ネット世代の雑評論

主にネット上に散らばる各々の事象についての紹介、及び評論

三体Ⅱ 黒暗森林 上下巻読んだので感想



なんかよくわからんが三体のアニメPV?ビリビリ動画のなんからしいが。
結構出来はいい?出来がいいというか黒暗森林のいい具合のシーンをいい感じに組み込んでいるというか


三体。アジア圏のSFで初めてヒューゴー賞を取ったとかで有名か。
そういえば三体のⅠのほう感想書いてなかったっぽいな。まあいいや。

三体、何が良いかってエンタメしてるところなんだよな。
そりゃ、終始シリアスなノリだけど、ハードSFはあまりにも整合性やら科学的妥当性やらセンスオブワンダーやらを重視しすぎてしまうきらいがある。そういった意味ではだいぶんソフト寄り、と言ってもいい。もちろんある程度はしっかりしているが、そういうところにしっかりしていることを重視するのではなく、話として面白いことを重視しているあたりがエンタメしているんだよね。

超科学によるハッタリは圧倒されるほどだし、人間側の絶望感といえばこちらまで気分が滅してくるほどだし、謎のVRゲームやら面壁計画なんかで先が読めないし、ちりばめられた伏線は物語の最後までに回収され、すべての問題は解決されるハッピーエンド。
SFに求められることをすべてこなしているというか。
SF的なガジェットや事柄の解説がしっかりしているのでSF初心者にも向いているかもしれない。

話によると中国の読者からは文章力が残念だとか言われたりもするらしい。しかし日本語訳版ではかなりブラッシュアップがなされている。そのあたりも魅力であろう。だからやたら刊行に時間がかかっているというのもあるのだろうが。


まあこの記事ではネタバレは避けよう。
とにかく楽しくSFを読みたいならばうってつけといえよう。お勧めしやすい作品である。





Ⅱは表紙がかなり似てるが上下巻なのに注意。上巻だけ買って家帰ったらこれ下巻もあるのかよって別の本屋で買ったわ。
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  1. 2020/06/25(木) 00:56:14|
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反穀物の人類史、読んだので感想

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー Amazon


本屋(紀伊国屋だったか?)の文化史コーナーで反穀物の人類史という本をたまたま見つけて、そういえばサピエンス全史で小麦が人類を奴隷化したみたいな話あったなと思って気になって手に取ると3800円+税とかいうハードカバーにしてもこのページ数(参考文献や索引抜きで232ページ)でバカ高いなあと思いつつもかなり気になったので迷った末に買った。
まあ値段が高いという思いはまだ残っているし、いくつかの言説はまだ納得しきってないが中々面白く読めたので感想を書く。


この本は一般的に思われている、「国家とともに農業が始まりそこから人類の進歩が始まった」みたいな歴史観に真っ向から反論する書である。

歴史、という言葉は基本的に文字の存在を前提にしている。そういった意味で地球史だの生物史だのと言った言葉は本来的に正しくはない。
無論、考古学的な資料が出土されたり、あるいは古人類学的なアプローチで知ることのできる情報もあったり、文字のある国家が周辺の文字のない「野蛮人」について語った記録があったりもする。
しかし文字の存在しない時期、場所で生きる人類も「暗黒時代」と言えるほど悲惨な状況ではなく、むしろ国家に従属する穀物を育て税に持っていかれる農民や奴隷よりもより健やかに生きていた、というのがこの本の主張するところである。


定住、農耕は国家の成立に先行して起きた。

何故他の作物ではなく穀物(コムギ・オオムギ・コメ・トウモロコシ)が植えられたか。それは穀物が地上に生え、収穫時期が一定であり、国家による収奪(税)において取りやすいからだ。

文字は国家とほぼ同時に産まれ、最初期の用途は税の管理であった。すなわち文字が国家を作った。

国家は奴隷にしろ戦争捕虜にせよ農民にせよ、人間を飼い慣らし成長していった。

「野蛮人」、文明の周辺部の人々は文字記録にあまり残らず、残っていても化外の民扱いされるが実は国家が存在していたころの「野蛮人」こそが黄金時代であった。

文明、国家が崩壊したのちの「暗黒時代」も分散が起きて権力が消え去っただけで、ピラミッドやら文字資料やらが集中して出ず博物館や考古学者が取り上げにくいだけで当の本人たちは幸せに暮らしていた。

