般文芸よりのレーベル、メディアワークス文庫で活躍するミステリ作家である。※本来の表記は「野まど」らしい。

野崎まど劇場は、電撃文庫の雑誌「電撃文庫MAGAZIN」で連載されているギャグ短編小説集である。
それを今回まとめて、ついでに書下ろしやボツ作品も入れて電撃文庫で発売された。

私は野崎まどの作品を読むのはこれが初めてである。ふたばでやけに推されていたので興味を持って買ってみた。
正直こういう硬派な作家がバカやってる作品を初めに読むのはどうかとも思うが、まあ京極夏彦の本だって酷いおふざけギャグ小説である「どすこい。」を最初に読んでから揃えはじめたし、別になにがきっかけでもいいだろう。


で、内容。腹を抱えて笑った。
まず小説をしない。普通に図とかを使ったりする。その堂々と一線を越える姿が笑える。
そしてメタネタが多い。小説であるということを露骨に利用して裏をかく。
そうしてグダグダになりながらもショートショートの長さなのですぐにオチが入り尾を引かない。
オチもそれまでの展開を上回って酷い。確実に笑わしに来る。

基本的に一回しかできないようなネタばかりなのでネタバレは避けるが、とにかく一つのネタを引っ張る。バスを持ってる切り裂きジャックでバスジャックという出オチで一話やったり、ヒッグス粒子でお茶を立てるというほとんどナンセンスなネタで一話つづけたりかなり無茶をしている。無茶を通すからこそ道理を超えた笑いが生まれるのだ。

キャラの掛け合いは非常に淡泊。だからこそギャグが映える。魔王と魔智将軍が話す場面でも淡々と話が進んでいく。
ヤクザものとかコロコロの玩具っぽいノリのとかはそのテンプレート通りの会話である。
何も考えずにスラスラ読めるのだが、内容が狂ってるのでそのギャップで笑える。

あとがきもふざけていて、私好みである。



特に面白かった短編をいくつか個別に感想書いてく。
Gunfight at the Deadman city
ガンマン達が銃を撃って着弾するまでを書いている。ゾーンっていやいや。
弾の軌道の表現方法が小説やってない。

森のおんがく団
こういう動物が擬人的にキャラクターをやってる絵本的世界観は多いけど、そこらかしらでおかしなことになっている。
現代問題とファンタジーのギャップ。

バスジャック
出オチも出オチ。途中からどうやって小説にするかという話になってくる。
くだらなさがやばいレベル。

魔王
魔王の投げやりっぷりが良い。まあどこにでも魔王いるもんね。

妖精電撃作戦
電撃の缶詰を粗末に扱うからボツになった作品。ウィキとか言い出すあたりのメタっぷりが好き。

首狩島容疑者十七万人殺人事件
タイトル通りである。ミステリの品格が無いのでボツ。わざとらしい探偵っぷり。

TP対称性の破れ
ヒッグス粒子でお茶は立てられません。しつこさが笑える。ネタの無茶さに心惹かれた。




挿絵も独特な感じで、全体的に非常に楽しく読めた。笑い飛ばして明るい気分になれる。
まあ作風は全然違うにしろ、野崎まどの別作品にも興味がわいてきた。
そういう意図もあるのだろうか。作者の腕が確かなことは伝わる。
天才はふざける時も天才なのか。
スポンサーサイト



テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2012/11/10(土) 04:52:16|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0
<<なんかまた2chまとめブログの規制が強化されるらしいね | ホーム | 「コミックマーケット83 主要作品別サークル数」を見る>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tateito1.blog48.fc2.com/tb.php/1122-33b58e09
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)