ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

「バターチーズガール」全二巻読んだので感想

バターチーズガール ピクシブ百科事典

ツイッターでたまに話が流れて来て、まあ読んでみると(WEB連載である)それなりに普通な女子高生日常4コマで、たまたま新刊で2巻が出てたので1巻と一緒に買ったらすでに打ち切られていた。

まあ、打ち切られた理由は、もちろん人気が出なかったからだが、その理由は様々に考えられる。
例えば最初の方の展開が遅くスタートダッシュでしくじったこと、
後の(打ち切り後の)伏線のためと思われる謎なキャラや設定、
わかりやすく良いキャラしてる生徒会と風紀委員のメンバーの登場の遅さと主人公メンバーとのつながりの薄さ、
主人公3人の内、十分に特徴的なのは真昼ぐらい……

と、悪い点ばかり見ていくと打ち切りになったのも明白だなあというところだが、良い所ももちろん多い。だからこそ感想を書いている。


まず、女子高生日常4コマという狭い割に同業者がアホほどいるジャンルで、主人公を三人としたルームシェアという設定を持ってきたこと。なるほど学園での日常ではなく生活空間での日常に視点を映してみた訳だ。
まあ、ここは良い点でもあり悪い点でもあり、大げさに言えば(狭いジャンルの中での)意欲作たる部分である。日常モノは我々にありえたかもしれない日常という幻想を描くもので、ルームシェアという日本人一般にとっての非日常はともすれば忌諱される要因となりうる。
とはいえともかく描いてみたというのは称賛に値する。平凡な設定にしては冒険的である。

ネタの、日常的なのにしっかりギャグしているところなんかも好みだ。
下手すると日常モノは、ギャグですらない。いやシリアスな訳もなく、ただただ、だらだらと日常のあれこれが繰り返されるようなメリハリの無い作品となる場合がある。それで救われる人もいるのだろうが、やはり読んでいて読者に感情の揺れ動きを与えるものもあるべきである。
ソシャゲ課金やら教師の煙草やらヌードモデルやら、日常の範囲内での非日常という線を攻めている。

そしてバターチーズガールの一番の魅力は、キャラの掛け合いだろうか。
こう書いてしまうと何もすごくは思えないが、ものすごくバランスのとれた台詞回しであり、読んでてずっとしっくりくる。
芝居がかりすぎず淡泊過ぎず、日常系というジャンルにうまく合致している。

こうして考えると日常系というジャンルにおいてしっかりくっきりバランスを取っていた。それを強く感じさせる。
日常系というのは割と特化したジャンルであり、奇抜な要素で目を惹こうという向きも多く、そうでなければ徹底的に日常的なテンプレコースを進んだりするが、その中でバランスを感じさせるものは少ない。
そこに、ツイッターでたまに見られるファンたちは愛を感じているのか。



イマイチ良さがわからなくても熱中する作品というのはある。言語化しにくい魅力も多い。
それが結局打ち切られるというのもよくある。
しかして、そういうものこそ評価して世に知らしめたいものだ。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/07/30(日) 01:19:46|
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