モンゴル帝国などの騎馬民族は野蛮人の国家であり、野蛮人の黄金時代において定住文明を収奪した。


云々、まあ全てを鵜呑みにしていいのかはわからないが、なるほどピラミッドの類のような「わかりやすい」歴史や王朝が記録する偏った歴史観ばかり見てしまうというのは文字を持つ文明側の視点にばかり立ってしまうというのは確かに考慮すべきことである。

国家というのが国民からの収奪により格差を生むことで成り立っている、という具合の話を今の社会にまで適応していいのかはわからないが興味深いものはある。
結局定住民の方が再生産指数が高かったから「野蛮人」、狩猟採集民族を上回ったという話はまあそうなのだが、どちらが幸せかというのは、確かに狩猟採集民族の方が現代的に考えると健康的には思えるが堕胎や子殺しの可能性を秘めていることを考えると実際どうなのだろうか。



ともかく、人類が歩んだ道について非常に面白い視点から語っていて刺激的な本であった。
豆の類ではなく穀物が選ばれた理由など結構逆説的な論理で感心した。
まあ何が正しいかなんて素人にはわからないが、こういう考え方もありうるのかという意味で良い読書をさせてもらった。
実際、正しい解釈も多いと思えるし。

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  1. 2020/06/12(金) 23:49:12|
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キノの旅20周年とかで投票でベストエピソードな単行本が出るらしい

『キノの旅 the Beautiful World』20th Anniversary 特設サイト
2020.05.08 あなたの投票で、単行本の収録エピソードが決まる「キノの旅20周年 スペシャル投票企画」開催!


まー色々タイトル雑だがわかるよな?
後まあキノの旅XXIII(23、そろそろローマ数字がわかりにくくなってきた)も秋にちゃんと出るらしい。単行本は冬。
正直時雨沢先生の著作は全部買ってるからベストエピソードとか買ってもしゃあないんだが、でもまあ買うんだよな。書下ろしとかあるかもだしあとがきぐらいは書くか知らんし。
判型変わったりするんかな?同じ文庫サイズが良いんだが。

個人的には一つの大陸シリーズの続編でないかなーって思ってるがやはりこの投票も興味深いところ。
キノは時系列バラバラの短編集の形を取ってる辺りこういうベストエピソード集みたいなのが上手くいくわけだ。つーかアニメもそんなだったし。


引用
あなたが一番好きな『キノの旅 the Beautiful World』のエピソードを一つ選んで投票してください! 人気の高かったエピソードは、今冬発売予定の『キノの旅』初の単行本(ベストエピソード集)に収録予定!!

投票可能期間は2020年5月8日(金)12:00~2020年6月10日(水)11:59です
結果発表は2020年7月10日(金)を予定しています
1日1回(0時〜23時59分)1エピソードに投票できます
投票期間内は毎日投票が可能です
パソコンまたはスマートフォンから投票が可能ですが、一部の機種・OSによっては正常に動作しない可能性があります



最近よくある一日一回投票できるアレ。

何話ぐらい収めるのか知らんし、はっきり言って投票で全部決めるもんでもない(長いのとか短いのとか誰が主役のとかバランスあるし、銃を撃ちまくる話ばかりでもしょうがない)と思うがともかく参考にするという形だろう。
投票は前にやったが、アニメと同じ選出では下らないだろう。

そうなるとやっぱり「アジン(略)の国」とか来るかな?
22巻もやってるといろんな話がある訳だがやっぱり投票となると最初の方の話が強いかな?
分割されててbの方から読ませるいつものタイプとかはどうするんかね。

まあ投票で最上位のエピソード3個ぐらいと、あと繋がりとか重要でない短編を中心にバランスよく配置、みたいな具合になるかね。
とにかく買う予定なので期待したい。毎日投票するほど暇でもないが。
とりあえず羊たちの草原に投票した。

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  1. 2020/05/08(金) 23:32:21|
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施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」5巻を読んだので施川先生の作品をふりかえってみたり

施川ユウキ - Wikipedia


ド嬢5巻、最近出たので読んだが、まあかなり面白いんだが1巻とだいぶ変わってるよね。さわ子普通に読書家になってるし。
そう思うと、2~3巻ぐらいで読書漫画として作者も割と読書家なのでうまくいってる感のある漫画として定着して、もはや今となると施川先生は「バーナード嬢曰く。」を描いてる人、という認識のされ方になってきている。

ちょっと前だと「銀河の死なない子供たちへ」の人ってイメージだっただろうか?
やはり「サナギさん」の人、というイメージが強いだろうか?「鬱ごはん」の人、と思ってる人も少なくはないかもしれない。
個人的には「ツモっ子の森」でほぼダジャレだけで麻雀漫画を描きとおしたのが印象深いが。
一応「がんばれ酢めし疑獄!!」の時代から好きだったが。
ここまで代表作というモノが定まらない漫画家も珍しい?いやそこそこいるか。まあワンピースの尾田先生とかドラゴンボールの鳥山先生とかみたいなこれしかないと言えるような感じではないのは確かだが。


