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Portalの「加重コンパニオンキューブ」のキャラクター性について

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コンパニオンキューブ (せかいいちだきたいりっぽうたい)とは【ピクシブ百科事典】


Portal。かなり有名なFPSパズルゲームである。

ニコニコ大百科より引用
ポータルガンで壁や床に撃つと2種類のポータル(ワープ穴)を設置できる。設置されたポータル同士は空間的に繋がる。これを駆使してゴールまで進む。


こういうゲームである。

元々FPSゲームHalfLife2のおまけとして作られたゲームで、裏設定で繋がっているのだが、これが中々面白いということで人気が出て続編Portal2まで作られた。


システムはシンプルながら奥が深い、パズルゲームとしてよく出来た性質を持っている。実際プレイヤーたちがMODを何個も作るぐらい面白いし発展性がある。
ただワープするだけでなく運動方向を変えたり、様々な物を利用してやっとの事でクリアできる。

そして、大体パズルゲームというのはストーリーがなかったりお粗末だったりするものだが、Portalはその点でも良くできている。
謎の研究施設で始まり、何がなにやらわからない内にポータルガンのテストに参加させられる。
皮肉的なコンピューターGLaDOSの指示に従ってテストをクリアしていくが、明らかに命が危ない。
そして脱出を試みるが……
GLaDOSのキャラがイカレていて面白い。人間を管理するメインコンピューターが狂うというのは昔からある構図だが、中々狂い方が人間的だったり変に固執したり、異常に意地悪だったりと笑える。
2ではマヌケなWheatleyも出てきてストーリー、キャラクターという部分でかなり向上されている。主人公がいる実験施設や主人公自身の謎も言及される。


ロボットやコンピューターに感情があり、それゆえキャラクターとみなされる事は、それほど珍しい事ではない。
しかし、Portalではその点徹底している。
GLaDOSの奇妙な性格はもう説明したが、タレットと呼ばれる意志を持つ量産型の警備ロボット(銃座)は状況に応じて様々な反応を見せるし、トイレや扉にさえ人工知能が埋め込まれているような描写がある。
そのなかでも「コンパニオンキューブ」は一風変わった存在である。

正式名称は「Aperture Science 加重コンパニオンキューブ」。Aperture Scienceとはこの実験施設の属する会社で、ポータルガンもこの会社が作ったものである。
一見、他のテストで使う加重配置ブロックと違いはない。外見上の違いはハート型のマークが付いているぐらいだ。
そして機能も全く同じである。
荷重コンパニオンキューブ

なんだそりゃと思うかもしれないが、このコンパニオンキューブを使うテストではコンパニオンキューブを長く持ち歩く必要がある。
キューブでボタンを押したりキューブで防御したりキューブを足場にしたり……とまあコンパニオンという名前どおり仲間や戦友、連れとなるキューブである。

しかも、GLaDOSがしつこくコンパニオンキューブに言及する。

Portal Wikiより引用
"The Vital Apparatus Vent will deliver a Weighted Companion Cube in Three. Two. One." 「重要機器移送管で、加重コンパニオンキューブを移送します。移送まで、あと 3 秒...2 秒...1 秒...」

"This Weighted Companion Cube will accompany you through the test chamber. Please take care of it." 「この加重コンパニオンキューブがテストチェンバー内であなたに同行します。大切にしてください。」

"The symptoms most commonly produced by Enrichment Center testing are superstition, perceiving inanimate objects as alive, and hallucinations." 「Enrichment Center のテストによる一般的な症状として、妄信があります。つまり、無生物を生きていると勘違いしたり、幻覚を見たりします。」
"The Enrichment Center reminds you that the Weighted Companion Cube will never threaten to stab you and, in fact, cannot speak." 「加重コンパニオンキューブがあなたを脅すことはありません。話すこともできませんから。」

"The Enrichment Center reminds you that the Weighted Companion Cube cannot speak." 「加重コンパニオンキューブは話すことができません。」
"In the event that the weighted companion cube does speak, the Enrichment Center urges you to disregard its advice." 「加重コンパニオンキューブが話すようなことがあっても、その内容を無視することをお勧めします。」

