ネット世代の雑評論

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「スズメバチの黄色」読んだので感想を書く

スズメバチの黄色 ブラッドレー・ボンド:ライトノベル | KADOKAWA

スズメバチの黄色。あえてタイトルには情報はないがニンジャスレイヤーの公式スピンオフであり、物理書籍版で最近終わった3部と今ツイッターやらでやってる4部との間の時間軸で描かれており、本編でも重要人物であったラオモト・チバが逃げ延びた龍256で地元のヤクザである火蛇とともにヤクザの抗争に巻き込まれていくといった具合の話だ。

ツイッターのニンジャスレイヤーの公式アカウントなんかを見ると、ニンジャスレイヤーを読んだことが無くても楽しめると言う事を強く強調している。
ニンジャスレイヤーは物理書籍にして平均約400ページの単行本が22冊の大シリーズ(ツイッター版から削られた話も少なくない)、しかも超独特な言語センスもあり初心者が入ってきにくい雰囲気になっているのは否めないところだろう。アニメも話題にはなったが逆にゲテモノ扱いされている感さえなくはない。

ここいらで新規ファン層を増やしたいという思いが強いのかもしれない。で在ればこそツイッターではなく物理書籍描き下ろしで、本編とは直接関係の無い一個の完結した話をやってみようという具合なのだろう。

まあニンジャスレイヤーと同一世界観を使っている以上やや奇天烈気味な専門用語は避けられないが、登場人物の漢字表記(ラオモト・チバ=老元千葉など)を多用したり、文章構成などもやや落ち着いた雰囲気を醸し出しており、専門用語の解説も穏やかで少なくとも試み自体は上手く構築されている。
確かにニンジャスレイヤー初心者が詠んでも中々に楽しめる代物であるといえよう。

しかして、やはりニンジャスレイヤーのファンであればあるほどより楽しめる作品であるという気もする。
3~4部の間のミッシングリンクは皆気になっていたところであるし、読めばすでにカタナ社などもネオサイタマ(というか日本)で跳梁跋扈している。なによりチバがどうやってソウカイヤを復活させたのか、その一部始終、最初の頃が語られている。
……むしろ、十分に語られていないところが想像をたくましくさせて面白いか。ネヴァーモアに何があったのか、4部時点のソウカイヤ=総会屋になるまでに火蛇やヤクザ組織<老頭>はどうなったのか。

チバが組織の力を失ったことでむしろその高い能力を発揮し続けているのも面白い。
なるほどこれはソンケイがある。
火蛇や大熊猫なども含めキャラクターの魅力もある。
チャイニーズマフィア風味の任侠ものとしても面白く読め、それがニンジャスレイヤーと繋がっていることがまた面白い。


そう考えると、これはニンジャスレイヤー初心者向けというより、むしろ入門用でありここからニンジャスレイヤーの世界に入ってきてほしいという願いが込められているか。
まあ初心者が何も知らずいきなりニンジャとか出てくるのを読んだら余計に衝撃的かもしれないが。
とはいえ、ファンならば何の問題も無く楽しめるという前提があるのが流石であった。良作である。
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テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2019/06/30(日) 18:02:45|
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