酢めし疑獄の頃から哲学的というか思弁的というか、色々物を考えてるよね。
ド嬢読んでてやっぱ読書量がモノをいってるんだなあとも思えてくる。いやまあツモっ子の森ではあんまりそういう事思わないけどまあアレだけダジャレ連発するのも教養が必要な気もしなくはない。
色々と話題がたくさんある割に衒学的にならないのも上手いというか。
単純に知識が好きというか?



ド嬢五巻。エログロな小説の話とか「三体」出てくる話とか読書家が本を処分できないとか面白い話が多い。
ミステリでトリックがわかった後のさわ子の狂った反応とかも笑える。
panpanya先生とかもそうだが色々考えている作家の作品はこっちも色々考えられるというかで非常に好きである。6巻以降にも期待して注目したい。

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  1. 2020/04/30(木) 19:50:58|
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アメコミ版?「まだ見ぬカダスを夢に探して」買って読んだら結構よかったので感想

未知なるカダスを夢に求めて - Wikipedia


ラヴクラフト。ファンタジーやSFが好きな人ならば知らぬ人はいまい。クトゥルフを含めた邪悪な神やモンスターの数々を作り上げたアメリカの怪奇幻想小説家である。

ラヴクラフトの作品群は色々ある。一番有名なのはクトゥルフの呼び声だろうか?インスマスを覆う影も中々人気だし、ダニッチの怪や狂気山脈も好きな人は多い。今でも面白く読めるのでいえば異次元の色彩あたりか。
他にも魅力的な作品は多いが作品の壮大さで言えばやはり未知なるカダスを夢に求めてだろう。

ランドルフ・カーターが夢見ることで訪れることが出来るドリームランドにおいて、今は姿を見せなくなった神々が住むという禁じられた土地カダスを求め冒険する、といった話である。
ランドルフ・カーターは理想化された著者自身とも言われ、カーターを主人公とした作品群は幾つかあり、時系列的には若いころ(30歳)という事になる。

怪奇的でおどろおどろしいホラー作家のラヴクラフトにしては、いやもちろん気味の悪いところも多いが、むしろ幻想的な話であり、ドリームランドの美しい情景についてこれでもかというほど書き連ねられている。


そんなこんなでたまたまラヴクラフトのコミック化があったのでカダスのメディアミックスは珍しいなと思って買ってみた。
ラヴクラフトのメディアミックスはいい加減著作権切れてパブリックドメインになってるはずなのもありそれなりにある。
まあクトゥルフ神話という大枠ばかり人気で作品群に関してはいかんせん古すぎるというきらいもあるものの、漫画化ならそこそこ日本の奴があるし、狂気山脈のハリウッド映画化の話もあったんだっけ?
とはいえ、壮大で奇妙過ぎる情景描写がメディアミックスの難易度を上げる場合もある。
そういった意味でこのカダスには期待して買ったが中々良かった。

奥付を見ると2018年にロンドンのセルフメイドヒーローなる出版社から出版されたものを角川が翻訳したモノらしい。2020年3月26日初版発行。だからアメコミでは正確には違うがまあ英語のコミックの翻訳である。だから左から読む。まあ日本の漫画でもファミ通とかゲーム雑誌みたいなのに載ってる漫画の類は左からだが。

一応フルカラーだがそこまで精密なそれでもない。
しかしドリームランドの情景。猫の街ウルタール、グールと化したピックマンの住むアンダーワールド、大理石と青銅の都市セレファイス、神の血を引く末裔たちが住むインアノク、そしてカダス。
夢の中にしか存在し得ないような理想化された土地を上手く差別化して描こうとしている。
元々が実際夢の中のような小説だがコミック化により更に際立つ。
まさに幼いころに夢見た世界を冒険しているような感触が味わえる。





創作媒体によっては、あるいは描写出来ないがゆえに描写できるという手法もある。
小説ならばあるのは活字だけ。如何様にも読者の想像を掻き立てられる。
しかして、それを視覚化できるならば、読者がした想像を超えるものが作れるのならば、それは大きな価値があると言えよう。

あるいはそこがメディアミックスの一番の利点・長所といえるだろうか。

テーマ:雑記 - ジャンル:サブカル

  1. 2020/04/21(火) 01:08:32|
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