"You did it! The Weighted Companion Cube certainly brought you good luck." 「やりましたね!加重コンパニオンキューブが幸運をもたらしたようです。」
"However, it cannot accompany you for the rest of the test and, unfortunately, must be euthanized." 「しかし、残念ながら以降のテストには同行できないので、ここで安楽死させる必要があります。」
"Please escort your Companion Cube to the Aperture Science Emergency Intelligence Incinerator." 「コンパニオンキューブを Aperture Science 緊急知能焼却炉に移してください。」

"Rest assured that an independent panel of ethicists has absolved the Enrichment Center, Aperture Science employees, and all test subjects of any moral responsibility for the Companion Cube euthanizing process." 「コンパニオンキューブの安楽死にあたっては、倫理学者の独立委員会が Enrichment Center、Aperture Science のスタッフおよびすべての被験者の、倫理的責任を免除してくれているので、安心してください。」
"While it has been a faithful companion, your Companion Cube cannot accompany you through the rest of the test. If it could talk - and the Enrichment Center takes this opportunity to remind you that it cannot - it would tell you to go on without it because it would rather die in a fire than become a burden to you." 「コンパニオンキューブは忠実は同行者でしたが、以降のテストには同行できません。コンパニオンキューブは話すことができませんが、もし話せたなら、重荷になるくらいなら火の中で死んだほうがいいから、ここから先は単独で進んでください、と言うに違いありません。」
"Testing cannot continue until your Companion Cube has been incinerated." 「コンパニオンキューブが焼却処分されるまで、テストは続行できません。」
"Although the euthanizing process is remarkably painful, eight out of ten Aperture Science engineers believe that the Companion Cube is most likely incapable of feeling much pain." 「安楽死のプロセスは極めて苦痛を伴うものですが、Aperture Science の技術者の 10 人中 8 人は、コンパニオンキューブが苦痛を感じることはないと考えています。」
"The Companion Cube cannot continue through the testing. State and local statutory regulations prohibit it from simply remaining here, alone and companionless. You must euthanize it." 「コンパニオンキューブがこの先のテストに進むことはできません。州法および地域法により、同行者がおらず、単独で存在することは禁止されています。安楽死させてください。」
"Destroy your Companion Cube or the testing cannot continue." 「コンパニオンキューブを破壊しないと、テストを続行できません。」

"You euthanized your faithful Companion Cube more quickly than any test subject on record. Congratulations." 「あなたは、忠実なコンパニオンキューブを最短記録で安楽死させました。おめでとうございます。」

ここに至ってプレイヤーは何も言わないコンパニオンキューブに愛着を抱いてしまうという仕組みである。

緊急知能焼却炉という名前が色々考えさせる。結果としてプレイヤーはコンパニオンキューブを安楽死させるしかなくなるのだが、それがラスボスへの復讐という動機を与えるのだから凄い。
Portalでは主人公は喋らない。そうであるのにプレイヤーを、明らかな無機物に感情移入させる手腕は驚くべきものである。いや、主人公が何も喋らないからこそそういう酔狂な考えが存在可能で否定されない、というべきか。

ちゃんと制作陣も意識していたようで、隠し部屋にコンパニオンキューブへの激しい感情を表した、誰が残したものかもわからぬ落書きや写真があったり、コミックでもコンパニオンキューブが喋る(幻聴)描写がかなりある。

ファンからも好評のようで、事実キャラクターとして認められているようだ。
2のラストでも焼け焦げたコンパニオンキューブが登場する。


はっきりいって、コンパニオンキューブは喋らないし、キャラクター然としたものがほとんどない。
しかし周囲の状況や言葉によってキャラクター性を持ってしまった。
明らかにおかしいからこそそれは正しいという事だろう。



キャラクター。直訳すると特徴・性質。今現在ではキャラクターというのは架空の登場人物を指す。
単なる無機物の重い立方体にこれほどの感情を抱かせる。
荷重コンパニオンキューブはキャラクターとしての一つの極限であろう。
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テーマ:ゲーム - ジャンル:サブカル

  1. 2012/10/09(火) 01:24:12|
  2. ゲーム
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

なるほど
  1. 2017/01/15(日) 05:56:29 |
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