ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

メイドインアビス、今出てる3巻まで読んだので感想と巨大ダンジョンの類型など。

メイドインアビス / つくしあきひと / まんがライフWIN
メイドインアビス - Wikipedia

メイドインアビス。正直なところ絵柄で敬遠してたところがあったのだが、虚構新聞の人がなんか感想みたいなの書いてて、あらすじか設定か見てすげー惹かれたので読んで凄い面白かったので感想など書く。

まあ、あらすじなんかの詳細は適当にウィキペディアなんかを読んでもらいたいが、簡潔に説明すると、

直径1000m、深さ20000m以上の大穴「アビス」、そこから出る遺物を求め探窟家は危険も顧みず潜る。
奈落の底をめざし主人公は潜る。

といった具合?簡単すぎるか。

まあ、設定、というか世界観、というか舞台は巨大ダンジョンという訳である。
巨大ダンジョン、人が何日もかけて潜るような、そういう領域。

こういう発想はTRPGの始祖ダンジョンズ&ドラゴンズからのものであろう。奥深い地下ほど素晴らしい宝物があるが危険も多い。D&Dは言うほど詳しくないので多くは語らない。

CRPGにしていくと、ローグの系列がその構想を強く受け継ぐ。中でも、NetHackの運命の大迷宮は巨大ダンジョンという類型を考えて行くうえで重要なポイントになってる気もするしそうでもない気もする。巨大なダンジョンを潜るとノームの鉱山があったり地獄に通じていたりと言う辺りはもうなんというか。

コンシュマー機のローグライクゲームであるシレン1のテーブルマウンテンというダンジョンの後半で地下水脈の村とかいって人間が住んでいることがあり得なさそうな場所に村があった。こういうのも面白い。

ゲームだとまあ世界樹(やったことない)とかもそういうアレだったりするが、それなりに受け入れられている構図である。

小説なんかだと最近の有名どころでは、ソードアートオンラインの第一章のアインクラッドは空中に浮かぶ百層の地表で作られた大ダンジョンで、その中に生活する人や町の描写が色々面白い。
ダンまちなんかもその類なのだろうか。読んでないのであまり知らないが、まあそう新しい流行でもない気はする。

漫画でも、ダンジョン飯なんかはまさにその類型、というか類型のパロディでさえある。

※追記
こういった類型を挙げるならジュール・ヴェルヌの地底旅行なんかを最初に挙げるべきだったか?
古本に挟まれたルーン文字の暗号に従いアイスランドの火山河口から地下に行って、地底海に巨大キノコの森、絶滅した古生物を見る。なるほど、この辺りの発想が後々にまで影響しているのやもしれない。

古典でいうなら、クトゥルフ神話ものの、クラーク・アシュトン・スミスの七つの呪いに登場するハイパーボリアの地下世界なんかも巨大ダンジョン。アレはクソみたいな盥回しが非常に笑える良作である。



メイドインアビスもまたそういった類である。
ただ、設定が、なんというかブラッシュアップされている。
ファンタジーと言えばそういう分類に入らなくはないが、魔法らしい魔法というよりも古代の技術といった具合の書き方をされる。モンスターというような言い方をせず原生動物と言う風な言い表され方。幽霊さえ否定される。

そんな中でアビスの呪いという物がある。この設定が白眉だと私は思う。
正式な言い方では上昇負荷と呼ばれ、大穴「アビス」に潜った深さにつれて、再び昇る際に様々な症状が出る。
深界一層、地下1350mまでは軽い眩暈と吐き気、深界二層2300mまでは重い吐き気と頭痛、三層で幻覚幻聴、四層で全身の穴からの出血、五層で全感覚の喪失と言った具合で、六層で「人間性」の喪失か死、七層で確実な死となってしまう。
人間性の喪失というのは簡単に言えば化け物になってしまう事。それゆえ五層から先はどんなに優れた探窟家でも行って戻ることはできないという事になる。しかしそこには都市構造があり、遺物もあり、未知がある。わずかに届く電報風船による伝聞が六層以降の世界を垣間見せる。

こういう具合にして謎を保つ設定が素晴らしいと感じた。こうすることで他のキャラの格を下げずに主人公が冒険的行為を行えるし、凄味のある設定である。
そして、3巻以降でそう思えてくるが、アビス自体が入ったモノを逃がさないような、ある種ウツボカズラのような食虫植物的な何かに思えてくる。そうしてまた謎は深まるといった方式である。



やはり設定は世界観を作り、作品を形作る。
キャラの掛け合いなんかもいいが、構造からの良さという物も創作作品にはあるものである。
逆に言えば設定以外もいいのだがその辺についてはこの記事では深く語らなかった。まあ私はケモナーではないのも大きいか。嫌いじゃないが。実際そこら辺も良好であったと感じた。
メイドインアビス、巨大ダンジョンモノの最先端を行く最高品質の良作である。続きにも期待したい。
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テーマ:読書 - ジャンル:サブカル

  1. 2015/07/31(金) 00:58:47|
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