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将棋・第60期王座戦五番勝負 第2局・色々凄かった

2012年9月5日 五番勝負 第2局 渡辺明王座 対 羽生善治二冠|第60期王座戦棋譜とか
王座戦中継Blog


将棋。日本古来の卓上ゲームである。
まあ私はそんなに詳しくないが、それでも界隈の事情は多少知っている。
プロ棋士は中々に濃いキャラクターが多い。

羽生善治は余りにも有名だろう。いつだったか将棋のタイトル7個を全て持っていた時期がある。最近、王位戦で防衛に成功しタイトル計82期とちょっとおかしな事になっている。今現在は王位と棋聖の二冠。
また、同年代に非常に強い棋士が集まっていて羽生世代と呼ばれる。羽生世代は若手の頃はベテランへの脅威だったが、もう40代となり棋力も衰えそうな今現在、今度は若手に対する壁となって立ちはだかっている。

そんな中で若手随一の実力者、渡辺明がいる。その実力は羽生をも呑み込むほど、棋界で一二を争う。
ちなみに2chでは容姿が藤子不二雄Aの漫画の魔太郎に似ているので魔太郎と呼ばれている。
今現在、羽生と同じ二冠だが、賞金が最も高い竜王と、19期連続でとっていた羽生から奪った王座となにやら恐ろしい。


王座戦は羽生は19連覇の実績があるが、その王座戦の羽生に3連勝で奪取、今期の第一戦を後手番で勝利している渡辺も怖い。

将棋には大きく分けて二つの戦略がある。居飛車と振り飛車である。
振り飛車とは序盤に飛車を大きく動かす戦略で、居飛車はその逆でそのままにして駒組みする戦略である。
プロでも振り飛車を得意とする棋士は珍しくないが、やはり将棋の基本は居飛車であるとされる。振り飛車は飛車を振る分、序盤に一手損するからだそうだ。


渡辺は現代将棋の体現といえるほどの居飛車党で、隙あらば居飛車穴熊に組む。居飛車穴熊は王将の周りをガッチガチに固めた囲いで、かの大山名人は軽視していたが、現代においては常に意識される非常に強い囲いである。

羽生はオールラウンダー、つまり何でも出来る万能型であるらしい。普通得意な戦略とかありそうなものだが、羽生はなんでもつまみ食いして指す。話によると忙し過ぎて研究時間がとれず、それが故に対局者から戦略を吸収しているらしい。将棋において戦略は序盤のもの。圧倒的な終盤力を持つ羽生は序盤で負けても巻き返せると言う事だろうか。


前置きはいいとして、今回羽生は後手番。基本的に将棋は先手が有利とされる。羽生はここで角交換振り飛車という戦法で戦った。羽生がオールラウンダーといっても実際振り飛車は割と珍しい。そして角交換振り飛車は比較的最近流行っている戦法で、この前、王位戦で戦った藤井が使っていた戦法である。

居飛車こそが将棋の王道で、棋界のTOP2の対決で相居飛車を避けるのは逃げだという論法もあったが、渡辺は振り飛車を苦手としているという噂もある。


そうして駒組みがなされていったのだが、羽生は42手目で△9二玉から52手目まで延々と玉を左右に動かす、つまりパスした形となった。
結果的に羽生は序盤で不利になったがなんだかんだあって羽生が上手く攻めて逆転した訳だが、こういうパスの手が面白いと思った。

コンピューター将棋ではよくある手らしいし、実際プロでも同じような事をやる場合もあるが、うるさい人には邪道だとかなんだとか批難される類の手である。

しかしパスの一手こそ最善手だというのはありうることである。
何をやってもマイナスになるならば何もしないのが最善手。
それにより相手が利益を得ても、他の事をするよりはマシだということである。



将棋を現実に適応するのはナンセンスと羽生二冠は言うが、やはり何もしない事が最善手というのは現実や他の分野でもありうることではないか。
現実で何もしないというのは出来ないかもしれないが、やはり余計に行動して余計な事になるより、ジッと待つ事が重要な場合も多い。
行動力も重要だが、行動の是非もまた重要ということである。


あえて新機軸に挑戦し、先入観にとらわれず、ここぞと言う時に攻めて勝利をもぎ取った羽生二冠はやはり凄い。
そこまでさせる渡辺二冠もまた最強の棋士の一人なのだろう。

王座戦はまだ続く。将棋界の頂点を決める対決。今後も名局に期待したい。
将棋には勝負の苛烈さと美しさが残っている。


※追記
この対局について将棋界隈に詳しくない人向けにわかりやすい解説があったので参考。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2012/09/06(木) 10:56:16|
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